バトルモードは回想シーンでしか出てきませんでしたが、そういうときは人物描写の密度がしっかり濃く作られており、ポイントポイントが実によくわかったエピソードになってました。
いろいろ重要な、あるいは良い情景がありましたけど、一番よかったのは、なんといっても、宙とミッチーの再会。
司馬博士の尽力で、なんとか復活した宙、しかしこの段階で視神経がまだ麻痺しており、目が見えるようになるまでもうしばらく時間が必要とのこと。
剣児にアドバイスをした後、ミッチーとの再会を果たしますが、視力がまだ回復していないので、宙には、昔のミッチーのように感じています。
そしてミッチーの手を取るのですが、50年の歳月によって、ミッチーの手は年老いて、しわがれてしまってました。それを恥じてミッチーが手を引っ込めようとすると、宙はしっかりと握り返します。
この後、無言でただ見つめあう二人でしたけど、良いシーンでしたなぁ。
50年の時間はミッチーのせいじゃない、にもかかわらず、それを恥じているミッチーに対して昔と変わらぬ気持ち、優しさ。なかなかできるこっちゃないですよ。
・・・まぁ、ミッチーはその間に結婚して孫まで作ってしまってたわけではありますが。(笑)
もうひとつ、つばきと剣児のシーンも良かったです。
剣児に背を向けながら
「鏡くんてズルいよね、こんなに長い間一緒にいたのに教えてくれなかったなんて」と強がって、努めて明るくふるまおうとするつばき。
それを察して「つばき、無理するな」という剣児。
「無理なんかしてない」と言って涙を流すつばきの肩をしっかりと抱きしめる剣児。
今回、ヒーロー2人の「男の優しさ」が充溢しておりました。
手法としては古いんですけど、こういう正統派の優しさ、って最近減ってきましたからなぁ。素直に「ええシーンや」と思ってしまったところでありました。
剣児はともかく、宙はもう少しアウトロー的なところがあったとは思いましたけどね。
さて、それ以外では・・・あのナースが、どのキャラに対応してるのか、ちょっとわかりませんでした。
・・・錦織つばさ・・・かなぁ、エンドテロップでも「ナース」としか記されてませんでしたけど、あの髪型は確実にモデルがいるはずなんですが・・・。
ひさしぶりの、『あばしり一家』次男坊・直次郎、再び。
そんなところでしたかね。
作画は人物主体の話でしたので、そっちに力が注がれてて、いつもにもまして、キュートで綺麗な画面でした。
で、エンドロール見てたら、大澤さんが原画に入っててビックリ。
一応ここでは分析はしない方針なんで、担当箇所の推測とかはしませんが、らしいところはたしかにけっこう感じたところです。(^_^;
1クールなのがほんとに残念のラスト2話、いよいよ邪魔大王国との決戦です。
基地ごと浮上して決戦に赴く、っていうのもなんか懐かしい香りがしますなぁ。(^_^)
第1話、第2話に比べると、ちょっと落ちたように感じなくもなかったですが、それでも現行のテレビアニメの水準を考えたら、ほぼ望みうる最高の作画品質・・・と言っていいかと思います。
さて、ダンテの依頼は人殺し。
いったい何屋さんなの?・・・とか思ってしまいましたけど、聞けば悪魔らしい、ということで回ってきた仕事。
ところがその悪魔ブラッドくん、実は愛に悩める繊細な青年で、ダンテが相手と知って「勝てっこない」と悟り、正体から目的からペラペラしゃべってしまいました。
実は通り魔事件の真犯人は別にいて、ブラッドは手引きこそしたものの、アンジェリナを真剣に想っており、マイクに対しても害意はまったくなく、真の敵に襲われて瀕死の重傷を負ったマイクを必死で助けてやったりと、良い人モード全開。
結局ダンテは殺しの依頼を受けることはできませんでした、っていう話でしたけど、原作というか、元ゲームを全然知らない人間にとっては、ダンテの素性の一部が語られたりして、情報としてはいろいろ収穫のある話でした。
「聞けばあなたは人間と悪魔の間に生まれたとか」・・・とブラッドが語ってましたから、この世界ではダンテの出自はわりとよく知られたものだったようです。
人間でありながら頑丈なカラダと、悪魔に通じているところなど、そういう理由があったのですね。
しかも、この世界では、悪魔と人間も通婚できるようです。
そういう設定のある超人だったようで、早い回で出してくれましたので、視聴している側としてはありがたかったです。
それにしても、今回はピザを注文したけど、オリーブは入れるなとか、なにげに食べ物の好みのうるさいアニメですね。
第1話で相当の甘党ぶりを披露してましたので、酒類は飲まないのかと思ってましたら、ビールくらいは飲むようです。
まさか「こどものびぃる」とかじゃないよね?(^_^;
今回、事件のまったく外側にしたパティ。
メロドラマが大好きなようで、テレビが故障で「春のボレロ」の最終回が見れないとかで、つむじを曲げておりました。
そういう俗っぽさも、一生懸命背伸びをしているみたいで可愛いかったですな。
つうか、作画水準はものすごく高いのに、前回のレディといい、今回のアンジェリナといい、女性キャラがイマイチ萌えまへんなぁ。
パティが過剰に萌えさせていくれるのでいまのところいいんですが、パティがいなくなると、これだけの技術力でありながら、鑑賞意欲が萎えてしまいそうで、ちょっとこわいです。(^_^;
しかも、次回はダンテとレディの過去話みたいですし、ますますパティはからんできてくれなさそうで、かなり不安ですなぁ。
BL愛好家層むけとも思えませんし、ちょっと対象としている層がわかりにくいのですが・・・まぁ、wowwowスクランブル枠はだいたいそんな感じですけどね。
『鋼鉄神ジーグ』とか『まりんとメラン』みたいなのが例外すぎた、ってことでしょうから。
もっとも、よしんば自分の好みから離れるエピソードになったとしても、これほど完成度の高い作画体制ですから、視聴経験として得るものは大きいですし、しっかりと見ていきたいと思っているところです。
大団円。
そんなにシリアスなアクションではありませんでしたから、収まるべきところへ収まったラストでしたけど、初期の変態的ビザール風味がふんだんにあって、すごく楽しめました。まさに有終の美、と言っていいのではないかと思います。
動画もこの作品としてはすごくよく動いてましたし、しめ方としては、かなりいい線いってました。
いろいろありましたけど、一番面白かったのは、やっぱここかなぁ。

クルツの中で復活したユアン君がクルツと体内でせめぎあうシーン。
やっている動作は、提供絵のところで、3ロリがやってる手パラパラ。
ここ、思わず噴いてしまいました。まったく突然でてきましたしね。
ユアン君が意識を乗っとっている間「ぼくをジャッジメントして!」と小十乃にせまるのですが、小十乃はもちろん躊躇、でもなんとかジャッジメント。
すると、イメージの中では、今度は幼年化したクルツがユアン君に「めっ」されて退場、という流れ。
ここも相当変で、始めて3ロリが変身したときを彷彿とさせる、へんてこりんな美術世界でした。
こういうのがこの作品の持ち味だったんですよねぇ、第2クールでちょっとまともになりすぎてましたけど。
その後、カードの復活によって、死んでしまったはずのソフィア部長とエルロックも復活。
童話めいたつくりでしたから、こういうハッピーエンドになっても、十分許容できます、っていうか、むしろこういう結末になってよかったと思いました。
シリアス作品でやられたら、ちょっと切れるかもしれませんけど。(^_^;
しかしそれにしても、ソフィア部長の復活・・・。(^_^;
田舎でカフカがお墓に水をまいていて、そこへ復活の光が舞い降りると、傍らに咲いていたバラの花がどんどん巨大化して、そこからソフィア復活。
こういう変態的な復活ですから、やっつけハッピーエンドでも楽しめたのでございますよ。(^_^)
エルロックはスズメの卵から復活しちゃうし。
エルロックはエスメラルダと生活をともにすることになりましたし、功士郎はアルティスタと一緒になれたみたいでしたし、菜月は猟兵をシモベにしてご満悦。
唯一ハッピーエンドでなかったのは、アッシュと小十乃くらいでしたけど、これはこれでいいのかな、と思えましたし。
やっぱり、血よりも環境ですよ。
もっとも、ヨシュアも血縁者ですから、血のつながりはありますけどね。
「ヨシュアは私の幸せの全て」・・・いい言葉でしたなぁ、少しロリ嗜好が入ってはいましたが、この作品らしくて良かったかな。
預言者にして、クルツとユアンの生みの親だった、庭師のじーさん。
この演出もなかなかよくて、素性ははっきりわかるものの、それを小十乃たちの前で明かすでもなく、静かにその場を去っていく、こういうハデなところとひそやかなところのメリハリがうまく利いてて、奥行きのある演出だったと思います。
絵柄がこんなですから、軽く見られるかもしれませんが、第1クールの異様な美術と、ラスト数話のヘンテコな、それでいてバランスの良い閉め方はすごく楽しかったです。
やっぱり残念なのは、ソフィア部長が退陣してからしばらく、まともな少女モノみたいになっちゃったところ、あれがかなり退屈だった点でしょうかね。
こういう破目のはずし方、が前半の魅力だっだけに。
とはいえ、トータルとしてはかなり楽しめました。
おなじ熊坂原作の『おとぎ銃士』ほどではなかったにせよ、仕込みの多い画面、変なセンス、ある程度の文芸知識を要求する凝った美術系のギャグ等、けっこう視聴者を選ぶ作品ではありましたけど、面白かったです。
まぁ、アンコールは無理だと思いますが。(笑)
次回から『スカイガールズ』
うん、これは別の意味で楽しみです。(^_^)
なんとなく話はつながってきているようですので、12、あるいは13話からの建て直し、っていうのは、そこそこ信憑性を感じてしまいますね。
前回の12話はけっこうグダグダでしたけど、つながりはあったようでしたし。
ただ、作画の方は不安定極まりなく、部分的にけっこう良いところもありましたけど、おそらく当初の期待には程遠い感じでした。
作画に関しては、丸投げのときもあるようですし、今回も半分以上半島シフトのようでしたから、これは破綻そのものとはあまり関係なく、単に現在のテレビアニメをとりまく状況の反映にすぎないのかもしれませんが。
ただ、影のない動画、っていうのは、いかにもだったりするので、こういうシリアスな作品の場合、激しく浮いてしまうところだったり。
お話の方はいよいよシュウ達の前に姿を現す玲・・・。
由乃を殺し人類を裏切ったのか、というシュウの問いに、こともなげに「そうよ」と言って、ほとんど挑発のような姿勢でしたけど、京香の方では、人類を滅亡から救うために・・・みたいな言動をしてますし、どっちが本心なのか、物語上は不鮮明になってますね。
どうも玲の意図が、京香の意図のさらに上を行ってしまっているように感じるのですが、単に演出上の問題か、それともシリーズ全体の含みなのか、なんとも判別つきかねますなぁ。(^_^;
もうひとつ、ヒトを食糧とするハーディアンの存在。
ヒトを食っているから、タンパク組成も似てきて、ヒトの食用にも供せられる、というグロい現実。
こっちはどれくらいテーマと関わってくるのかわかりませんが、味付けとしては良い感じでした。
さて。キャラクターとしては、「失格3人娘」が今回もいい味を出してまして、冒頭から「失格」を言い渡してたヴァルダでしたが、イエラがしとめてきたウサギをさばいて、あぶった肉をシュウと乃亜のところへもっていき「失格か?」と尋ねてみたり、相変わらず表情はまったく変化させてませんが、言動が人間じみてきて、面白かったところ。
「哀羽らしくない論理的な展開だ」・・・ここなんかも、ツンデレの新しい表現スタイルとも見えなくはなかったですな。(^_^)
乃亜は、シュウから「俺は由乃が全てだ」といわれて、ちょっとだけショック・・・だったのかな、あれだけでは少し判別が難しかったですが。
姉の死の再確認としてのショックだった、っていう可能性もありますしね。
京香は・・・人類を裏切ったのか否か。
たぶん含みがあって、敵対的な行動になっているんだとは思いますが、ネクロダイバー誕生にもなにやら関わっているみたいですし、結局はこの人物と対峙いなくては何もわからない、っていうことなんでしょう。
玲は、相変わらずよくわかりませんでしたけど、今のところサーヴィス要員らしい、っていうのはよーくわかりました。(笑)

しかしこのシーンの直後、はや代わりでタオルを巻いてたのは、ちょっといただけませんでしたが。
最初裸だったじゃないですかい。
そして、次の復活は誰かな、と見ていたら、愁くん・・・ですか?
まぁそれはいいんですが・・・、由乃まで生きてた、っていう流れですか、うーむ。
今後の処理次第でしょうけど、前半のシュウの心、乃亜の心の足跡を踏みにじるような展開・・・ともとれんことがないですなぁ。
これからシナリオは盛り返してくれるはずですので、ちゃんとまとめてくれるとは思いますが、なんか不安ですね。(^_^;
テーマ:キスダム -ENGAGE planet- - ジャンル:アニメ・コミック
だんだん回が進んでくると、幹部の扱いに差が出てくるようで、今回のトールは一発でケリがついちやいました。
とはいえ、そこそこ絵は安定してまして、どっちかっていうともっとビジョビジョな回に起用してほしかった、とか思ったり・・・。
美羽とかフレイヤとかちょびっと出しでしたけど、なかなか可愛いかったのではないか、と。
フレイヤなんかOPより良かったですし。(笑)
お話の方は、実践相撲、ということで力士さんが相手。
タイミングが悪いといいますか、大相撲で八百長が報じられたり、17歳の少年が稽古中に疑惑のアザや傷をつけて急死したり、名古屋場所の新弟子検査が史上はじめて0人だったりと、暗いニュース一色の角界。
そんな中でのエピソードでしたので、対決が1回で決着したのは良かったかな、と思う反面、けっこううなずいてしまうところもいくつか。
まず、相撲はスポーツではない、ということ。
これ、実はかなり賛成なんですよね、神事由来、ということはさておいても、奉納とか礼とかが生きてる、っていうのをもう少し重視してほしい、と思ってたりしますので。
外国人が横綱になる、ってことはとりたてて何とも思いませんけど、そういうスポーツでない部分をちゃんとしてほしいかな、と。
そういや中里介山も『日本武術神妙記』だったかで、「剣道はスポーツにあらず」みたいなことを書いてました。
もうひとつ、相撲を体育の必修科目に、ということ。
これ、ギャグとして出してたような感じでしたけど、日本人の体形とか考えたら、もう少し国技を活用してもいいんじゃないか、とは思いますね。
実際には必修にすると、男女差の問題とか、体格差の問題が別の問題を生むのは明らかなので、無理だろうとは思いますが。
そんなくだらないことをツラツラ思いながら見てしまいましたが、話の方はわかりやすいストレートな内容で、これなら格闘ものとかにそんなに興味がなくても楽しめました。
新島の使い方がわかってきたケンイチと「部下じゃない、悪友だ」という新島、なんか珍しく良い雰囲気でした。
でも、最初の頃、明らかに悪意でいじめてたよね、新島くん。(^_^;
トールの竹を割ったような性格もなかなか魅力的で、「条件がある。負けたらわしの弟子になって、一緒にちゃんこ食おうぜ」・・・良い男です。(笑)
つうことで、女っ気がほとんどない、デブとの対決でしたけど、絵柄が安定してこともありまして、けっこう面白かったです。
次回、その女っ気テンコ盛りみたいですが、予告の絵を見てる限り、今回より少し落ちてそうな不安も少し・・・。(^_^;
サブタイ「夏祭りそして果たし合い」がかなりの暗示性をもっていましたので、ドラマ部分にけっこう期待を寄せてました。その期待に違わぬ、いろんな要素のつまった見せ場の多いエピソードで、至極満足でした。
まず、ダイチとフミエ。
どう考えても脇役ポジションなのに、意外と、といっては失礼ですが、奥行きのある豊富なエピソード。
小3の頃からフミエが気になって仕方がなかったダイチ、「好きな娘にちょっとかいだしまくり」というわかりやすいフラグが出されていたのに、フミエの方は単に「ウザいヤツ」としてしか認識しない鈍感さ。
ところが今回追加されたエピソードでは、その小3時点でなんとかつきあいの口実を作ろうとして、夏祭りのプラチナチケットを送っていた、という話が追加され、フミエも一応覚えていた、という展開。
フミエの方に現時点での意識は希薄ですが、発展しうる可能性を秘めた芽、みたいなものが確認された瞬間でした。
しかし、ふつう、逆だよなぁ・・・。
小学生くらいまでは女の子の方が精神的にも肉体的にも発育が早いので、女の子は意識があっても男の子の方がない、ってのが普通だと思いますが、そこらへんは、ちゃんとヤサコが担当してるっぽくて、ダイチのシグナルはしっかりと理解している、ということで、全体としてはすこぶるバランスがとれてはいますけど。
依然として女王さまのイサコ。
黒客クラブのあがりを見て、鼻で笑いながら、かるくデジタル化。
果し合いの支持をダイチ達に伝えるが、不満の表情を見せるや
「また逆らうのか」「だったら何度も言わせるな」
・・・の強権発動。
こういうサディスティックな容赦のなさ、っていうのは、小学生らしいんですが、押し一辺倒ではほころびがでかねない、と見るや「暗号屋のワザ」を餌に飴を提供したりと、こっちは知略としての成熟さと、小学生の残酷さが不安定にブレンドされてたりで、強烈な個性です。
加えて、ハラケンの「おばちゃん」が学校に調査に来るや、引きのタイミングもしっかり心得ている・・・なんか賢すぎるんですが。(^_^;
ミチコさん・・・については次回、ですかな。
そのハラケン、死んでしまったカンナのことが依然気がかりで、カンナの母から形見のメガネを預かって、ロックされている情報を開こうとするプロセスが描かれてましたが、その際はさみこまれた、カンナのペットのエピソード。
それが実は祭りで見かけたイリーガルの正体でした、というこった展開で、このへんの物語技術はすばらしいですね。
キャラ絵がイマイチなもんで、浴衣で登場してくれても、画面のこちら側ではそれほど萌えもなかったのですが、中で展開されているお話の中での、人物の感情の行き来は手に取るようにわかりました。
この辺も、面白いだけでなく、うまい、と思わせてくれるところ。
まず、ダイチのフミエへの気持ちの再確認。
ダイチの方はちょっかい、という形でしか自己表現ができてませんが、自覚はあるみたいですね。
ヤサコは・・・岡目八目と言いますか、ダイチとフミエのことはよくわかっても、自分におきかえてみるとまだまだ不鮮明らしく、ハラケンの表情にもそれほどの頓着は見えませんでした。
もっとも、この辺、好意をもたれる、っていうことが、即自分の好意、ってことになるわけでもないですから、当然とはいえますけどね。
その他、ハラケンのおばちゃんが、ヤサコ父の部下だったらしいこととかも既に認識されてたこと、ダイチ父が町内会の会長もしくは偉いさんらしいこと、学校になにか隠されているものがあるらしいこと、カンナの死は今の事件とけっこうつながっていそうなこと・・・。
けっこう早い段階で、素材が結ばれていくように見せてくれますので、世界構築とストーリィ性が同時に充足されていくような感じです。
次回、そのミチコさん。
いよいよキースとジョミーの接触。
新米揃いの老朽艦、ワープすると「ワープ酔い」とかしだす始末。
ワープの原理を考えたらこういうのはちょっと変なんですが、これも時代かなぁ、と思わせるところ。
誰も体験したことのない描写ですから、擬似的な手法であっても、伝わればよいと思います。
子供が自分で名前を選ぶっていうのは、芥川の『河童』を思わせますね。
胎児に、生まれてきたいかどうかを尋ねる、ってヤツ。
まだ人としてある前の存在が、高等な知能をもってる、っていうのも、70年代のSFではよくあった手法。
パラライザーなんか、モロそれで、実弾を撃ったら刑事もの劇画、パラライザーなら少年むけSF、なんて言われてました。(^_^;
ハイパーウェーブ通信、なんてのも時代を感じさせます。
今じゃ量子共鳴・・・とかかな。
筋に関してはこれくらい。
今回、ちょっと気になることがあったので、それについて記録。
今回からフィシス、大活躍のはずなんですが、中の人、沙苗さんの声が色っぽすぎます。(^_^;
微妙にかすれたような、ハスキーさを秘めてて、しかも湿度も高そうな声で、しっとりとしゃべられてたんですが、なに、このエロさ。(笑)
『少年陰陽師』で彰子姫やってた頃は、わりとおさえた感じでしたのに、今回のフィシス・・・、艶濃度がかなり高かったです。
なんていうのかなぁ、不倫妻のエロさ、みたいなそんな感じ。
先代ソルジャーの衰弱も、フィシスが原因か?・・・と思わず邪推してしまいたくなるほどでした。
好きですから、良いんですけどね。(^_^;
しばらくこの沙苗フィシスが楽しめるわけで、ちょっと嬉しいです。
良い話・・・だったんでしょうが、紅羽の心情から煉とあゆみの気持ちから、セリフ・オンリーで説明しすぎで、せっかくのいい話がかなり停滞していたような印象に。
とはいっても、和麻と綾乃のやりとりとかが良かったので、そんなに見劣りがする、ってことでもなかったのですが・・・。
筋としてはうまくまとめた。という感じの方が強かったので、面白かったコントの方をひとくさり。(笑)
まず、クリスタルをブッ壊して「兄さま、あの水晶、ひょっとしてこのどうくつを支えてたんじゃ」という煉のコトバに「アー・・・」和麻・・・。(^_^;
さらに、苦戦する綾乃のもとへ、全員救出して戻ってきて、「いよー、待った?」
棒読みしゃべりに、カチンとして綾乃ちゃん、ハイキック。
「生物学的には女なんだから、ハイキックはどうかと思うぞー」と飄々とからかう和麻。
「魔獣って、ひょっとしてあの地下に封印してた?」の和麻。いい味してまんなぁ。
このあたりのテンポとかギャグとかはかなり良かったです。
つうか、これなかったら、紅羽の説明しゃぺりがもっと浮いてしまってたのではないか、と。
ラストはうまくしめてくれてましたので、不満、てほどでもなかったですけどね。
その良かったラスト2題。
まず、あゆみの命を救えなかったことに対して、怒りをブチ負ける綾乃に
「すまんな・・・弱くて」という和麻。
ふだんは、絶対的な力と、優位に立ったサディスティックの言い方をしているだけに、こういう弱音にも似たことばが出されると、効果覿面です。
ときどき見える、和麻の本音、そういうのが、実にわかりやすく見ている側に伝わってきたところで、綾乃も思わずハッとしてしまい、「ごめん、やつあたり・・・」とひいてしまいます。
いつも弱音の人間だとこんな効果は得られないので、いいシーンでした。
もう一つ、あゆみの最後のことば。
「ひとつだけお願いがあるの」
だいたいこういうラストのことばのときって、「忘れないで」とか「○○を大事にして」とか「がんばって」の類のことばが多いんですが、あゆみのラストは、
「私を憐れまないで」・・・少し意表をつかれました。これもまたいいセリフでした。
見かけの幸福とか、ハッピーエンドの演出で酔ってしまうようなコトバではなく、今、このときの状況、あゆみの意思、そういったものが集約されてて、他作品への応用が利きにくい反面、本作の状況にふさわしい個性的な良いセリフになってたと思います。
魔獣・是怨・
富士山麓から出現した、巨怪な姿。。。実は亀の形・・・てのはやはり「玄武」を意識してたんでしょうなぁ。
「SOS富士山」のゴルゴスを連想してしまいましたが、形は全然別物・・・でした。
つうわけで、多少の問題点は感じたものの、概ね良いデキで、シリアスな展開の合間合間にはさまれる綾乃の言動が可愛いくて、今回は、煉と綾乃のダブルヒロインみたいな雰囲気でした。(・・・え?)
次回は、その面白かった、ヒロイン綾乃の迷走暴走が楽しめるようです。(^_^)
キャラクター的には、和音くんの告白を聞いてしまった花鈴ちゃんのドキドキがメインでしたけど、筋としては、みちると和音父の教授との関係、黒ヒメカに対する烏丸兄弟の決意、ってあたりでした。
まず、みちるくん。
どうもいまだに役どころがはっきりしない感じですけど、あからさまな敵、ってことでもなさそうです。
和音にちょっかいとしか思えない行動をとるのが、はたして教授との間にあったであろうことと関係しているのか、単に彼のクセなのか。
やっぱり教授との間にあった関係、と見るべくなんでしょうね。命の恩人とか言ってましたけど、状況からみて嘘とも思えませんでしたし。
対する和音くんの方は・・・、どうあの告白が本心かどうかわからないところがあります。
本人に面と向かって言ったわけでもないですし、姫香への感情が家族のようなもの、ってこともあるので、本心なのかも知れませんし、あの場を治めるためだけの虚言の可能性も感じますし。かなり微妙。(^_^;
今後の成り行き次第かなぁ・・・。
その指輪、力の封印、てのがポイントでしょう。
当然、その力が発揮される場が用意されてるでしょうから、どこで、どういう状況下でなされるのか、がポイントです。
さて、主人公、花鈴ちゃんのドッキドキ。(笑)
テレビ画面のこちら側から、第3者として見ている分には、「本心かどうかわからないじゃん」と見えてしまうのですが、あのシチュで聞いてしまうと、花鈴ちゃんが「告白」と確信してしまうのは当然ですね。
実際本心の可能性もかなり高いわけですし。
花鈴の気持ちは、まだキリカ先輩に幾分か残ってるっていうこともあって、和音くんに対する感情は自覚できてないようですから、まず姫香の気持ちを思ってしまい、自分が修羅場の近くにたたされてしまいつつある、っていう認識も、これまた当然でしょう。
つうか、ここで、自分だけのことを考えず、姫香の気持ちも考えてあげている、ってのが主人公らしくていいですな。
デートの途中のあれこれ考えてるのは楽しかったです。
デートでうな重を食べるのはいけないんですか?
今の御時世だと、和音くんから「そのウナギ、国産か中国モノか確認した方がいいぞ」くらいのつつこみが入ってもよかったと思いますが、TX系列ってことを考えると、無理でしょうなぁ、深夜ですらないですし。個人的にはいれてほしかったです。(^_^;
「デートの途中で神化する女の子なんて・・・」いや、神化そのものがありえませんよ、花鈴ちゃん。
こういうボケは最高ですな、さすがに庶民派です。見た目はブリブリのお嬢さまですけど。
少し気になった点。
作画側の事情だと思いますが、ケーキが崩れるってのは、もっと違う崩れ方だと思います。あれ、どっちかっていうと、デコレーション部分の崩れだったでしょ?
あとは久々に登場の黒ヒメカ。
結局物語の軸は姫香と黒ヒメカに収束していきそうですが、ギャグのウェイトが高めで進展していってますので、ときどきこういう本筋に立ち返ると、適度な黒さがあって、心地よいです。
原作者さんはもともとこういうダークがかったスタイルの方が好きみたいですしね。
次回、サーヴィス回・・・てわけでもないかな。
一応、海辺と水着イベントのもよう。
前回に引き続き、神がかった展開に、すっかり囚われてしまいました。
話の構造そのものは、蒼乃と茉莉の戦いだけで、その間に蒼乃が夜禍となった過去、そして一時停車していた繭子と辻堂が挟まれるくらいで、さしたる変化もない構成。
にも関わらず、視聴しているものに津々と迫ってくるこの深さ、重さ、柔らかさ、切なさ、そして動き。
どこを切り出しても、すばらしい、としかいいようのないシーンの連続でした。
あえて難をつけるとすると、いつもにもまして、依人のアゴがひどかったくらいですか。(笑)
一応バトルメインでしたので、そこから見ていきます。
まず、呼び出して、剣で戦う茉莉と、紙片を操る蒼乃のサイキックバトル。
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メインは過去の物語の方でしたけど、ここでの戦いも、動きに富み、しかもやりとりの面白さがつまってて、とっても面白かったところでした。
既に2人の力は今まで描写されてましたので、どうなっているのかはすごくわかりやすかった上に、その技の冴えが一段とグレードアップしているようでした、特に蒼乃。
紙片を刃物のようにして飛ばす、飛び道具使用に加えて、紙片が添付したものすらも自由に扱えるところを見せてくれまして、パイプや鉄骨などを飛ばしてくる戦法。
一方の茉莉、剣戟での接近戦に持ち込もうとするも、蒼乃の紙片攻撃の前になかなか間合いを詰められず、力場を作って鉄骨攻撃を遮るのが精一杯。
しかも、蒼乃の紙片は攻撃だけでなく、ヒトガタを作って幻惑できる優れもの。
茉莉の剣が一瞬蒼乃の肘を切り裂いたかと思いきや、それはヒトガタを模した紙人形でした。

この戦いの流れが今までにもまして面白かったので、構成としてはシンプルだったのに、実にダイナミックで、奥行きのあるエピソードになってました。
その合間に語られる、過去。
本来生贄として捧げられた蒼乃。でも、3人で逃げて、生きていこうとするのですが、そのことは同時に、今まで知らなかった孤独の辛さを逆に浮き彫りにしてしまうことになるのでした。
ともに生きていくものができて、今まで普通だと思っていたことが、実は悲しい孤独だということに気づいてしまう茉莉。
そして依人の死によって、言い知れぬ孤独を知ってしまう蒼乃。

蒼乃は絶望のあまり死を選び、茉莉もまた孤独の耐えがたい痛みから、夜禍の力を使って蒼乃を生き返られてしまう・・・。

今まで部分部分で語られてきた設定、伏線が、一つの物語を形作り、しかも無理なく収束していく・・・さらにその物語は、生きていくことの辛さや、孤独の悲しみを伝えてくれる・・・。
月並な言葉ですけど、もう感動、としか言いようがないすばらしい展開で、ただただ物語にひきこまれていました。
舞台となった映画館跡地・・・そこにはスクリーンがあり、舞台の上で最後の決着をつけるべく立つ、蒼乃と茉莉。
蒼乃によって四肢を固定されてしまっていた依人。
死力を振り絞ってその蒼乃の紙片をふりほどきます。
ここまででも相当だったのですが、さらにすごい展開が。
舞台で対峙する2人、ところが、茉莉のもってきた剣に秘められた力があることが語られます。
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辻堂との会話で言っていたことの意味ですね。
スクリーンに投影される光・・・その中で茉莉が見せた剣の力・・・。
いったいどうなるんでしょうか、次回の最終回は。
物語の深さ、面白さ、よるべなき魂が触れ合う孤独の痛み、悲しみ・・・。
テレビ作品として、ほぼ考えられる最上級の物語が提供されているように感じます。もちろん作画も一線級ですし。
生贄だった蒼乃、依人のいない世界での死を決意してしまった蒼乃・・・その深い悲しみにもうたれるのですが、依人の言っていた、「生きているなら、嫌なことだってする」というコトバの重さ、それをわかっていても尚、茉莉と戦わざるをえない蒼乃の心。
全てが悲しく、生きることにあがいているようです。
3人の運命は?
あと数日で、この物語の結末を見れることになるようです。