涙あり、笑いありの、感動の最終回・・・だったんですが、ラストBパートのすごい演出には、ちょっと度肝を抜かれました。
面白い仕掛けではあったんでずか、無理にこういうことをせんでも・・・っていうのも少し・・・。(^_^;
さて、祝賀会。
新部長、演劇部員の前で頭を下げる野乃。
もとより、野乃の実力は評価されていたんでしょう、新副部長が思わず涙の制止。それを慰める美麗。

部長、副部長って、11話までほとんど目立ってなかったので、ようやくクローズアップされた感じでした。
それにしても、ロングの副部長、可愛いかったですね。(^_^)
桂木君も感動してなのか、それともほんとに生理現象だったのか、トイレに席を立つと、おいかけるようにして、オリナル・ちとせも「麦、私もトイレ!」

ここの必死すぎる表情。爆笑でした。
すげーなぁ、ちとせ。
本筋は、麦の性格と脱皮、野乃と美麗、麦と佳代、っていうところまでで、そんなにちとせにはスポットがあたりませんでしたけど、キャラとしての存在感は強烈にありましたね。
しかも前向きな姿勢。
戻ってきての明るい態度に、麦は「結果がわからない」と思ってしまうほど。

遅れてきた理咲・・・ただ一人、受験未決定組。
うーむ、成績の悪い人って、けっこう早い段階で手をうつから、わりと最初の頃に決まっちゃうことが多いのですが・・・案外プライドが邪魔して上の方受験したのかなぁ。
時期的に考えて、美麗の本命って国立っぽいですし、美麗よも成績の良い野乃も当然そのあたり、もしくは私学の難関校。
だとすると、確かに理咲のピンチ度合いって半端じゃないですね。(笑)
二次募集とかってのもあるでしょうけど・・・。
そして卒業式。
この前後から、過去のシーンをフラッシュバックさせてて、妙な雰囲気にはなりつつありましたけど、野乃を呼び出した後の麦のシーンから、ものすごいシメを用意してくれてました。
はい、ここでスイッチが入ります。

講堂の舞台のイメージがあらわれ、空を舞い、光に包まれるイメージが挿入、その中でダンスを踊る麦と野乃。
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一瞬、何が起こったんだ、と思ってしまいましたけど、過去の映像と、舞台でのイメージ、着られることのなかった衣装のエピソードを間にはさみこまれたりしてましたから、これは回想の昇華であると同時に、演劇賛歌でもあったのだろう、と思っています。
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演劇を知ることで、別の自分になれることを知った2人、そして心を舞い上がらせることができるようになった麦。
いろんなことがあった1年間を思いつつ、舞台と「演じる」ことに対する恩恵と賛歌・・・そういったものでもあったのでしょう。
仕掛けがかなり大げさでしたので、少しびっくりはしましたが。(^_^;
去り行く先輩達に向かって、主役・麻井麦の声で、高らかにかけることば
ありがとうございました。

私も良い作品をありがとうございました、の想いでいっぱいです。
正直、放映前は、こんなにすごい作品になるとは思いませんでした。
本橋さんの名前があったので、キャラ絵だけはきれいに仕上がるだろう、という予想程度はたててましたけど、良い方向で裏切られました。
総括として、学校描写、舞台描写がすばらしく良かった、っていうのがありました。
室内の採光に始まって、窓から見える橋、木造校舎の淡い光、エフェクトのかかった色調、等々。
そして、第1話からいきなり見せてくれた、学生演劇らしい舞台。
立ち舞台ではなく、平土間としての演劇空間、舞台位置のテーピングとか、上手、下手の区別、スポットライトと移動光、観客席からの距離感・・・。
あげていけばきりがないですけど、これくらいしっかりと学生演劇の場を描いてくれたことに、感動を覚えます。
そして、原作の持ち味を、もうこれ以上ない、ってくらいに引き出してくれた演出等、ほんとに見ている間、酔いしれるような幸福を感じていた時間でした。
こういう作品に出会えると、まだまだ○年は戦える、なんて思ってしまいます。
2年になって、麦も「麦先輩」って言われてました。
演劇部に入るプロセスとかはスパッと省略されてましたので、もう第2期はないと思いますが、このスタッフでやれるのなら、ぜひ見てみたいなぁ、と思ってしまったりもします。
1クールだったのがほんとに残念でした。
良い作品をありがとう。
麦、佳代、オリナル、の細かな心の揺れ、心情変化、繊細にすくいあげてくれてました。おまけに、美麗まで。
まず麦の衝撃が依然として尾をひいていたこと。
構成としては、合宿のときに、野乃につきはなされて「うわぁぁぁん」となったあたりと同じなんですが、今回も多少野乃に叱咤されたとはいえ、麦自信の問題であること、そしてなにより麦は自覚していたってこと。この辺が重要ですね。
麦が自分のことしか考えていなかった、っていうのはけっこう早い段階から気づいていたような描写もあったんですが、今回気もっと深く、佳代ちゃんの気持ちを考えていなかった、っていう点にまで到達してくれました。
ここまで、佳代ちゃんサイドの描写を控えめにして来た効果が出てる感じですね。

佳代ちゃん自身のことばとして、麦の舞台から勇気をもらった等ありましたけど、そこから先にはいっていない、つまりそれは、麦が自分で気づかなきゃいけない、ってことだったんですね。
佳代ちゃんが麦からもらった感動、勇気、っていうのも、この深い描写をあえてしなかったことでひきたっているようなところもありまして、麦の細かい変化、そして目のあたりにしたものすごい成長・・・これは佳代ちゃんの立ち位置でしかわからない強烈なものがあったことでしょう。
オリナルの言う「これを4年も操ってきたとは、佳代ちゃん、あんたやっぱすごいわ」
ここ、原作ではけっこうコミカルなシーンとして出てたんですが、アニメで見ると、佳代ちやんの描写が少ないことが効果的に補正されてる感じでもありましたし。
そして回想、佳代、麦、出あいの頃。

麦は中1の頃から全あまり変わりませんね。(^_^;
佳代ちゃんは多少幼い感じがありましたけど。
そして舞台にひっぱりあげられた麦。
ここの美術がもう、なんといいますか、すごい郷愁をさそうシーンで、ちょっと涙が出そうになったところ。
許可はとってるとか言ってましたので、暗幕がひかれてたのはオリナルの演出なんでしょうけど、これが実に良い雰囲気。
冬の誰もいない舞台、っていうのは、もうそれだけで胸にくるものがあります。元・某大学演劇部員としては。(^_^;
そこでくりひろげられた、麦の独白、佳代ちゃんの和解・・・っていうと、ちょっと変かな、ともかく二人の心の再交流。
なんか一生あえなくなるようなムードでしたけど、十代の頃の留学って、それくらいの重みがありますよね。
オリナルのことば「えー話やないの」
なにげにオリナル、至言が多いですのう。
オリナルも、こう軽く言ってしまわないと、感動で押しつぶされてしまいそうだったんですね。

ちょっと胸うたれてしまったシーンです。
さて、その他にも良いシーンはいろいろありまして、まずオリナル。
麦をライバルと今回も明言してましたけど、佳代ちゃんほどではないにしても、人が変わりうる力を、自分の得意な演劇の場で見ただけに、感ずるところがあったんでしょう。
そして美麗。
ある意味、本作の裏テーマでもあった、美麗と野乃の友情。
それがしめくくられつつある、すばらしいシーンでした。
着られることのなかった衣装。それに対する感情、想い。

物理的には上背が違いすぎるので、野乃用の衣装は美麗には無理、ってことなんでしょうけど、もっと深いものがありますね。
舞台の上、あるいは演劇が好き、っていう気持ちの上では実に大きな存在感を見せる美麗でしたけど、一度ふつうの女学生に戻ったときの繊細な優しさとか、普通の感情の起伏を見せてくれてました。ここらへんのギャップ・・・とまではいかなくてもメリハリの差、っていうのも、美麗を実に魅力的なキャラに仕上げてくれていたと思います。
そういや原作コミックス3巻の裏表紙「泣いてる訳、ないでしょ」っていう絵、実に美麗らしくて良かったですな。(^_^)
さて次回、最終回。
こんなにグレードの高いテレビ作品を見せていただけると、第2期を同じ制作スタッフでやってほしいなぁ、とか思ってしまうところです。
無理なのを承知で、そう感じてしまった本作、有終の美を期待しておきます。

佳代ちゃんとのお別れ話・・・、原作でもけっこう好きなエピソードでしたので、ちょっとうるうるしてしまいました。
ただ、演劇対決の劇的な動きが続いていたせいか、やや場面的な動きに乏しかったような気もしてしまいました。
とはいっても、演劇部でのパーティとか、初詣とか、野乃が学校近くの橋をたとえにして麦に語るシーンとか、静止してましたけど良い場面はあったと思います。
親友が自分の道を切り開こうとしているのに、これを応援してやることもできず、自分のことばっかり思ってしまう閉塞感と自己嫌悪。
今回のテーマはほとんどここにありますね。
結局のところ、麦自身が変わらなければいけない、ということ。同時に、あの演劇での踏み込みがあっても、人はそんなに簡単に、すぐに変われるものでもない、ということ。ここらへんの人間観察、妙にリアルでよかったですな。
原作読んでたときも、自分のことしか考えられなくなって、がんばれ、が言えない麦の閉塞感を見たときには、けっこう共感してしまったものでした。絵自体は、わりとさらっと描かれてたんですけどね。
佳代ちゃん以外では、美麗が少ない場面ながら、けっこういろんな側面を見せてくれてました。
野乃に「私は大丈夫だけど、あなたはね・・・」といわれてしまう美麗。(笑)

野乃の方は小康状態といいますか、まぁ、麻痺ですから、まったくでない、ってことでもないんでしょうけど・・・。
で、「因数定理」が不確かな美麗、ってことは、国立文系志望、ってとこかな。
理系で因数定理ができない、ってのはちょっと考えられませんし、センター利用の国立中堅文系なら、だいたいそんなもんでしょう。
それにしても、美麗もそんなに悪い成績ではなかったはずですが、校内トップランクの野乃の前では手もなくひねられている感じでした。

舞台では圧倒的な存在感と誇りを示してた美麗でしたが、一度学校生活に立ち戻ると、野乃の尻にしかれっぱなしです。
なんか百合のような友情のような、そういう熱くてアクティブで、ちょっぴり恥ずかしい二人の結びつきは、この作品の隠れた重要ポイントだったように思います。
そして、この2人の、我は張り通すけれども、どこか太い絆でしっかりと結びついている、っていう友情と、佳代の決意で自分を見失いそうになってしまう麦の心がうまく対比材料に使われているようでした。
腹の底から気持ちをぶつけあえる、そういう友達の大切さを教えてくれているように感じたところ。
麦にしても、自分の気持ちを出してしまうと、それがわがままになる、っていうことはしっかり自覚してるんですよね。
でもそれを自覚してしまうからこそ、遠慮みたいな、なにかこわごわと触れてしまう、そういう気持ちになってしまっているわけで、ここが先輩達が示してくれているような友情とは別の形を歩んでいかなくてはいけない、面白さ、大切さだと思います。
ともかく、演劇対決のライバルであり親友である少女たち。
画面嗜好により、ヤローは割愛しますが。(笑)
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ついでに、新生演劇部の部長、副部長コンピ。

クリスマスイブはお休みでしょう!という決議に、美麗の心配は増すばかり。(笑)
大丈夫、このアニメシリーズではそこまでは描かれないようですが、来年には麦とちとせが中核になって・・・るのかなぁ。(^_^;
ちとせ、甲斐くんと初詣に行ったて、野乃を発見して相談しますけど、野乃の強い性格では、即効性のアドバイスにならなかったようですが・・・。正しいことが、必ずしも薬になるとは限らないような、ラストでしたけど、麦の悲しみは、十代独特の感性ですね。
そういうことで人生が終ってしまうように悩めるのも高校生まで、早い子は中学生の段階で、そんなことで人生が終ってしまったりしないってことに気づいてたりもするのですが、そういうことに気づかず、あるいは気づいていても割り切れなくて、思考の堂々巡りになってしまう・・・。
若さの苦さ、みたいなところが良いですね。
だから、ラストの麦の悲しみは決して大げさなものじゃなかったと思います。

むしろ、羨ましかったりしてしまいますけどね、この青春の苦さが。
さて、やっぱり1クール12話だったようで、卒業式の前後まで、のようです。
あと2話、麦の佳代への想い、オリナルの告白あたりがヤマですかね、ギャグ処理になりそうな気もしてしまいますが。(^_^;
麦ちゃんの声における、アニメ的効果と、演劇的効果については前回述べたので、ここでは割愛。
美麗のナレーションでスタート。
恐らく写真部の展示であろうカットを背景に語られる、美麗のことば、「野乃の奇跡」。
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舞台上で演じられている麦を通して、親友・野乃を見る、という美麗の意識。そして背景にある、佳代ちゃんによる麦・成長の記録。
麦の物語でもあり、野乃の物語でもある、そういう側面を浮き上がらせてくれる美麗の語りでした。
観客席でもこの麦の声に心奪われていて、演劇部の2年生(次年度の部長を含む)がオリナルに「これだったのかー」と聞き返していたりしてましたが、なんといっても、美麗と佳代ちやんの反応がよかったです。

「良かったね、麦・・・。」
佳代ちゃんの胸のうちにある決意と、今までのこと、これたぶんしっかりと次回に描いてくれていると思いますが、佳代ちゃんの麦への思い入れは、しっかりと伏線にもなってますし、良いシーンであると同時に、良い構成でもあったと思います。
そして舞台で終局・・・だったんですが。
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この舞台、見てー、と思った瞬間。(笑)
まず、覚醒した麦が、恋の成就を得て幸せになると、妖精たちが見えなくなる、という筋でしたけで、その舞台。
照明を変えて、3人の姿を暗転させ、それとは違う方向にむかって、麦が一人語りかける、という装置。
あー、これ学生演劇のレベルで見たら、ちょっと震えるかもなぁ、と思った演出でした。
麦の独白は、独白であり、消えてしまった妖精へ語りかけであり、同時に観客へのメッセージである、という3つの含みが内包されていて、しかも、すごくわかりやすい構成、舞台装置になっています。
舞台上での立ち演技、立ち芝居、っていうのは、高校生くらいなら普通にうまくこなしますけど、こういう暗転を使って、しかも独白にいろんな意味を付与してる、っていうのは、ちょっとゾクゾクくるところですね、経験者としては。
・・・こういう独白、社会人や大学生のアマチュア劇団なんかでもときどきこけてることがありますから。(笑)
第1話から思ってましたけど、ほんとに舞台の見せ方がうまいと思います。
それだけに、いったい照明は誰が担当してるんだ、ってのが気になって仕方ないところではありますが。(^_^;
生徒会だとしたら、うますぎです。
さて芝居も終って、カーテンコール。

野乃さんの合図で、舞台へ。
終って、麦に抱きつく佳代ちゃんとかオリナル。ええシーンや・・・。
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そして決選投票だったんですが、この会長・・・甲斐くんにもつっこまれてましたが、名物なんでしょうなぁ。(^_^;

盛り上げなくてはいけない、っていうのをよくわかってる感じでしたので、わたしゃ好きですよ、もちろん。
結果、美麗の言った通り、演劇部の勝ち。
たぶん尺の問題だと思いますが、演劇部の方をもっとちゃんと見せてくれていたら、また盛り上がったんですけどね。
そして反省会。
今回は前半が素晴らしすぎたので、後半、やや付け足し感みたいなところがなくもなかったですが、作画は安定してるし、十分に余韻を楽しめました。
研究会誕生の経緯とかいろいろありましたけど、個人的には理咲と美麗のケンカ別れの方が面白かったです。(^_^;
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でも前回のセリフでしたけど、美麗はしっかりと理咲の長所も把握してたんですよね、そこいらへん、美麗の眼の確かさとか、演劇スピリッツみたいなところとか、それゆえにこそ野乃の身を案じてしまう優しさとかが伝わってくるところです。
野乃については・・・、はよ病院いけよ、とか思ってしまいましたが・・・。
ともかく、「演劇研究会は解散します、おつかれさまでした」となりました。
いやぁ、実に充実した演劇アニメでした。
作品内時間として半年、視聴者時間として約2ヶ月、実に濃い密度で見せてくれたと思います。
「それはひとひらの夢でした」・・・こんな充実した学生生活って、そうないですよ。麦ちゃんもオリナルも幸せものですなぁ・・・。
さてさて、あと3話だと思うのですが、この分だと卒業式まで入るかどうか、キワキワかな。
麦が戻ってくる、というか演劇部に入るところまでしてほしいんですが、ちょっと厳しいかな・・・。
ともかく、次は佳代ちゃんの話。
オリナルの告白もどこかで入れてくれるとは思いますが、たぶん佳代ちゃんメインでしょう。
今回が最終回でもいいくらいノリでしたけど、佳代ちゃんと麦のこの話もけっこう好きなので、期待しています。
猫ぱーんち!

舞台決戦。
今回の舞台は、それほど凝ったものでもなく、普通に立ち芝居、立ちセリフでした。
最初の演劇部の方って、臥せ演技でしたけど・・・、これはもう少し工夫してほしかったかな。
リアルっちゃあリアルなんですが。
照明の加減は相変わらず秀逸です。
学校内風景とか、部室とかですと、明るさ基調なんで気づきにくいんですが、舞台になると、この採光の妙味、っていうのが、すごく生きていると思います。
研究会の方は、もう身に覚えのあることばっかしで、なんか痛かったです。(^_^;
「ああ、失敗の空気がここまで・・・」
失敗の空気・・・たしかにあるんですねぇ、そういうのって。
演劇部時代は道具方メインでしたので、仲間が演じているときでしたけど、そういう空気の流れって、当事者もそうですけど、見ている方の辛さも相当なもんです。
それだけに、麦が声を通すところ、一大カタルシス・・・だったんですが、アニメ的には伝わったかなぁ、っていうのが少し。
つまり麦が最後に発した、よく通る声、あれってすごく演劇的でした。
ただ、アニメ的には「野太い声」に聞こえてしまうんですよね、そこがちょっと残念なところで、一応アニメですから、そこまでリアルにしなくても、アニメ的によく通る声でよかったんじゃないかなぁ、と思ってしまったところ。
ショー演劇や映画なんかと違って、ノーマルな舞台芝居ですと、よく通る声、っていうのは、声量もさることながら、声の響き、そういうのも大切です。
よく言われるのが、囁き声でも、ホールのすみずみまで聞こえる声、っていうのが、通る声なんですよね、ピアニッシモが伝わる、といいますか。
芝居をやってると、こういう声っていうのは一発でわかります。ですから、第1話で、野乃が麦の声に気づいた、っていうのは、けっこう自然なことだと思ったのですが、最後に来て、その本領を出してくれました。
ただ、それがアニメ的にカタルシスだったか、っていうと、ちょっと疑問かも、って点を感じてしまいましたが。
ともあれ、良い場面でした。
背景として、オリナルが、先輩部員に「そうじゃない、ほんとはすごい声なんだ」っていってたのも、良い含みになりましたしね。
もう一つのポイント、野乃の声の喪失。
ドラマ的にはこちらの方が重かったですが、こっちについては、美麗と野乃のドラマでもありましたね。
ひやかしと称して心配して来る美麗、わかっててイヤミで応酬する野乃。でも結局は言ってしまう「ありがとう」。
観客席でこれも、ある意味で、失敗の空気が漂ってきたけれど、それをどうしてやることもできない美麗の立場として、うまく描いていたように思います。
麦を見つめる佳代とオリナル。
野乃を見つめる美麗。
佳代と麦はこの対決の後、別のドラマに発展するわけですけど、この麦に対する心配が良い伏線にもなってましたし、観客サイドのドラマも秀逸でした。
あと。理咲のアドリブ。
美麗部長、普通に「昔からああいうのがうまかった」って言ってましたけど、やっぱり理咲も天才肌だったんですね。
第1話からそのにおいは濛々とたちこめていましたけど、どうも近すぎるせいか、野乃はちょっとその才能に冷たかったですね。
というところで、後は個々のシーンについて。
まず、生徒会長、ノリノリであります。(^_^)

芸術系ですから、この人も美術とかなにかやってるんでしょうけど、劇場的効果をよく心得た人ですな。
まぁ、中の人が中の人、っつうのもだいぶありましたが。(^_^;
さて、文化祭ですので、クラブ発表だけでなく、各教室単位でも出し物があるわけでして、麦と佳代のクラスはメイド喫茶。

佳代ちゃん・・・なんかエロい。(^_^;
男子学生に囲まれた麦を助けた甲斐くん、いいムードになりかけたのに、ボスからお呼びが。
先行は演劇部、ということで、偵察にきたわけでしたが、思わず舞台衣装かと思ってしまう珍妙ないでたち。

こちらもそれぞれクラスの出し物だったわけですが、野乃の着ぐるみによからぬ感情を抱いた桂木君は猫ぱんちを食らっておりました。(笑)
演劇部の出し物は1シーンだけでしたので、はっきりとはわかりませんでしたけど、現代劇ですね、そして美麗は・・・男役?
役の説明では、なんとなく姉妹かと思ってたんですが。
まぁ、役者として大事な上背があるので、どっちでも舞台映えしますね、美麗は。
そして控え室に戻って、麦の弱気の虫を退治して、野乃の不測の事態に対する打ち合わせをしてますと、美麗登場。
格ゲーの対決シーンのようでした。(笑)

実は心配してきたのに、言い出せない美麗と、そんなことはとっくにお見通しなのに素直になれない野乃。
この2人のツンデレ勝負もなかなか胸に来るものがありますなぁ。
立ち去り魏ぎわに、野乃から礼を言われて立ちすくす美麗。
野乃の覚悟、そして起こることがわかってしまったかのようでした。

麦の練習を見てしまったオリナルと、そんなこと知らない先輩との意見の相違。
えーと・・・新部長はどの娘でしたっけ、なんかこの段階では全然印象ないですなぁ。

しかしオリナルは根っから芝居の子、ですね、前回の土下座もそうでしたけど、こういう一つ一つの挙動が大きくて、芝居がかってるのも特徴がよく出ています。
一方、後ろの立見では佳代ちゃんも心配して見にきてました。
美麗が目ざとく見つけてやってきましたけど、この段階では、お互い、友人を心配しているっ、ていうところしかでてません。

でも、佳代ちゃんの胸のうちには、もうある決意がゆらゆら燃え始めていたんでしょうなぁ。
このペースですと、佳代ちゃんと麦の一件もちゃんとやってくれそうですし、こんなふうに濃密な伏線をはってくれてますと、期待が高まってくるところです。
たぶん期待以上のデキに仕上げてくれると思いますので、今から楽しみです。
そして始まった舞台、でも麦は相変わらず。
「失敗の空気がここまで・・・」オリナル、1年生のくせになんでそこまで芝居のセンスがありやがるですか。

舞台上。
ここでははっきり見えませんでしたけど、上手、下手はあいかわらず意識されてました。
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先輩達の姿。
なにげないですけど、こういう「あわせ」も学生演劇っぽくてよかったですな。
ところで、照明は誰がやってんでしょうか?(^_^;
もうひとつのクライマックス、野乃に訪れた声帯麻痺。

衝撃を受ける美麗・・・。

原作、ここで「無理して声を出す野乃」・・・書体を変えて表現してたんですが・・・川澄さん、見事でした。
そして、麦・・・覚醒!

いや、今回も、背筋にビシビシ走ってくるものがありました。たまりまへんなぁ。
もう次回予告で、結果は割れてましたけど、この後も素晴らしいドラマが展開します。
関西は、本作の最遅放映地域なんですが、これだけ感動を与えてもらってますので、遅れてもしっかり記録はしていこうと思っているところです。(^_^)
もう主人公、野乃と美麗でいいんじゃね?・・・とかつては私も思ってました。(^_^;
演劇決戦の後、麦が主人公たるゆえん、を見せてくれますけど、アニメの方では実にしっかりと原作を丁寧に仕上げてくれてますので、ここまでは、原作以上に野乃と美麗の強がってばかりの友情、に目をひきつけられていました。
まず、公表されたポスター。

なんかいい感じで仕上がってますけど、麦は演劇部部員達にさえ認識されていない地味キャラ。
でも仕上がりはいいですね。写真は佳代ちゃんかな?
今回のメインは倉庫の場面でしたけど、そこまででも良いとろこはいくつかあったので、ピックアップ。
まず、オリナル。
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桂木先輩に会いに行って、偶然目撃してしまった、研究会の練習風景での麦チョコ、それを見て、美麗に「しごいてください」と階段の下で土下座をするシーン。
良いですねぇ、オリナル。フワフワ浮ついているようには見えるけど、麦とは違って、もうしっかりと演劇魂のようなものがしみついてしまってるわけで、とっさに切り換えられるこのセンスというかフィーリングが心地よいです。
美麗からあふれる演劇スピリット、一番強く継承していきそうなのは、オリナルですよね。
ついで、倉庫前の美麗部長。
雨の日に野乃に差し出した傘を拒絶されて、野乃に気があることは周知の桂木君が近くにいたので、
「無愛想で自分勝手で無茶苦茶で、辛くなるだけだよ、諦めなさい」
ところがすかさず桂木君。
「それ、自分に言ってる?」・・・ナイスです。
「何のことよ」・・・美麗、図星でした。(笑)
一瞬のうちに切り替えす桂木クンも、なかなかの演劇センス。

桂木クンは、野乃に気があるけど、野乃の方には気がない、っていうこと、とっくに承知していて、なおかつ諦めていない、そういう達観したところがあるからこそ、美麗の心の中というか、本質まで見えちゃうんでしょうね。
一方の美麗、演劇人としては、桂木クンよりも、むしろ理咲に近い感じを受けました。
そして倉庫の場面。正直感動しますた。
鍵が開いてたとも知らず、一人コントの美麗。
今回、シリアスな中にも、こういう可愛いシーンがたくさんありまして、美麗の人間性というか、奥行きが一層しっかりと見えるようになっていたと思います。

ところが出ようとしたところ、扉があかなくなって、大声を出しますが、なんと声帯を痛めている野乃までが大声を出して助けを呼び出して、美麗びっくり。

そのあと、「声が出なくなった」の書き文字。
結局、野乃の芝居だったのか、マジだったのか、はっきりとわからないような構成にしてましたけど、後の抱擁のことを思いますと、ここはマジで出なくなっていた、と思いたいところですね。
回想シーン。
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美麗が誘い、そして野乃が主役を勤めるまでになっていったこと。
「誘ってよかった」・・・このとき、美麗、幸せの絶頂期。
こうしてみていると、野乃って典型的な娘役ですね。ヒロインタイプ。
理咲にしても、美麗にしても、上背があってスタイルもいい、演劇人らしい演劇人、てところですけど(男役でもできる万能選手型)野乃の場合、固定タイプ、ってのが、才能の差、として認識しされてしまってるところのようにも感じるところ。
とはいえ、麦の目から見ると、野乃にしても相当のセンスに恵まれているように見えるんでしょうけど。
でも芝居って、肉体による表現だから、やはりカラダは大きい方がいいですし、野乃の舞台上での可憐さも、きっと側に美麗みたいな存在がいてくれたからこそ、みたいなところもあるんでしょう。当然、野乃にもそういうことはわかってたでしょうし。
「一人じゃできないことを教えてあげる」
この辺りの美麗、すこぶるカッコいいですよね。
オケの経験もありますけど、オケとか演劇とかの、全員でやってる、っていう一体感、これってスポーツのそれとも少し違う、一種独特の高揚感があります。
経験しちゃうと、もう麻薬みたいに忘れられなくなるんですよね・・・。
でもこの幸せの理由だったことが同時に苦悶の原因となる美麗。

野乃に起こった声帯麻痺、それによって筆談になってしまってた、っていうのがいい効果になってました。
友達もいなくて・・・というコトバに対して「友達ならいる」とやり返す野乃。
「理咲や桂木クンのこと?でもあの人達は・・・」と言いかけた美麗に・・・。

今回の、震えるくらいに良かったシーン。
来るぞ、来るぞ、とわかっていても、切なくなる2人の心に、なにかが流れこんでくるようでした。
この抱擁だけは、百合とかってコトバでは片付けたくなかったところです。

で、外で聞いていた麦の、でっかいくしゃみで、無事脱出。(笑)
翌日「寝たら治った」と聞かされて、ギリギリする美麗。

こういうところもすごく可愛いかったところでしたなあ。
もっとも、野乃の咽喉の悪化は確実に進行しているわけで、そういう表現でもありましたが。
毎回毎回、繊細な心の揺れを鮮やかに描いてくれて、もう楽しみで仕方ありません。
学校空間の中で、これほど「知ること」「触れること」「向き合うこと」の喜び、悲しみを繊細に描いてくれる作品は、そうそうないと思います。
次回、オリナル、野乃、そして麦・・・。
今回も面白かったです。
部員の心が離れてしまう憂鬱な気分、沈滞した空気が、生き生きと描かれてましたし、なにより、麦を突き放す野乃の、陰剣ともとれかねない意地の張り方に、かなりのリアリティを感じてしまったところ。
ああいう風にしか気持ちを表現できない子、っていますよね。
回想によって解決する下りがやや強引な感がなくもなかったですが、概ね良い解決方法でしたし、鏡の中に見る美麗の姿が、次回への「切ない」仕掛けにもなってますし、展開としても申し分ないです。
まず、野乃の片意地なところに、キレる理咲。

ほんとに理咲は漢らしいですなぁ。
ポニテが可愛いし、胸もデカいですが。(笑)
桂木クンと理咲は当事者ではなかったわけですが、それでも重苦しい雰囲気に耐え切れず、甲斐くんともども練習ボイコット。
砂の城に人間関係をたとえる青臭さも、良い表現なんでしょうけど、良い表現になりきれていない、幼さが隠れていて、学生っぽさが充満してました。
「麻井さん、なんでここにいるの?」
野乃に突き放されて、飛び出してしまった麦ちゃん・・・なんですが、妙にボディラインが女子高生していて良かったところ。(笑)
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下半身の繊細さはかなり予想できたんですが・・・上半身はそこそこ発育していたようです。(^_^)
まぁ、あとで証明されてましたが。
さて、ロッジに残って一人稽古の野乃。
作画的にはこの後のお風呂がハイライトでしたが、お話としては今回のハイライト。

麦が野乃に「なんでもできる先輩に私の気持ちなんてわからない」と言ったコトバ。
同時にそれは、野乃が美麗に感じていた劣等感と同じようなものでした。
「いつもキラキラ輝いているあなたに、私の気持ちなんかわからない」
でも、野乃が美麗と違っていたように、麦も美麗と違う。・・・このあたりに考え方も、「演劇フィルター」だけで押し通してしまわない、人間関係で展開していく面白さがありました。
強引に麦を研究会に入れてしまった野乃、その意味を考える麦でしたけど、こっちは物語の補完っぽくはありました。
補完っぽかったんですけど、一度舞台を踏み、部員達の気持ちもある程度わかってきていた麦に、そういうことを考えるだけの進歩があった、そんなことを伝えてくれるヒトコマでした。
実際、こういう麦の少しずつ変わっていくところ、それがこの作品の魅力の一つでもありますしね。
「少しずつやれなかったことができるようになって」
この作品の面白いところは、このことが、万能のハッピーエンドにまではつながっていない、っていうリアリティですね。
まぁ、ネタバレになりかねないので控えますが、進歩する、っていうのが、とっても地味だけど、ありそうな進歩。
そういう魅力だと思います。
さて、後半はお持ちかね、おフロと良いつぶれる野乃。(≧∇≦)/
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やはり理咲はデカかった!
巨乳とかっていうより、所謂モデル体形ですよね。
5人の中では、一番舞台映えしそうなタイプです。長身ですしね。
ただ、こういう姉がいると、甲斐くんの苦労たるや、生半可なにもんじゃなかろう、とは思ってしまいますが。
実際えらい目にあってますし。
お背中流しましょう、をどもりどもり言う麦ちゃん。
ソフトフォーカスで入ったので、一瞬、また妄想モードかと思ってしまいました。(^_^;
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「おらもお背中流してーだ」と思ってしまったのは・・・まぁ、普通の感覚ですよね。
背中だけでなく、スミからスミまで洗いっこしてあげたくなったりしてたところですが。(笑)
そして花火大会。
やっと夏休みイベントっぽくなってきましたが、理咲にあぶなっかしいドリンクを飲まされて、野乃ダウン。
麦ちゃんの膝枕の上に抱きつくようにして沈没しておりました。
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前回のラストもそうでしたけどね実に死んだフリのうまい野乃さんでございました。
ここでは、「おらも麦ちゃんに膝枕してほしい」っていうのと、
「野乃さんに膝枕してやりてー」の2つでしょうな。(^_^)
合宿終了して帰ってきてみると、親友・佳代ちゃんの鋭い観察。
佳代ちゃん、いい眼をしておりました。(笑)

麦の変化、というか成長を見抜いたつもりでしたが、動揺する甲斐くんによって、違うものまで吊り上げてしまったようでした。
佳代ちゃんにまで「青春発見」されてしまったもよう。(^_^)
一方、毎回確実に登場して、視聴者に違う潤いを与えてくれる、オリナル。今回もかなり強引に登場。

麦「・・・嘘ついちゃった」
いいギャグでしめてくれました。
人間関係のこじれがあまりにリアル、かつ丁寧に描写されてるので、原作の存在を忘れてしまいますけど、あの原作があったればこそ、っていう感ももちろんしています。
今回も良いデキでした。
作画的には、若干落ちてるかな、という個所も感じましたけど、普段が優秀なんで、あくまでそれと比較して、ってことですけどね。
さて、次回、ワクワクドキドキの野乃-美麗話。
合宿練習突入。
思ったより進展が早いですね。このペースだと、演劇対決以降までやってくれそうで、ちょっと安心しました。
さて、予告の映像と、サブタイから相当の緊迫した画面が用意されてるとは思ってましたが、予想以上でした。
毎度のことながら、今回も物語の中に引きずり込まれてしまいました。いやぁほんとに物語構成がうまいですなぁ。
しかも、麦の蒼白感、理咲と野乃のとっくみあいの間にも、桂木先輩の「へー、青春発見」とか、気の効いたセリフが盛られていたりで、とにかく全編見所満載のでした。
ま、いつもですけど。(^_^)
麦の「うわぁぁぁぁん」と理咲VS野乃が今回のメインイベントでしたけど、それ以外にも良かったシーンはいっぱいあったので、思いつく限り拾っていきたいと思います。
まず、冒頭のオリナル。
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憧れの桂木先輩は海へ合宿、演劇部は学校で練習となり、なんとかついていこうとする情景でしたけど、アホすぎて可愛いすぎ。
なんつうか、原作より格段に可愛いくなってますね、オリナル。
ダチョウは敵に追い詰められて逃げ道がなくなると、頭だけ土の中につつこんで逃げた気分になる、といいますが、なんかそんな感じでした。
キョンの妹みたいになりたかったんでしょうなぁ。(^_^)
そんなオリナルでしたけど、演劇部の練習では部長の妹役があてられました。大抜擢です。

そして、さりげなく、写真を頑張る佳代ちゃんも映ってました。
演劇対決後のキーパーソンですから、こうして毎回確実に出てきてくれるのは良い引きになってますね。

研究会の合宿では、野乃先輩が徐々に本性を出し始めてきて、厳しい訓練の数々。
肺活量を上げる特訓としてはあんまり良いものではありませんけど、高校生くらいならああいうこと考えますからね。
そんな特訓に不満を言いつつも楽しんでいたような麦でしたけども、配役を聞いて吃驚仰天。
ここからが今回のクライマックス。
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「うしろむきなところとか、ふりまわされるところとかが麻井っぽい」なんて、決して誉めコトバじゃない論評をメンバーからも頂いてました。
舞台の上に立つ快感と恐怖、その比重は人それぞれ。
演劇よりだった人間としては、あの快感はやみつきになるよ、って助言してあげたいところですけど、決して演劇がしたくて入会したわけじゃない麦にとっては恐怖の方が先に立つっていうのもわかります。
そしてとうとう恐い恐い野乃先輩にたてついてしまうわけですが、
「がんばれがんばれって、無理なものは無理です」と搾り出すように言う麦のセリフは胸をうちますねぇ。
「がんばれ」っていうことばは、時にとっても残酷だったりしますから。
病気はかかえているけれど、成績優秀で脚本もメンバーの特性を考えながら作ってしまう野乃。
自分で研究会を立ち上げてしまい、病気にも真正面からぶつかっていく野乃。
そのまぶしい姿と、自分が歩んできた今までの道のりとの差。
一方野乃の方でも、ある種の道筋は見えているわけで、それを説いてわからない人間にはハッパをかけるしかない、っという方法論。
どっちも十代の若さ、幼さ、青くささが、実に切なく現れていて、見ていて胸がしめつけられるようでした。

ついに野乃先輩の冷たいことばに、麦ちゃん飛び出してしまいましたが・・・
このあたり、野乃の若さ、青さも胸に迫るものがありました。
桂木が「焦っている」ってことばをつかってましたけど、野乃は時間的な方にしかとらえてませんでした。
たぶん野乃自身も桂木の言わんとすることはわかっていたんでしょうけど、止められない性格なんでしょうね、その後のキャットファイトで明らかになりますが。
ところで、この麦を応援する他の部員、とりわけ理咲なんですが、
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タッパがある、ってことから、だいぶ予想はついてましたけど、肉付き良いですね。(^_^)
ボディラインにメリハリがあって、きれいなからだつき、女優体形してますね。
なんつうか、演劇部員らしい感じです。
野乃ほど切実感はないけど、仲間として応援している、っていう、軽いけれど友情はある、っていうのはよく出ていました。
野乃との温度差もよく出ていましたしね。
飛び出してしまった麦の吐き出すような叫び。
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中学・高校の頃のこういうやり場のない怒り、悲しみ、っていうのは、あまりアニメで描かれることが少ないので、けっこう感動させてもらったところです。
甲斐くんに慰めてもらって、手をつないで返ってきたところを桂木に「青春発見」なんて言われてましたけど、どうしようもない悲しみで、台本を海に投げてしまうところの方がよっぽど青春してました。
麦の悲しみは、単に野乃に言われたことだけじゃなくて、自分に対してもあるわけで内側からのものを外に向ける辛さ、これも伝わってきましたなぁ。
この場面もすばらしく良かったのですが、ロッジの中での、理咲と野乃の対立、というか、まんまケンカでしたけど、これもすごかったです。
桂木先輩、「女は恐い」みたいなことを言ってましたけど、2人の個性が真正面からぶつかっていった、そんな色合いも強かったですね。
まず理咲がグーでなぐります。
いや、女だからグーでもいい、っていう理屈はちょっとどうかと思いましたけど。

対する野乃、いったんは倒れますが、すかさず足払いして、「売られたケンカは買う主義」・・・漢らしすぎです。(^_^;

それにしても2人とも、女優だっつうのに、平気で顔殴ってましたね。(^_^;
麦が戻ってくると、ダブルノックアウトの状況。

すさまじい場面なんですが、大の字にひっくり返っている理咲のせいもありまして、そこはかとない色香も漂ってしまってました。
いやまぁ、修羅場って言えば修羅場ですけどね、恋愛問題ではないですけど。(^_^;
就寝時刻になって床につく前に、のびてると思っている野乃に声をかける麦でしたが、しっかりと野乃の意識はあったようです。

ネタバレになりますから書きませんけど、この表情、実に良い暗示になってますね。
野乃の想い、っていうのも、この先どんどん切ない重さが漂ってきますから、こういう表情を見ていますと、もうゾクゾクしてしまいます。
適度に笑いもあり、緊迫感もあった今回、麦の吐き出した真正面から感情、激情の中にも諦念をもって客観視している野乃の想いと、毎度のことながらもう心臓わしづかみです。
次回はさらに・・・合宿続くんですね。
甲斐くんに説得された麦の顔が良かったので、最後にペタリンコと。

今回はインターミッション。
「階段で美麗と麦が話をするシーン、あんなのあったかな?」と思って、コミック・ハイのバックナンバーを出してきて見てみました。
あるにはあったんですが、原作では廊下にペタンと座り込んでの描写だったのですね、だからちょっと印象が薄かったのです。

今回のこのシーンに限らず、校内描写が、実に細部に渡ってこの作品を補完してくれているのに気づきます。
まぁ、第1話の演劇部側の舞台の素晴らしいリアリティと、外に見える大きな橋、っていうのがけっこう強烈で、すごく丁寧に原作をふくらませてくれている、っていう印象がバンバン伝わってきましたけど、こういった細部を比べてみても、その効果が実によく出ていたと感心してしまった次第です。
もちろん、描写密度を上げても、原作がもっている繊細さ、切なさ、みたいなものはかなり掬い上げていてくれてますし、こういったインターミッションにおいても、そういう丹念作りこみが素晴らしい効果を出してくれていたと思います。
もう1点、これはギャグシーンとして覚えていましたが、理咲が張り出し成績をひっちゃぶって逃走したのを、野乃がゾンビの形相でおいかけるシーン。

けっこうシリアスに、恐怖映画のスタイルを取り入れて作られてましたので、ギャグシーンではありながら追い詰められる理咲の視点というか心理も堪能できる作りになっていて、この辺、音声がつく、っていう効果もうまく取り入れていて、みごとな情景になってました。
本作、一体何話の予定なんでしょうか。
1クールだとしても、10月の演劇対決までは十分でしようけど、できれば、その後にある佳代ちゃんやオリナルのエピソードなんかもけっこう胸にキュンとくるものがありましたので、是非2クール以上割いて、卒業式までやってほしいですね。
原作を読んでる人は少数派だと思いますので、ネタバレの「その後」は書きませんが、こんなに丁寧に作ってくれるのなら、演劇対決の後までしっかりと作ってほしい気持ちです。
さて、それ以外のいくつかを落ち穂拾い。
まず、定例の麦の妄想。
今回は不良妄想と、

手取り足取り妄想。ゆりんゆりんです。(^_^;

麦のイメージする不良って、大昔のテレビドラマのそれですね。(^_^;
ついで基礎体力訓練。
へばる麦の尻が妙に丸くてエロかったり、

へたりこむ姿が妙に可愛いかったりと、なかなかよろしいシーンでございました。(^_^;

いかにも、内気な15歳、っていうのがよろしいと思われます。(#^.^#)
そして野乃と美麗との言い争い。
この直後のゾンビ化といい、一見おとなしそうに見える野乃が、内面にはものすごい情熱と一本気なものをもってるってことがわかるシーンで、その猪突猛進ぶりが少しずつ出てきていましたね。
また、成績発表で、自身は6番、美麗が20番だったのを見て、勝負を忘れて見下ろしたような視線を送るところとも、黒っぽいところが出ていてなかなかよろしゅうございました。
「私の成績は関係ない」って、逃げる美麗も可愛いところがありましたし。
一方、勉強会なんかしたって「できないものはできない」理咲。
この豪快なひっちゃぶりと、野乃においつめられていく姿のギャップも面白かったところでした。
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出ていっても出ていかなくても殺される。
はい、そのとおりでございます。(笑)
それに先立って、勉強会で空気椅子の特訓も受けてましたけど、「人間椅子」っていう単語の方が先に来てしまった私はちょっと脳が膿んでいるのかもしれません。(涙)
・・・・もちろん、これは人間椅子ではありませんが。

必死に耐えてる理咲も可愛いですのお。
イケイケドンドンなのに、責められると弱い、っていうあたり、けっこう男心を刺激するものがあります、理咲。まぁ、弟にしてみたらたまらん姉でしょうけど。(^_^;
勉強会で語られる、研究会誕生秘話。
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ああ、愛天使が三角帽子の魔女になってる・・・とかはどうでもいいんですが、美麗の熱い友情、ってのも、今回丹念に描かれてましたよね。
このあたりから、美麗と野乃の、人間としての深さがどんどん出てくるところだと思いますので、今後を期待したいところです。
その美麗と麦の会話。
「どーしようもないときもありますけど、楽しいですよ」・・・麦、すごい進化です。
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美麗部長の熱さ、暖かさも伝わってきて良い感じです。
この後、病状が進行している悲しいかットをいれての幕でしたけど、軽さと重さのバランスもよかったです。
ぜひ演劇対決以降まで放映が続いてくれることを祈りつつ。
最後に、今回のオリナル。
麦の妄想の中のオリナルがとっても可愛いかったので、これをシメに。(^_^;

私の桂木先輩をとるな~!
うぎゃー、地震のテロップぐぁぁぁぁぁ。
毎週楽しみにしている大好きな作品でやられると、頭から湯気が出るくらい腹たちますなぁ、しくしく。
この作品はどのみちDVD買うと思いますけど、それでもちとショックであります。
さて、今回は舞台そのものは立ちセリフだけでしたけど、証明の暗さ加減とか、講堂に少ない観客がチラホラいたりとか、友達が思わず声を出して応援してしまうところとか、もう学生演劇の描写がリアルすぎというかなんというか。
ただまぁ、普通高校のレベルですと、講堂とかの使用許可はなかなかおりないので、会議室だったり、特別教室だったりすることも多いのですが、一応芸術系ですし、それほどの不自然さはないですね。
けっこう見る人を選びそうな作品なんですが、もうひきずりこまれまくりです。
少なくとも、現時点では私の脳内順位、今期の1番です。
さて、美術描写の素晴らしさをいろいろ書いていくと、分析になりかねないので、感想の方を書いていきますと、まず麦チョコ、トイレたてこもり事件。

扉を境にした、佳代ちゃんと麦チョコの対比の図。
トイレットペーパーを引き出して握り締めているところに、麦の心理的な追い詰められようが見てとれますね。
そこへ現れた、野乃先輩。
淡々とトイレ怪談をやって引っ張り出したんですが、理咲・・・捕獲成功って。(^_^;
でも怪談に恐怖する麦ちゃん、可愛いかったですのお。(^_^)

このあたりの、野乃の淡々と実務的に怪談をこなしているあたりも恐さがあって良かったんですが、公演のビラ配り中に遭遇する、美麗との対決。
いやぁ、絵面としても良かったんですが、中の人の迫力がありすぎて、最高です。
雪野さん、川澄さん・・・こわすぎですって。(^_^;
このメンチの切りあいのさ中、野乃の発言。
「その子には才能があるわ、演劇部部長のくせにそんなことも見抜けないの」
っていうセリフ、おお、やっぱり麦にはすばらしい素質があったのか、と思わせていおいて
「売りことばに買いことばよ」と、見事に肩透かし。
このへんの、会話の出し入れも面白いですな。
もちろん、桂木先輩の客寄せに感動して欲情するちとせも可愛いくてナイスでした。これは無視するわけにはいかないでしょう。

そして判明する野乃の声帯麻痺、謎の友人。(笑)
謎の友人の方はともかく、声帯麻痺を聞いて、麦がすべてうまくこなせるようになったわけでもなく、一声だけでした、っていうのも、適度にリアルでいいですね。
「しゃべった、麦がしゃべった」っていう、佳代ちゃんの、ハイジなネタも直後にあって、良い感じでした。
うん、学生演劇って、けっこうこういう騒がしいところもあるんですよね。
美麗部長の「10月の演劇、楽しみにしているわ」っていうシメもナイスで、その後の
「それがあなた達の最後になる」っていうセリフも、あとあと重要になってくるんですよね。
それにしても、野乃先輩の舞台衣装、エロくてよろしいですな。(^_^)

そして、セミロング時代。

これはウエルベールのリタ姫と違って、どっちも萌えられます。
舞台練習・・・上手と下手、「~から見て右」っていうのを間違えたり、出の位置にテープを貼ったりとか、細かい描写が心憎いですね。
あれ、たいてい最初は皆経験すると思います。
そして本番、幕間で野乃が麦に緊張ほぐしのおまじない。
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あのー、恍惚としているように見えるボクは悪い子なんでしょうかー。(^_^;
いやあ、思わず指を口に含んじゃうのかと思ってしまいましたがな。ストパニなら確実にねぶりたおしてますな。(笑)
舞台の様子、舞台から見える観客とか、客席からの舞台とか、なかなかリアルでよかったんですが、出入り口付近がちょっと暗すぎ、かな。
もっとも、外に出た美麗の周辺を見ると、あんなものかもしれませんが、一応五月晴れ、って言ってましたしね。
麦ちゃんのしっかりとした発声の部分と、しどもどしてた部分と両方も出てきましたし、良い舞台描写でした。
そして皆でラストショット。
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見ててほんとに心温かくなる展開でした。
次回は一転して、麦の成績問題。