普通に第1話でした。
結局発端を描いただけで、実質的な〆はタイトル通り前回だった、ってことですね。
逆行の仕掛けとしては、正直成功したとは思えませんし、話の帰結点もはっきりしなくなってしまったようなところがありましたけど、とりあえず一貫性はある程度ありましたし、なにより作画の充実は今期作品中でもかなりの上位に来ますから、好みという点では、かなり好きな部類の作品でした。
とはいっても、こっちを第1話にもってきた、発端としての点の面白さは確かにありまして、桃花の最後のセリフなんかは、神秘的で、かつテーマの暗示性も含んでいるようなところがありましたので、単純に逆行の効果が薄い、と決め付けてしまうのもどうかなぁ、という気もかなり・・・。
つうことで、第1話としての最終回を簡単に回顧しておきます。
あ、一応衛星組。
先週放映されなかったので、第25話と連続で放映してくました。
まず、3姉妹の誕生。
これについてはちょっと消化不足、かな。
二宮会云々っていうのが説明されてませんでしたし、章子が迎えにきた時点でそういうものが機能していたことを思うと・・・二宮会って、鬼梗さまが首班?・・・みたいに感じてしまいますしね。(^_^;
桃香としての人生を与えられることになった桃香、ですが、寧々が「人には石剣が扱えぬので」といっていたので、人ではない、ってことなんですね。
香陽やユーレカのような妖精的存在・・・なのでしょうか。
一応確たる肉体は与えられているので、霊魂とかっていうのではないようでしたが。
女装をさせられて、というのは、たぶん原作からの引用なんでしようけど、この桃香の女装、あまり効果的に使われてなかったので、この第1話相当の最終回でだけ付け足された、なんかそんな感じです。
ただ、その凛とした姿は美しかったです。
一応、男だとは言っても、普段もボーイッシュな女の子みたいな役割を演じてましたし、中の人も女性でしたから、設定上のことであって、女性視してしまっても全然問題ないかなぁ、って気になってしまいます。
その女装姿を見間違えた春彦君を投げ飛ばしますが、春彦君が勘違いした、っていうのは、以前語られてましたね。

この、強い視線。人の世界で生きていく、この古代の継承者の魂を宿す器。
この第1話相当の話では、ほとんど人格のある態度は示してませんでしたけど、結局のところ26話かけて、桃香と桃花が、自分の人格を獲得していく話だったのかなぁ、なんて気が少ししているところだったりするのです。
そうしてみると、最初の登場から、食べることに夢中で、周囲がまったく見えていない桃花が、過去が無い、ということを自覚しながら、桃香が好き!・・・・という最後の位置に到達していくまでの、こちらもその人格を獲得していくドラマだった、とも見えてきますしね。
ただ、表現手法として、輻輳させすぎ、っていうのが、ややこしくしていたと思いますけどね。
望月さん、なんか文学コンプレックスでもあるんですかね?(^_^;
適度なギャグは相変わらずあって、それなりに面白かったです。
真琴の登場に欲情の炎を燃やす章子さんとか、桃香をモ・モカと間違えて投げ飛ばされる春彦とか、その春彦に「コンジョナシ」とつぶやく清春とか。
メイドさんたちも、ちゃんとモ・モカ・・・って区切って発音してましたし、やっぱ勘違いした春彦の発情行動に問題があった、ってことなんですな。(^_^;
で、個人的に一番面白かったのが、入浴している桃花の姿を見て「アマービレですぅ」と叫ぶ真琴。
これが、真琴の「音楽用語しゃべり」の第1声ですね?
そういや、「タンタンタヌキノ・・・」もさっそく歌っておりました。
さて、第1話としてのラストとして語られる、印象的な言葉。
「私にはもう時間がありません」
「私にはもう時間がないような気がするんです」
なんとなくわかるんですが、暗示性が強すぎて、具体的にどのあたりをさしていたのか、よくわからなかったのですが、テーマとして、人として生きて行く桃花の最後の決意へとつながっていくのかなぁ、とは感じたところです。

とまれ、毎回毎回美麗な作画を楽しませてくれまして、その点では感謝感謝です。
まぁ、電車の中の、ちょっと崩れた顔が、実は喜多村某さんの原画でした、っていう、笑えないオチがついてましたけど、それはともかく、作画の優秀さでは今期、かなり上位にくる作品ですので、堪能させていただきました。
最後に、あの上津未原・・・、何度見ても、わが奈良の魔境、吉野を連想してしまいます。
あんな多両連結の電車はありませんし、もっとひなびてますけど、面妖な伝説がいたるところにあって、その伝承が太古の昔の史実をかなり反映しているところとか、けっこう共通点を感じてしまいす。
もっとも、神秘的な伝承になると、むしろその両端、東の桜井と西の明日香だったりしますけどね。
旧字(あざ)の載った古地図なんか見ると、あまりの幻想性にクラクラきてしまうときがあったりしますし。
次の西田さんのメインの仕事は何かなぁ。
また美麗な絵を堪能させていただけるときを楽しみにしておきます。
本来は衛星組・・・なんですが、衛星では見れなかったので、SUNで視聴。
CFの入り方が全然違うんですが、今回だけ?・・・それともいつも衛星とSUNでは違ってたのかしらん?
衛星では扉絵が出た後、1回目のCF、そしてOPとAは連続で、っていう流れでしたけど・・・。
本編ですが、報道番組のようなスタイルを取って、章子と春彦の解説に適当にギャグとかお色気シーンとかを交えながら、物語の発端とか背景とかを語っていくものでしたけど・・・これ時間軸はどこなんでしょ?
普通に考えたら逆行なんで、桃花が学園に現れる前、なんでしょうけど、桃花に対するいじめの映像とか、時間軸としてはこれからのことなんかもいくつか入ってたし、あれれ・・・?と思ってたら、キャラデの西田さんのブログによると、
「『旅』『幕』『〆』の3つは時間軸上に散らばった旅の手引きのようなもの」とのことらしいので、その辺はあんまり深く考えなくてもいいみたいです。
ということで、『幕』のときのような感覚で見ていけばいいようなのですが、『幕』よりは軽い、と言いますか、ギャグ寄りでしたね。
3女神が石剣に封じられた、というようなことでしたけど、3女神が誰に対応するのか、っていうのはもう出しませんでした。
古代の祭儀については、かなり断片的ではありましたけど、既に何度か出ていたので、それほど違和感もなく、整理できましたからね。
もっとも因縁関係云々が、まだちょっとわかりづらいですが。(^_^;
そして由美子と桃香、桃花の来歴。
桃香に関しては、まったくの由美子の創造というのではなく、出所不明の子供に「由美子の子」「由美子の愛を受ける存在」としてインプットされたもよう。
桃花についてはまだ来歴の細かいところまではわかりませんでしたけど・・・これで一応終了、ってことですかね。
それとも桃花こそが由美子の被造物・・・なのかしらん?
不思議度合いで言うと、鬼梗様の方が本物だったようで、永劫の時の中で生きている・・・たぶんあれ、比喩ではなく、マジなんでしょう。
作画はもう言うまでもなかったんですが、今回個人的に好きだったところ。
章子さまの体操服でブルマなお尻と、香陽の野性的なお尻。
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今回、説明回だったにも関わらず、随所にはさみこまれるギャグがなかなか秀逸で、面白かったですわん。
特に一番良かったのが、
「二人の関係はとても淫靡だった」
「なんかエロいですね」
「かぶせるな」
普段、さめた声で「とーかげったん」とか「つづく」とか読んでらした水戸部さんが、なかなか強烈というか、でまくりと言うかで、実にいいアクセントというか、壊れた魅力というか、ともかく奇妙な味のテンコ盛りですばらしかったところ。
声の扱い方が実にうまいですね。
・・・声優脚本は、一部やりすぎかな、ってところもありましたけど。(^_^;
守東家のじじぃ、益之さん。
保険医の美鈴は落としたが、寧々は落とせなかった、とのこと。
じーさん、これいただいちゃったそうです。うらやましいぞ、このじじー。(笑)

あと、紹介シーンで出てきた【イメージ映像】の字幕と目線。
劇中劇の効果なんでしょうけど、それにしても・・・。

寧々さん・・・なんですが、笑わせていただきました。(^_^)
判明したことをズラズラ書いていってもいいんですが、どうもこの解説自体が最終回の布石みたいなところもあるので、置いておきます。
今回は、章子さんと寧々、香陽姉妹がなかなかよろしゅうございました。
エロさ、っていうより、性的な暗示が常に秘められているのが良いですね。
こういうエロさも大好きだったりしますので。
衛星組。
声優脚本最終回・・・でいいのかな。
なんか全体の中での位置付けがよくわからなかったんですが。
単品としてはそこそこ良かったんですけど。
やはり自分が出ているせいか、麻里安脚本て、3姉妹の比重が高いですね。
今回も、いじめの原因として3姉妹の存在があったわけなんですが、時期的にちょっと不利な感が・・・。
スクイズがあんなすごいいじめを展開してくれてますので、こういう物理的ないじめですと、中学生っぽい荒々しさは感じるもの、高校生っぽい陰湿さはそれほど感じませんでした。
あそこまでダアクなのは望んでいないと思いますけど、サブタイが「陰」でしたので、もう少し踏み込んでくれてもよかったかなぁっ、ていう気は少し。
1クールずれてたらそんなこともなかったんでしょうけどね。
とはいえ、明日菜がエロくて良かったですし、由美子が「不思議ちゃん」なる役名で3姉妹にからんでましたし、そこそこ程度には面白かったと思います。
ただ、全体の中で、独立しているのか、つながっているのかもちょっとわからなかったのは・・・ここらへんは演出の方の担当かな?
すごろくの上で次々と変わる衣装・・・こっちにもっと尺を裂いてほしかったところです。
ということで、簡単ですが、この辺で。
一通り声優脚本も済みましたので、物語としてはシメ、というか全体の発端へと向かっている、と考えていいんでしょうね。
なんのかんのと不満も書いてきましたけど、絵はすばらしかったですし、全体を考えなければ、単品として面白いエピソードが多かったですので、全体構想の発端としてのオチ、は期待したいところです。
次回、嫁・・・ですけど「狐の嫁入り」って言ってましたので、それほど強烈にエロい展開ではないかも・・・、です。
このチームなんで、それでも、っていう気はかなりしてますが。(^_^;
声優脚本4本目の能登脚本・・・だったんですが。
脚本云々より、作画の美麗さ、モノクロ画面を多用してその効果の方に目を奪われるすばらしさ。
『Strikers』や『ケンイチ』と違って、こちらはどういう作画チームか、っていうのを十分に理解したつくりになっていて、こういうのを見ると、アニメの醍醐味、みたいなのが伝わってきますね。
もちろん脚本も、プロとしては普通だと思いますが、素人としてはかなり上のデキで、けっこう満足度の高い、まるで1編の詩のような趣でした。
まずモノクロ画面。
冒頭のアバンタイトルからして色を落とす徹底ぶり。
アバンタイトル、一応毎回微妙に変えてはいるんですが、今回が一番インパクトがありました。
OPにおいても、そのモノクロ画面の多用だったんですが、モノクロ画面ではなく、キーポイントには色を乗せてましたので、効果、演出、ということはすぐにわかるようにはなっているんですが、静止画の美麗さ、ラインのやわらかさがぬきんでた作画ですので、モノクロというより水墨画を見せてもらっているような、そんな枯れた味わいもあったと思います。
こういう手法自体はときどきあって、決して新しいわけではないのですが、得られる効果としては良かったように思います。
そして後半で描かれる、帯の色・・・。
まさにこのために、とさえ思えてしまうあでやかさ。
確かに、淡い色合いとか、くすんだ色合い、っていうのは、ふだんの原色の中からですと、埋没してしまいますから、今回この効果が一番よく出ていたところだと思います。
大昔から、モノクロに色をワンポイントですりこむとき、「赤」を主体として原色に近い色を使っての対比が印象的に使われてきたように思うのですが、今回の絵ではむしろ、モノクロに近い、淡い色を効果的に示すのに有効でした。ここ以外ですと、舞い散る花びらとかね。
そして紅。
こちらは手法としては、伝統的な、モノクロの中のワンポイントの「赤」で、これってそれこそ20世紀前半のサイレント映画の時代から、フィルム着色の手法で使われてきたものでしたけど、この『桃花月憚』の世界観、あるいは少女達の艶に、まさにピッタリと適合していた、いい紅だったと思います。
薬指で、そっと相手の唇にさす紅。
その色は、ラインで切ったような色ではなく、筆でぼかすように描かれていく紅。
実に素晴らしい画面だったと思います。
テイストとしては、『絶望先生』に近いものも感じるんですが、ベクトルがまったく違いましたね。
いつもは、豊満なエロスを見せてくれましたけど、今回は美術的といいますか、技巧的なエロスを見せていただいた気分です。
シナリオについては、どこまでこの効果を意識して書かれていたか、がちょっとわからないのですが、進行にはよくあっていたと思います。
桃香が他の女の子と一緒にいるところを見て、桃花が「桃香ちゃんに触れてほしくない」ともらすところは、桃花のセリフとして考えるとやや微妙ではあったものの、心情の吐露としてはいいタイミング、いい表現だったと思います。
つうことで、かなり遅れましたけど、満足度の高い回だった、と言えましょう。
衛星組。
けっこう進んだ印象です。
逆行なので進んだ、という言い方はちょっと変なんですが、桃香の出自に対して言及がなされてましたので、ストーリィの骨格から言うと、進んだ、っていう印象でした。
このあたりの桃香が由美子によって作られて、っていうのは、実は描写しないままに終わるのかも、っていう気が少しだけしてたので、作品理解の上ではありがたかったです。
こうなると、スタート段階、つまり放映では最終局面あたりで、古代のできごとと、由美子の創造能力の経緯が描かれることを期待してしまいますね。
『シムーン』のときのように、劇的に面白くなった、というのではありませんけど、意外と引き締まったラストに仕上げてくれそうな気はしてきました。前回の劇中劇と今回の桃、そういう意味では良いエピソードだったと思います。
かえって心配事は、あと2つ残ってる声優脚本でしょうか。
この終局にむかいつつあるストーリィにかかわる形で出てくるのか、それとも独立した形になるのか、ですね。
桃香については、作られた現在の桃香と、過去の真・桃香の対比が興味深かったです。
由美子によって作られた、っていうのが最初のあたりであって、以後暗示はあっても明確な言及はありませんでしたので、ここでも進展と見ていいんでしょう。
それを知っている鬼梗が久しぶりに少しだけ前面に出てきてくれたこともあわせて、ちゃんとした謎解きをしてくれそうな雰囲気になっているのが、期待感を高めてくれます。
まぁ、作画が素晴らしいので、万一期待を裏切られたとしてもかなり満足はしてますけどね。
今回はそんなわけでエロース分は少な目。
犬になっちゃう桃花が、倒錯的で可愛いかったり、真琴にアプローチする章子がダメダメで萌えだったり、桃をつかむときの手と指がヒワイだったり、まぁ、その辺ですか。
絵としてではなく、会話としでですと、ままんの腹の中に戻りたい発言の由美子と桃香の耳かきシーンがなかなかエロくて良かったです。

フェティなシーンでは、真琴の尻を鑑賞する章子が良い味出してました。

もう「ぱんつはいてない状態」はデフォのようです。(^_^;
あと、3姉妹の「おーほっほっほっほっほっ」っていういつもの高笑いが、今回は音というより、むしろ桃香の心を惑わす霧のような効果で迫ってきていたことなんかが印象的でした。
さて、過去の真・桃香がどう関わってくるのか、前回示されて、由美子の血の宿業がどう影を落とすのか、そういう描写があってほしいと期待している向きには、ストーリィ面でも面白くなってきているところです。
でも次回はそろそろギャグ回のような気もしてるんですけどね。(^_^;
劇中劇のスタイルをとり、精巧に組み立てられた芝居の数々に酔わせていただきました。
順番に感心したところを追っていきます。
まず、劇中劇の形式。
これが今回単発の話なのか、それとも総括の話になってるのか、今後次第なんでしょうけど、シリーズの構成にあたっている望月氏の脚本ですので、一応、総括として、単発ではなく全体の中のひとつとしてとらえてみます。
この手法をとったことによって、スタイルとして叙事的演劇のような効果がもたらされたと同様にして、きわどい部分の予防線にもなっていたと思います。
兄妹相姦、父娘相姦、狂気妄想、という、映像表現としてちょっとまずいかもしれないものを、「これは舞台ですよ、比喩ですよ」という逃げもうてる形にしていたこと、そういう効果もあったと思いますけど、今はそっちの方は切り捨てて、ドラマとしてのありようを見ていきます。
まず幕が上がり、映し出される桃香のフィルム映像。
そして1969年、という年譜が示され、「ユリコ」という名前の少女が出てきてました。
ユリコ、という名前は、最初の頃に清春氏が由美子を呼んでいた名前です。
当時はこっちの聞き間違いか、とも思ってたんですが、そうではなかった、ということですね、この辺なんかも、単発ではないだろう、と思わせるところでした。
いきなり出会う兄妹。
血のつながりがあるのかどうかさえはっきりとはしませんでしたが、相続問題云々が語られていましたので、たぶん父は同じで母が違うのでしょう。
70年が大阪万博の年でしたので、その前年の太陽の塔・建築中の絵・・・かな?
この時点で2人はまだ幼く、見た目で10歳以前、というところ。
次の年譜が1975年。
2人が超えてしまう、肉の境界、そして血のまじわり。
6年後なので、十代半ば、くらいでしょうか。
そして生まれる由美子。・・・禁じられた血の交わりの中で生まれた少女。
超えてはならぬ一線を越えて、清春は破門、相続権を失って、狂気の淵へ。
生まれる命も消されようとしたけれど、ユリコの強い意志で生まれてきた由美子。
そして3つめの年譜、1991年。75年に由美子が生まれたとして、16歳。
ここまででも相当ショッキングな筋立てでしたけど、さらにここから登場してきた寧々の口から語られる内容。
既に生まれたときから狂っていた由美子、だがジュナの霊が宿るときだけ正気に戻るといいます。
寧々によって「ジュナを守ること」→それが由美子を守る、ということにつながっていく、という設定。
面白いですね、この狂気の描出。
望まれぬ不義の娘だった由美子、そしてその狂気。
あの、幼く呆けた様子が、不義の血と狂気によるものでした、という展開にはかなりビリビリくるものがあります。
古代の霊が宿るとき、戻る理性、正気。
この古代の霊との関係がまだ語られてませんし、この逆行ストーリィですと、語られずに終わるのかも、とも思ってましたけど、意外と重要な位置づけになってきそうです。
それにしても、霊が狂気やジンガイのものに宿る、というのは、なかなか民俗的で興をそそられるところでもあります。
そして成長して由美子が清春を訪ねてきます。
しかし無残に狂ってしまった清春は由美子に襲い掛かり、あわや、というところでキヨツグが助けに入ります。
そしてこのとき、仮面の石が清春からキヨツグに埋め込まれ、清春の意識がキヨツグへとすりこまれてしまいました。
なんということでしょう、由美子だけでなく、今まで清春だと思っていたのが実はキヨツグで、それすらも狂気の相であった、という暗示がこめられていました。
すごいですね、正直ゾクゾクしました。
ここまでの兄妹相姦、刻まれる年譜を見て夢野の名作『瓶詰の地獄』を連想してしまいました。
絶海の孤島を舞台に繰り広げられる、兄妹相姦の悲劇、それを年譜の逆の順番から見せて語る、という手法に、今回の劇中劇のスタイルに近いものを感じてしまったわけなんですが、単なる古代幻想、ジンガイ・ファンタジーというだけでなく、こういった血の宿業を描いてみせてくれていることに、なんかものすごいものに立ち会ってしまったような気持ちになってしまいました。
さらにこの後、桃香、桃花の登場となるわけですが、この2人の出自については、まだ明言はされていません。
はたして説明が追加されるのかどうかも怪しいですけど、ここまで巧妙な仕掛け、壮大な血の宿痾を見せ付けられると、どういう出自、どういう運命を見せてくれるのか、またぞろ興味がわいてきたところでもあります。
あと2回残ってる声優脚本が、単発として用意されているのか、それともこの話の中に取り込まれるような形で用意されているのか、というのも気になるところではありますが、逆行させた効果を損なわないようにしていただけると嬉しいですね。
次回、桃は甘い・・・と語られてましたので、桃花、桃香にスポットがあたるのか、それとも前回の声優脚本の前に地ならしが行われたようにも、今回もその地ならしだったのか、いろいろと推測する楽しみもありそうですね。
作画、というか、年譜形式になってましたので、昔の由美子、ユリコなんかの幼女時代、少女時代が描かれていて、とっても可愛いかったです。
衛星組。
声優脚本・清水愛。
えーと、清水さん、あなたなにか脳にわいてるでしょ。(笑)
強烈でした、面白かったし。
まぁ、桃華月憚の世界としてどうか、っていうことになると、はたしてこれでいいのかどうか、ちょっとばかし頭をかしげてしまうところがなくもないのですが、ちゃんと章子→真琴はおさえてますし、由美子の空想現実化力で舞台も作ってますし、桃花と桃香の悦痴なシチュもちゃんと再現ではてますから、いいんでしょうね。
なにより、前回が今回の前フリのような望月脚本で、軽い性的なギャグをしてたわけですので、その意味では線にのっかってる、と見ていいんでしよう。
まぁ、理屈はいろいろありますけど、ともかく笑わせてもらったし、ニヤニヤもさせていただいたので、一応成功した、ってことなんでしよう。実際、脚本執筆者の名前とは関係なく面白かったですし。
ということで、気に入ったシーンを回顧しておきます。
・海苔とオブラートを手にする、お乳がこぼれそうな由美子さん。

これが最後のオチになってたわけですね、いやぁ、なんとも唐突というか、無意味な出だしといいますか。(^_^;
そして、由美子の筆力で眼前に生まれた海と砂浜。
由美子の現実化能力の恐るべき発動だったんですが、それだけでなく、妖精さんが手伝ってます。
・・・シュールな絵でしたなぁ。
・章子の妄想暴走。
一方学校では、いつものように真琴にモーションをかけまくり、妄想と現実がごちゃまぜになる章子さん。
真性百合・・・なんでしょうけど、こうして矛先が桃花にむくと、攻撃性が際立ってきますなぁ。(^_^;
三姉妹との攻防はいつも通りで、まぁ、お約束、ってとこでしょう。
・桃花。
真琴と仲良くしているだけで、章子の攻撃目標になってしまってましたけど、相変わらずの無防備っぷりが可愛いかったのですが、さすがに人前での素裸は恥ずかしいようでした。
真琴といい、桃花といい、天然裸んぼ大好きキャラみたいな印象なんですけどね。もっとも、恥じらいがある方が見ていて嬉しいのも確かですが。(^_^;
海苔とオブラートで作られて水着で海に入って、すっぽんぽんの図でしたけど、ポイントはその少し前にあった。なまこの図、です。
海でなまこを見つけて、手にとると、潮をピュッと吹き付けられました。

すみません、脳内ではここで「ドピュッ」という擬音になってしまっていたのは内緒です。(^_^;
桃香もすっぽんぽんで、背中あわせで出ることにしてましたけど・・・お尻はひっついてますよね?
かなりヤヴァいかも。(笑)
ラストは寧々さんまで素裸にひんむかれて、桃花に抱きつかれてましたけど・・・。
いや、すごかったですわ。
あと、ビーチバレーで審判をしてたの・・・鬼梗さまですよね?
望むらくは選手として入っていてほしかったような気も。
とにかく満喫できました。
悦痴だし、変だし、バカだしで、もうすばらしかったです。
衛星組。
いやぁ、なんかひさしぶりに面白かったです。(^_^)
「星」の後に「月」だったので、なにかリンケーシがあるのかな、と思ってたら、いい意味で肩透かしというか、はぐらかされた感じで、面白かったです。
このサブタイの「月」と、トイレで起こった異変からすぐわかるようなつくりにはなってましたけど、胡蝶三姉妹が執拗にダジャレ・ネタをかましてくれてましたので、直接言わなくてもわかるつくりに。
・・・いや、あれ言ってるのと同じですか。
そう思うと、最初の調理実習で桃花が浮かれてるところででも、
「相当景気が悪いのです」→「ショートケーキが甘いのです」への聞き間違いに始まる一連の、昭和40年代前半の松竹新喜劇のようなやりとりも、これの暗示、とまではいかなくても、今回の色を伝えてくれてた、ってことなんでしょう。
三姉妹「整理整頓というこコトバがあるのです」以下、なんか中学生のダジャレみたいではありましたが。
まこちゃんのイメージも、最初の夢が、桃花を追いかけていて沈んでいったり、手が血まみれになっていたりと、間接直接にイメージを構成してくれてました。
ただ、初潮がいつ始まったか、について、章子にははっきりと記憶があったのに、桃花にはない、っていうあたり、由美子の創造による、っていうのが重要な暗示、というかむしろ念押しかな、そういう風に表現されてたのも、要注意、ってとこですな。
あとは猫の変身がとけてしまって、すっぽんぽんで交通事故を誘発させてた香陽・・・くらいですか。
「長い間猫でいたので」というセリフがあったので、逆行正順に戻すと、今回が初出になるのかな。
それにしても月のものですか、男子には絶対体験できないことのひとつですね。
ただまぁ、私は妹が両方とも生理痛がひどかったので、体験こそないものの、辛い人にはとてつもなく辛い、っていうのは、わりと近いところで見ていた、っていうのはありますけどね。
別に放送禁止用語でもないと思うのですが、直接言うのにははばかられるような風潮もたしかにありますね。
言い換え表現で気に入ってるのは、垣野内成美さんのマンガであった「女の子の日はつらいよー」です。
『午後3時の魔法』でしたかね、この表現ははっきりわかるし、そういうはばかられる雰囲気もないので、いい言い回しかなぁ、と思ってました。
真琴・・・高1ですよね、たしかに遅い、のかな。
時代の栄養状態によってもけっこう変わってくるみたいなんで、なんとも言えませんが。
作画は今回も普通に良かったです。
ただ、テーマがテーマなので、本筋に関係ない無難なところを回顧しておきます。(^_^;
まず桃花。一応ヒロイン。(^_^;

調理実習に励んでいて、春彦に視姦されるところ。
「ぱんつはいてない」状態なんですが・・・たぶんくいこんでTバック状態になっているのでしょう。(笑)
真琴ちゃんが苦しんで竜王覚醒状態になったときに、なにやらオーラに包まれてましたけど・・・結局、桃花自体の覚醒にはならず、オーブンが爆発しただけ。

爆発直後・・・なんですが、ちょっと可愛いかったです。(^_^;
保険医のみずほ先生。

実家は神社で巫女兼任、というかなり強力な属性もたてとりました。
今後・・・活躍があるのかな。
今後、という点では、桃香に接近してきた女の子も、なにかあるのかも、ですね、その前フリ段階が。
今回の創造主・由美子さんはほとんど出番がなく、竜王に反応して、自我が出かかるところだけでした。

由美子さんに関しては、覚醒して狂気の目になってるときの方が好みです。
あとは、真琴のといれぱんつと、

香陽さんのすっぽんぽんと、窃盗下着着用の図、くらいですかね。
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しかし、ええカラダでおますなぁ。(笑)
たしかに交通事故を誘発してしまいそうな肢体でございました。
桃花が初潮の時を思い出さないこととか、胡蝶三姉妹の「人ならぬ身」とか(前にも鬼梗さまに言われてましたけど)けっこうつながっている重要なポイントも出てきましたけど、今回は単純に話が面白かったので、真琴のお月さまの話を楽しむだけにしておきましよう。
次回は・・・海。
衛星組。
基本的にメモをとって鑑賞、ということはしない方針ですので、なんて言ってたのかはっきりわかりませんでしたが、早口言葉みたいな名前の彗星のお話。
聞いた感じ、新春シャンソンショー、みたいな感じだな、っていう記憶はありましたが。(^_^;

ともかく、忘れてしまった約束と、香陽のお話。
つうか、香陽の観察する、着衣の上からの寧々の曲線観察でしたけど、特に尻と足が美しいそうです。
つうか、どこをとっても観賞価値の高い曲線美ですけどね、寧々さん。
始まった頃、というか物語的にはラストの方で、由美子に「あなたがおつくりになった人物」というようなことを言ってましたので、寧々は由美子の創造の埒外にあるような感じなんですが、だとすると香陽は?
香陽の消え方がけっこうあいまいでしたので、イマイチ不明瞭でした。でもたぶん、創作した人物、っていうのは、現実世界の人間だけ、だと思うんですけどね、あるいは桃香だけで、他は状況の魔術かなにか・・・かな。
まあお話に関してはあんまり追求しないほうが良いですね、この作品は。
今回はキャラ絵がなまめかしかったので、そっちの鑑賞で十分ごっつぁんでした、状態でしたので、それで十分かな。
ただまぁ、曲線は確かに美しかったんですが、肌の露出がほとんどなかったので、観賞価値としては香陽さんの方がいろいろうれしかったかも・・・です。
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背部から殿部を経て大腿部へと抜けるラインの美しさは、寧々さんの美尻のふくらみといい勝負をしていると思います。(笑)
ということで、今回も作画は絶好調でした。
衛星組。
久しぶりにわかりやすい話でした。
やっぱり登場人物の大半が由美子の創造したものっ、て流れなのかな。
でもこのままですと由美子のお話実体化能力によるものでした、っていう、ほとんど夢オチみたいな展開になりそうな気がしなくもなかったりしますが。(^_^;
そして、今回唯一記憶があった、といいますか、由美子の時間操作に気づいていたらしい真琴。
これの意味はいったい…。
単なる語り手ということだったのか、それとも宿しているという竜の力か、あるいは真琴だけ由美子の創作の圏外にいたのか。
はっきりしませんけど、なにか秘められているかもしれないので、記憶にだけはとどめておきましょう。・・・あんまり意味がないような気もするんですが。(^_^;
今回はその由美子ママンが前面に出てきてましたけど、ミドルティーンのようなあどけなさ、かわいらしさは全面で炸裂してました。

「口になにかを含んで見せる」っていうシーンがやたら多い作品ですけど、今回の由美子のタコさんウィンナーもその系統でしたかね。
同様に、童女のごとき愛らしさと、無防備なエロスが漂う桃花ちゃん。

女の子は朝が弱くて、おねぼうさん、てのはごく普通のことなんですが、「幼馴染がおこしにきてくれる」というアニメ脳だかギャルゲ脳だかに染められてしまっている身としては、けっこう新鮮なエロスがムッシュメラメラしてくるところだったりします。(笑)
キャラ的には、今回ほとんど背景だったんですが、章子さん、なかなかステキでした。
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ローアングルでなめるように描かれていたみごとにおみ足。
大腿部だけでなく、ふくらはぎまで、脂肪ののった美しい曲線がしっかりと描き込まれてて、満足でございました。
「あらゆる芸術は音楽の状態にあこがれているのよ」と、欲情したように頬を染めるシーンもなかなかにステキでした。
中の人、ちょっと気張りすぎではありましたけどね。(笑)
つうことで、今回は、由美子さんがこの世界を動かしている、ってことの再確認で終わりました。
どこに向かっているのかわかりませんが、声優脚本があと3つあるようですから、残り話数から考えて、過去の伝説と由美子の能力がリンケージしてくるあたりが帰結点でしょうかね。
事後のすっきり顔の由美子で、今回はおしまい。

次回、寧々さんが人形になって、香陽さんにつかまれてましたけど、・・・そういう話なのかな?