coda:蓮治の夢、千尋の夢。そして景、みやこ、紘、京介たちの夢。「夢をかなえるためには夢を見続けること」その思いを胸に抱き、蓮治は進路調査の用紙に「小説家」と記載するのだった。]
最終回。
第12話がLoveで、最後にcodaがついてそのタイトルがdream・・・ということで、見事にサブタイの頭文字をつなげると、euphoric fieldになりました。
実は少し気になってて、話数が12話なのに文字数が13でしたから、最終巻が「あのね商法」になるのかなぁ、と少し危惧していましたが、そういうこともなく、ちゃんとシリーズとして幕をひいてくれました。
ということで最終回。

比較的おとなしかった、という印象かなぁ、それと、やや無理気味にハッピーエンドにしてしまいました感がありました。
中盤における有意味の心象風景が強烈でしたので、今回のような色相の変化で時間帯を見せたり、立ち位置の変化で関係性を示したりするのは、開始当初のスタイルに戻っただけ、ということを考えても、かなりおとなしめだった印象はあります。
手法としては、シルエット効果が顕著で、OPでもいくつか変えてきてたりしてまして、こういったところは中盤での面影を見せてくれるところでもありました。
涙をこぼしながら日記を記す千尋。

表現技法、感性があまりにもすごかったので、ややお話の方が弱かったかな、という気はしていますが、足を引っ張った、てとこまではいきませんし、この最終回での千尋が蓮治を覚えていたくだりも、かなりギミック感が漂うものの、この「奇妙な恋」の物語にはふさわしかったように感じています。
簡単に話の方も回顧しておきますと、「覚えていた」ということが、病状の回復ではなく、与えられた時間を目いっぱい使って、記憶が途切れなかった、・・・という感じかな。
この13時間をどう扱うか、ということは今まで出てきましたし、9話でのすごいエピソードで刻印されてましたので、無理はないのですが、けっこう強引にもっていった、という気もややしているところ。
医学的にどうこう、というのはヤボのきわみと言いますか、頭の悪さを示すだけですので書きませんが、それとは違う方向性、という点で少し感覚が違う、かな。
とはいえ、今回も、無人駅での千尋の不在、あの円の中で繋がれた映像、カメラフレームの中での景の素顔等、ストーリィにからみつく構図の妙を見せてくれてましたし、アニメ作画として望みうる最高水準に近いものを見せてくれましたので、満足度は高いです。
欲求ってほどでもないですが、もう少し見たかったものとして、雨宮優子の周辺。

火村との暗示で幕を閉じましたけど、これについても今まで仕掛けはされてましたので、つながることはつながるものの、量的な不足は感じてしまうころです。
とはいえ、すばらしい作品でした。
単に今期だけでなく、ここ数年を見渡しても、ちょっと匹敵するものがないんじゃないか、と思えるくらいのすばらしい表現技法で、特に、5話、7話、8話あたりの見せ方には感嘆の一語、としか言いようがないくらいのものを見せてもらったと思っています。
したがって、分析抜きで書くのは本作の魅力を残しておきづらい、という稀有な例になってしまいましたし、本作なら「ここでは分析はしない、別ブログの方で」という自分の縛りを切ってでもやってみたくなる誘惑に駆られるのですが、冬コミ前の多忙な時期ゆえ、涙を飲んで断念します。
ほとんどどの話、どのシーンを切り出してみても、鑑賞に値するすばらしさ、くらいは書いておいてもいいかなと思います。
個人的に好きだったシーンもいくつか回顧しておきます。
まず象徴としての、千尋の円環。
あまりにも小さな有限の時間としての象徴だけでなく、それを別のところから見てしまっているという構図、あるいはその外の黒さ。
円の外が黒であるだけでなく、さらに課せられた鎖。
その意味性もさることながら、切り取りの妙も感じてしまったところです。
絵本。
実際は小説でしたけど、語られる物語を絵本状態にして見せていたこと、及びその内容。
千尋の語る、有限の世界。世界から切り取られたたった一人の世界。
この切り取りの際があまりに鋭く、「女の子は世界に独り」というフレーズと見事に呼応してました。
その意味性は最初から明らかではありましたけど、徐々に具体的な姿を絵本の上で取り出していく、その過程もすごかったです。
景の躍動。
本作の中で唯一「動いて」いた景。そこにある健康な肉体の存在感。
でも、その肉体が結ばれたのは、かつて自分の世界からはじきとばしてしまった妹の千尋であったり、真正面から戦ったみやこであったりで、なかなか皮肉な結果になりました。
もっとも、景の方も、ある進展が見える暗示はありましたけど、この時点での立ち位置を考えるとね。
京介のフレーム。
あまり多くは語られませんでしたけど、このフレームがどっちをむき出すのか、ということは興味深かったところです。
現実に切り込んでいく、というのは、京介自身のことば「オレはフレームを通すとなんだったわかる(見える)」に集約されていると思うのですが、そこに映し出される虚構の、現実以上の輝き、codaで部長さんがいもじくももらしてくれたことばから、強く意識させてくれました。
他にもいろいろありますが、今パッと思い出せるのはこのあたり、かな。
ということで、アニメ作画のすばらしさを心底満喫させていただきました。
作画よりの人間としては、何度でも見直したくなる傑作だったと思います。
スタッフの皆様、すばらしい作品をありがとう。
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コメディのはずが、意外や泣かせ映画だったらしく、涙がとまらない千尋。
蓮司「ティッシュいる?」
千尋「持っています」
いったん落ち着いたものの、また涙がこぼれる千尋。
蓮司「ティッシュいる?」
千尋「いじわるです」
・・・ここ、めちゃくちゃ可愛いかったです。(^_^)
というシーンの切り取りから書き出して見ましたが、衝撃的なラスト。
すげーなぁ、もうコトバねーでございますよ。
デートのかわいらしさ、初々しさ、このあたりは某知能弱者同情アニメみたく見えなくもなかったのですが、それを後半への対比として使っている、という点で、似て非なるものですね、全然違います。
このデートのシーンも、背後から、砂が崩れていくように迫ってくる「13時間の限界」を感じつつ、それでもこの一瞬を楽しみたい、という気持ちが切々と伝わってきますし、ここだけ取り出してもすこぶる良いデキだったとは思うのですが、やはりラストの小説の結末、そして千尋のとった行動が今回のポイントだったのでしょう。
ステンドグラスにあった雨宮優子の似姿とか、面白いモティーフもいくつかありましたので、いつものようにシーンの回顧から。
デート・・・それは恋人同士の行い。
そして、「恋人・お試し期間」としてのデート。
楽しかった半日が終わり、恋人としてのキス。
「歯があたってしまいました・・・」
そして肌を重ねる二人・・・。

やや性急な感じがしたんですが、みやこの時と違って、少しひっかかるのが、校舎でしたのか?・・・ということと、結合したのか、という問題点。
千尋の設定が明らかになってから、常に頭の中にあったのですが、はたして妊娠したらどうなるんだろう・・・ということが気になってました。
最初はたぶんそこまではいかないだろう、と思ってましたけど、結合したんならその可能性はあるわけですよね・・・、ちょっと気になります。
まぁ、あれだけの絵ですから合体したのかどうかは一応不明ですし、事情を知ってる蓮司くんですから、避妊はしてるかもしれませんけど・・・。
ともかく、恋人としてすることは一応フルコースで終了しました。
しかし、精神状態が12歳のまま、ということなんで、『おねティ』の森野苺的効果はかなりありますね。(笑)
実際しゃべり方とか、幼さを前面に出してましたし。
そして問題の小説。
蓮司が聞いていた「どっちの結末?」というコトバ。
それは、女の子が絵の中に入るのか、それとも男の子が絵から出てくるのか、という、ハッピーエンドの方向性。

ところが、どちらでもなかったわけですね。
見えなくなる絵。
何度描いても見えなくなる絵。
それは、時間の鎖につながれている千尋の記憶。
だから決して絵から出てくることはない、という暗示。
それどころか、その心の叫びは、もっとはっきりとした叫びになって現れていました。
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絵を燃やし、そして「最後ニヒトツ、残ッタゴミヲー」
「崖カラ捨テタ」
消えていく記憶を自分自身の手で始末する、ということでしょうか、そしてゴミとは・・・。
今千尋がいるのは、校舎の屋上。
投身自殺の暗示を見て屋上へ急ぎますが、そこで待っていた、千尋の「心の真実」
記憶として残していた日記の紙片をバラまいて終わり・・・これで蓮司の思い出はなくなりました・・・。

悲しみ、というよりは、なにかを切り取ってしまったかのような衝撃。
結局この時点においても、ハッピーエンドを夢見ていた蓮司と、映画を見に行くときに「悲しいものはいやです」と言っていた千尋の心との、ないようであった、細く深い闇。
奇跡が境遇を乗り越えると信じていた蓮司と、どうしようもない絶壁の際にいつも経たされている千尋。
今回はデートという具体的なイベントがあったせいか、心象風景としての描写は少なかったですけど、実はいままでのそれが個々に流れ込んでくる効果をもってたように感じましたので、相変わらず表現スタイルの秀逸さには舌をまかされます。
正直、これで最終回になってもいいくらいのクオリティを感じたのですが、物語としてのシメが来週に待っているようです。
期待して待ちたいと思います。
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みやこ、ヒロ、景の話で、初めて千尋パートがお休みでした。
前半は割りと具体的なストーリィを描き、いつになく動きのある話を、心理情景だけではなく、色彩とお話の揺れででも見せてくれてたんですが、後半の公衆電話で、またもや超演出をやってくれまして、なんか1本とられた感じです。
とはいっても、第7話ほどのインパクトではなかったですが、それでも前半が動きの多い展開でしたので、後半のあの画像はちょっと感心しました。
とはいっても、前半もみやこ、景の心、それぞれ投影する効果的な情景はふんだんにもられてまして、まず、同衾のシーンから・・・。
みやこがヒロにおびえながら心を寄せ、肌を重ねる自分の気持ちを、自身の肉体をオーバーラップさせながら語ってくれました。
そしてそこへ入ってくる景。
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おにーちゃんと、あのみやこが同衾しているシーンを直視してしまい、景ちゃん、ショーック。
鍵とかかけとけよ、とか思わなくもなかったですけど、これからしよう、ってときに、鍵かけて、っていうのは現実的には無理ですよね、警戒されますし。(^_^;
松葉杖をたたきつけ、飛び出していく景、それを追おうとするヒロ。
そのヒロをとめようとするみやこでしたけど、どっちも、今までのキャラクター描写からみると必然の行動だったんですが、このときのヒロに去られるみやこのシーツの映像が、まるで蝶のようでした。
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小さな足で何かにとりすがろうとして、かなわず崩れていく蝶・・・なんかそんな感じがしてしまったところ。
ここでの有意味性はかなり明確でしたね。
せっかく羽化したのに、またもや足場が崩れていく蝶・・・。
景の気持ちを知った京介がヒロを呼び出してボコるシーンがはさまれるんですが、ここでの情景、高架下とおぼしき場所で、遠景と近景を交互にからませて、ヒロの抜け落ちていた部分が京介によって語られる仕組みでした。
千尋と蓮司との関係性における、廃駅での立ち位置、その距離が縮まったり伸びたりするのと同様、ヒロの心に投影される関係性としても読めますし、そんなに派手な美術効果でもなかったんですが、いいアクセントでした。
そしてそれを受けて出会う、羽山ミズキ。
このミズキと京介の登場は、むしろヒロの内面に光を与える役割でしたから、ほとんど誰でもいい状態での展開でしたけど、ミズキ、久しぶりでしたので、ちょびっと嬉しかったです。

可愛いですのう。(^_^)
逃げ出した景・・・。
今までの展開からすると、罪の報い、ととれなくもなかったですけど、そう言い切ってしまうにはあまりにもかわいそうですし、景は景なりに、純粋にヒロを見ていたわけですから。
景のシーンでも裸身が描かれましたけど、みやこの冒頭の裸身とはかなり趣が違いますね。
これからなにかと触れていこうとするみやこと、大事なものを剥ぎ取られてしまった景。

そしてドアごしの会話、告白・・・。
いつまでもこの関係が続くと思っていた景。
そのうちごく自然に恋人同士になれると思っていた景。
そして結婚して家庭を築くと思っていた景。
でも、それは砂上の楼閣にすぎなかった・・・そしてそのときにようやく口にすることのできた告白。

1エピソードの中の構成としては、ラストのヒロとみやこだったんでしょうけど、ワタクシ的にはこの景の告白の方が胸にこたえました。
ここでのフェティッシュ描写も、心理効果、美術効果とともに、心の色香を表現してくれてるようでしたけど、・・・普通にエロっぽかったので、嬉しかったところ。
ほんとにこの作品、少女の下半身が好きですねぇ、ワタクシも大好きなので、とっても嬉しいです。(笑)
久しぶりに出てきたミズキちゃんのふくらはぎなんかも、少女の薫香がたちこめてくるようでしたし。

そして公衆電話のシーン。
だんご大家族のテレカは・・・なんか唐突でしたので、少しひきましたけど、その落ちていく数字がすごかったですね。
会話に対して数字の速度が速かったので、そんなに遠方に来てたのか?・・・とか一瞬思ってしまいましたけど、あれは携帯だから、でしょう、たぶん。
テレカとか公衆電話とか、もう使わなくなって何年も経つので、かなり感覚が麻痺してました。(^_^;
当然数字がゼロになったときの会話がどうなっているか、がポイントでしたけど、計ったようにいいタイミング。
しかも数字は見えないヒロの方からでしたしね。
めったにない公衆電話を使った、というのも、最後にヒロが場所を特定できる要因にもなってましたし、いい演出、いい構成だったと思います。

この公衆電話、デザインの形が砂時計にも見えました。
なにか暗示的で、そういうのもよかったです。
一度つながって、それから切れようとしているときに、男の方から関係修復を求める、ということについても、少しばかし思うところや邪推もあるのですが、とてつもなく下品な方向へ行きそうなので、自粛しておきます。
個人的な感想記録とはいえ、一応公開してますので。(^_^;
あと、雨宮優子が珍しく長ゼリフでしたので、そろそろここにもスポットがあたってくるのかしらん?
・・・メインになることはなさそうですが・・・まだわかんないかな。(^_^;
ということで、今回はべったりとヒロ−みやこ、景の関係で見せてくれましたので、次回は千尋かな。
千尋の小説展開の方が気に入ってますので、期待してますよん。
エンドイラスト、あぼしまこさんでした。なかなかキュート。

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今回は話の動きの割りに、現実描写の方にクリアな映像を用意してくれたみたいで、テーマの深さとは裏腹に、技法的に妙な透明感を感じました。
たとえば、ここ、千尋が4年間の記憶の喪失が、詩につながるものかもしれない、といったところ。

モノクロの背景の中で、スーッと千尋だけが消えていく情景。
でも同時に背景も真っ白になってく動画。
これはあとで、千尋の物語を通して、とまっている時間の中にいる千尋と、そこから抜け出そうとする千尋の分裂した視点としても追表現されますが、この描写がいつになく綺麗なんですね。
錯乱して取り乱す千尋、そしてそれが断絶を知ったときにしばしばおきることだと説明する火村。
今回、この日村の説明と千尋の錯乱を見て、ことの深さの一端を感じられるようになった蓮司くんでありました。
しかし、まだ他者の立場なんですよね、あの砂の城のエピソードとか見てますと。
「好きです」と告げて、それが初めてだったと知る千尋、でも日記には何度もその言葉がでてくることを語ってしまう千尋。
意味としてはけっこう深いものが内包されているんですけど、人肌の艶のようなものが、ようやく千尋サイドにも漂ってきたような瞬間でした。
一方のみやこ−景サイドではもっと直接に出てきました。
ヒロくんを呼び出して、その直後ベッドイン、とは思いませんでした。
でも、このときのみやこの肌・・・すげー色っぺーんですよね。

いきなりヒロにキスをするみやこ、そしてそれに応え返すヒロ・・・。このあたりは、こういった心の闇を別にすれば、普通のラブ・アニメの手法といえましたけど、この男女の睦あいが景の目に触れる、ということの方がむしろポイントでしたね、ストーリィ的には。
加えて、自由には責任がある・・・ていうのは良い考え方でした。
今回、この景サイドの話は、第7話がそっくりそのまま逆転して、今度は景の方に大きな悲しみが襲ってくるつくりになってましたけど・・・、今回の方が決定的ですね、肉体関係を持っちゃったわけですから。
イマイチ、景サイドでは脇に回りがちだった景でしたけど、今度は表面に出てくるんでしょうか。
ただ、京介が「受け皿」として用意されてるのだとしたら、やや予定調和が過ぎるきらいがなくもなかったです。
エロゲ脳としては、
「みやこ、愛してる、だから愛人だ」
「景、きみは家族みたいなものだから妻だ」
「3人でいちゃいちゃしよう!」
というハーレム妄想にしばしひたってしまいましたが。(笑)
今のご時世なら、このエロゲ脳展開だと確実に刺されますね。(^_^;
物語としては、千尋サイドの方が闇が濃くて深いので好きです。
火村に促されて、千尋の物語にあらためて着目する蓮司。
そこには新しい進展がありました。
島には一人しかいないので、結婚式を挙げるために、絵の方に自分を描きたしました・・・という展開。
そしてその絵の中の2人が、蓮司と千尋、という構図。

すごく具体的になってきました。
そしてさらに、救いのない絶望が色濃くたれこめてきているようです。
結局、千尋は、日記という絵の中に、自分を書き込んでいくことしかできない、それを書いている自分は永遠に島(13時間という時間)から抜け出すことのできない、というシグナル・・・。
今まではかなり暗示的でしたけど、ここにきて、すごく具体的な姿になってきてます。
「女の子は世界に一人なので、神様だったのです」

すごく怖い絵でした。
丁寧なことばでしゃべり、自分をいつも控えめに言い、しかも好意を表現しようとする姿、で、そのあいまにときどきしのびこむ暗い表情。
今回の、錯乱から、真情の吐露、そして告白へと至る流れと、千尋が描いてきた小説を見てますと、とんでもない破局しか待っていないように見えてしまいます。
もっとも、これだけすごい「有意味」の映像演出をやってくれてたら、凄惨な欝エンドでも許せるような気はしていますが、ともかくこの物語の意味性と、現実への投射が、どう反映し、どう解決、もしくは破綻するのかが、すごく楽しみです。
次回、この物語に、千尋が結末をつけようとする展開のようです。
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ミヤの叫びが真っ黒に染まっていった前回の衝撃と言っていい展開でしたけど、今回はそれを受けて、景の方へ針が少し触れたように見えました。
ところが最後に来て、千尋の退行があり、表現は前回よりおとなしかったと思いますが、意味としての崩壊は今回の方がはるかに重かったかもしれません。
あいかわらず2つの時間の物語がほとんど交わることなく進行してましたが、とりあえず、景の方から。
健康な肉体側の存在として描かれていた景・・・、少し残酷なようにも見えましたけど、景は景として、自分の戦いを戦っているだけ、なんでしょう。
ミヤの過去は景には直接は関係ありませんでしたしね。
ところが、景の思うようにならないヒロの心。
京介がいみじくも語っていたように、もうかなり先を歩いてしまっているヒロ、それについていけない景。
そのヒロを見つめていることで、景は身の丈にあった京介の方を意識するようになってしまったのかも、という、ビデオの暗示。
抵抗なくファインダーをのぞけるようになってしまっていた景に京介が言ったことば。
「オレはファインダーを通したらなんでも見れるんだよ」
体育会系の景には、こっちのことばの方が心にしみこんでいったのかもしれません。

預かっていた京介の映像を見る景。
はたして景の目にどう映ったのでしょうか。
対して、ミヤ。
この後用意されていた千尋の崩壊を見ると、ミヤもまだ闇は抱えていても、健康な世界の住人だ、というのがわかります。
公衆電話からの通話、そして「まだ消えてなかったんだ」ということば。
ミヤの安堵もさることながら、意識の中につながっていくことの羨望、そんなのが今回は語られないことばとしてあふれてくるようでした。
誰と誰がひっつく、ということより、こういう孤独の心、贖罪の心が必死にもがき浮かび上がろうとしている、そういう情景の方にむしろ感銘を受けますね。
そういう意味からも、かなりアニメリテラシーを試されているような作品、と言えるかもしれません。
「ここは戻る場所でも、来る場所でもありませんよ」
「あなたはぬくもりを知っています」
・・・いまだ実存すら不明瞭な雨宮優子によって、実存の世界へ引き戻されたような形になりましたけど、ミヤには自分で歩いて戻れる足と時間がまだある、ということなんでしょう。
このあたりの背景美術もコミの映像感覚はなかなかよかったですね、前回ほどの派手さはなかったですが。
さて、今回の闇の主役、千尋。
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非常に示唆性の強い入浴シーンでしたけど、いろいろと含みは大きかったですね。
まず、千尋も肉体を有していること。
あたりまえのことですけど、これまでの心の描写が強かったので、しばしハッと気づかせてくれる効果がありました。
そして、その湯の中で、あふれかえる記憶をなんとかつなぎとめようと必死に抵抗していること。
ここに至るまでに、実に残酷な努力が描かれてました。
物語も完成に近づき、蓮司に惹かれていく気持ちを忘れたくない、とそれこそ命を削って戦い抗おうとする姿。
寝る時間を惜しみ、必死で細かな感情のヒダを思い出そうとする姿。
ところが、繋がった線の上で生きている蓮司にはそれがわからない。
気づかない。
浜辺に残った砂の城の跡をもまるで千尋が覚えているかのような挙動をしたことを見て、千尋の命を削った努力であるとは気づかずに、病気が治り始めている、という勘違い。
前回から続く、心のスレ違いがここでもしっかりと描かれてました。
おそらく蓮司は、2人が何かを作っていく喜び、将来についての想い、こういったものが、千尋の病状にいい影響を与え始めている、こんな風に感じていたのかもしれません。
ところがそうではなかった。
それは、限られた時間の何で、必死に覚えていたいという千尋の努力。
さながら、白鳥が水面では優雅な姿を見せながらも、水面下では必死に足で水をかいているように、蓮司の見えないところで、千尋は命を賭してやっていました。
図書館で見せた、眠りへの恐怖。
ここで蓮司は気づくべきだったのですが・・・。
やはりスレ違いです。
完成に近づきつつある小説をどんな思い出で見ていたんでしょうか。
たぶん、まだそこに隠されていた叫びには気づいていないのかもしれません。
絵の中の少年の結婚する少女。
でも、式が終わると、捨ててしまった衣装。
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ここもかなり強い暗示性を感じますが、たぶんこの流れは描写してくれそうですから、千尋の心のあがきをみていきたいと思います。
そしてついに訪れた崩落。

前回とはまた違った恐怖が現れました。
時間を失うということ、心を失うということ、存在証明を失うということ・・・。
着ているパジャマが、まさに退行を思わせるデザインで、ゾクゾクしました。すごすぎ。
眼帯の下の目については、失明している、としか語られてませんでしたけど・・・、なにかもっとすごいものがあったんでしょうか、それとも単にその醜さに驚愕しただけ・・・かなぁ、そうとは少し考えにくいんですが。
ともかく、前回同様、ものすごい幕切れでした。
心理的なものを超える物理的な闇が二重にかぶさっている分、千尋ルートの物語の方が強くひきつけられますね、相変わらず蓮司の変な髪形には抵抗ありますけど。(^_^;
予告絵・・・『ぱにぽに』の氷川へきるさんでしたが、なんか雰囲気がかなり違ってたので驚きました。
次回、forget me not.
なんかブタイの頭文字をつないでいくと、euphoric fieldになっていく、ところが1文字足らないのでDVD展開で補足されるかも、という予測をどこかで読みましたけど、そういうことを抜きにしても、サブタイ選別にもセンスを感じます。
forget me not・・・というのは、Vergissmeinnichtの英訳で「勿忘草」の意味もありますし、単純にそのまま「私を忘れないで」でもいいですし、なかなか暗示的なサブタイになっていると思います。
はてさて、どんな物語、どんな展開、どんな画面を見せてもらえるのか、また楽しみに待ちたいと思います。
B:デートの日。ミヤは家を出て待ち合わせ場所へと向かう。しかしヒロはこなかった。ミヤは何度もコールするが来なかった。親しげだったコールはやがて哀願となり絶叫となり絶望へとなる。]
何年かに1度感じる、地の底から揺さぶられるような感動、もうことばもないです。しばし絶句。
この作品を見続けてきてよかった、という至福に包まれています。
正直なところ、ちゃんと感想を残すには、数日時間を置いた方がまともなものが書けそうな気がするんですが、視聴直後の正直な気持ちを残していくことも大事だと思い、かなり散漫な文章になるとは思いますが、一応記録しておきます。

まずAパート。千尋編。
図書館で語られる千尋の創作物語。
閉じられた世界の中に居る女の子、たった一人なるがゆえにカミサマになってしまっている女の子。
「可愛いね」という蓮司。
「かわいいと ダメなんです、そういう記号でくくられてしまっては・・・」という千尋。
確かに、蓮司の感想は物語を見ているというよりは、物語を書いている千尋を見ている、なにかにうちこんでいるという記号で見ています。
それに対して、物語を通して「千尋」という自分を見ている千尋。
お互いに好意を持てば持つほどに広がっていく、ズレ。
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ちひろの物語は「感覚のズレ」そのもの。
それゆえそこに虚構ゆえの不安、空虚ゆえの不安を封じようとする、それは既に意識の闇を手探りしているようなもの。
千尋にはそれがなにかはまだはっきりとはわからないけれど、その方向、だけはしっかりと見つめている、いえ、ひょっとしたら、手につかんでいないだけでなにか、というのはわかっているのかも知れません。
一方の蓮司は、連続する時間の上にのっかった、表層の線だけを見ています。
最後の方でそのズレ、というより見ているものの違いについてなんとなくわかったようでしたけど、その意味の齟齬が見せる深遠さに恐怖するばかり。
千尋の語ることばは、時間の「点」の上で語られる分析ばかり。
線の上で、意思を示そうとする蓮司とはまったく違う思考法。
さながら感情すらも別のメカニズムで動いているような、そういう視線。
蓮司が見ている千尋と、千尋自身が見ている千尋が、まったく違う、という帰結・・・。
千尋はその「ズレ」を描こうとしているのに、蓮司は、最初のうちはその溝にしか気づかなかった、という感性の差。
お互い好意を持てば持つほど広がっていく溝・・・等々。
今回、Bパートの方が直接的でしたので、わかりやすかったのですが、私はこのAパートの方が怖かったです。
溝は確かににあるのに、それを埋める術を持たない2人。
実存の世界に生きている少年は、常に断ち切られる実存の、閉ざされた円の中にいる少女の考えがわからない・・・。
映像が、最初は2人のズレをストレートに描いていたのに、やがてノイズとなり、やがて色彩の退色でもって表されています。
一瞬見えなくなって、また視界は戻るけど、見ている色はまったく違うという事実。
表現の妙、ということばさえばかばかしくなる、神がかった画面でした。
Bパート。みやこのモノローグ。
回想される、両親との思い出、音のなくなった家庭、色のなくなった家庭。
ノイズの方向から、違うものを見ている色彩を出していたAパートとは、出発点が違いましたけど、同じ帰結に向かって進んでいるようなモティーフでした。
そしてそれはラストで少しだけ触れ合ったように思います。
そのみやこが、待ち合わせ場所へ行き、うきうきとヒロに電話をする。
このトーンの変化がBのポイントでした。
その意味で音声ドラマのようでもありましたけど、あふれかえる文字の、圧倒的な量が、素晴らしい効果を見せてくれていたと思います。
万人に伝わる手法ではなかったかも知れませんが、田口宏子さんの話芸とともに、強烈な印象と効果を残してくれたと思います。
みやこが、不安を語れば語るほど、その文面は真っ黒に染まっていきます。
不安を語ることによって、さらに広がっていく心の闇。
ヒロには届いていない、そんなことがかわっていても、もうとまらない不安。
技法的にはそう目新しいものでもなかったですけど、シンプルにしてある分、迫力は相当なものでした。
そして流れ込むED。
EDがそのまま、みやこの存在不安となって響いていましたので、けっこう補足的な効果もあったかな。

このEDも暗示的で、けっこう象徴的に作画されてましたので、分析をしたくなりますけど、基本方針に従って、一応見送ります。
Cパートといっていい、景の「消去」
現実にしっかりと足を踏みしめて生きる少女、景。
今回登場した4人のうち、誰よりも健康に見える彼女の、闇の消去。
これもまた暗示的でしたけど、単純に怖さの表現でもありました。
景は、自分のしていることがわからない、それは景が健康に、太陽の下にいる人間だから。
奇しくも、妹に対してしたことと同じことをしているかもしれないのに、それにはまったく気づかない、ということ。
まぁ、ここに至るまでのみやこの、挑発的行動を考えれば仕方ないとはいえますが。
今回、景についてはほとんどここだけでしたけど(みやこの回想の中で少しありましたが)彼女が見ている世界もまた違うものですから、この視線の差、消去されてしまう恐怖、そういうテーマの中にしっかりと融合はしてきてそうです。
ということで、もうしばらくしてから見直してみる予定です。
なにか追加で書けることがあるのかどうかわかりませんが、今回はこれまでとしておきます。
いつも以上に散漫な文になってますが、まぁ、それだけ魂を揺さぶられた、ということで。(^_^;
テーマ:ef -a tale of memories- - ジャンル:アニメ・コミック
ストーリィが進行してきて、物語の方向性に具体性が現れてきたせいか、作品開始当初の頃のような、心象風景は少なくなってきましたが、それでも千尋の紡ぐ物語、景とミヤの会話等、心になにかの影響を及ぼすときにはしっかりと使われていますし、技法の成熟を感じるところ。
また、場面切り替えのタイミングとか、アングルがもたらす意味とかも、きわめて示唆的で、かつ内容を包括して見せてくれてます。
芸術的とまで感じる画面構成でありながら、難解さはほとんどなく、すべて物語のための仕掛けになってます。・・・毎回書いてますが。(^_^;
分析は別のところでする予定ですし、基本的にここは感想サイトですからつっこんだことは書きませんが、この秀逸なアニメ画面は、見る人の試金石にもなるでしょうね。
もちろん、ウェットな感性としても突出した素晴らしさですので、分析的方向ではなく、感性的方向で、気に入ったシーンをチョイスしていきます。
・鉄路をはさんでむかいあう景とミヤ。
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前回のリターンマッチ。景ははっきりと自分の気持ちを宣言。
そして、ミヤに「おにいちゃんの心からあなたを消してみせる」と宣言。
そのことばに動揺するミヤ。
その後のお弁当タイム、そしてヒロがどちらに来たか、それで逆転がおこっていたことが確定していく流れでしたけど、「消えてしまう」ということばに反応していたときのミヤの、色彩が落ちていく表情は、もっとなにか違う衝撃に包まれていたようでした。
こういう心の激しい崩れと、動揺を、色彩の抜き方で変化させるのは、実にうまいですね。
・ヒロと京介の芸術論。
いかにも青臭い芸術論でしたけど、語られている内容よりも、そういったことを真正面から語り合える、そういう関係、そういう行為の方がむしろ輝いているようでした。
実際のところ、方法論を言い出すと、答は永久に出てこないですから、議論してもムダなんですが、ムダであっても議論せざるをえない、またそこでなにかの答えを得るためではなく、議論のプロセスこそが重要、というそういう気持ちがバチバチとはじけてました。
若いっていいなぁ。(^_^)
・景への依頼と映像
結局無断で撮られてましたけど、殴られてもその一瞬のためにはかまわない、とする京介の姿勢。
さて、景はどっちをむくんでしょうね、今はヒロの方しか見ていませんけど。

ミヤとむきあうときの強い意志、でもヒロとむきあうときの心の逡巡・・・千尋とのかけひきのときでも見られた景の心のひだを見ているようでしたが、はてさてどうなりますか。
とりあえず、かけつけて来てくれたヒロの背中で、安堵する景でした。
・千尋の心の深遠

小説のあまりの迫真性、現実への暗い心の吐露を見てしまった蓮治と、「深入りはするな」という火村。
でも千尋が紡ぎだす心の物語は、驚かそうとしてのものではなく、真情の吐露・・・というのもはっりわかってきます。
かくして、資料を求めて学校へ行くわけですが・・・。
・「サイズはあってるのに、種類があってない・・・」

久世さんの変態趣味が暴露された一瞬でしたが、ちゃんと着てしまっている千尋ちゃんに萌え。(笑)
うーむ、そういう性癖なら、もっともっと千尋ちゃんにいろんなものを着せてあげてほしいです。(^o^)
・限られた円の外にあるもの
そしてやってきた図書館・・・。

千尋がその中で感じる円。
自分を閉ざしてしまう円、でもその境目に誰かの手があることもわかってくるようでした。
・新ED。
これで3つめですが、千尋のイメージ映像、として考えるのなら、十分ありでしょう。

景のしめる割合がどんどん大きくなってきてますが、はたしてミヤはどうなるのでしょうか。
ミヤ視点がそろそろ出てきそうではあるんですが・・・。
千尋パート、景パート、ともにダークな色彩が立ち込めてきて、もう目が釘付け。
おおまかなAB分割はやめて、適度に素材が混ざり合うシャッフルスタイルになってきてますが、これは同時に、2つの物語が接近してきている暗示でもあるんでしょう。
素材は適度に混ざってきてるのに、しっかりとつながって見れますし、しかもそのテーマ性もちゃんと示されているしで、もう作品性に酔わされっぱなしです。
たぶん、素材の散らし方が有機的になされているからだと思います。
今回2つの重要なモティーフが呈示されました。
ひとつは千尋の抱く円のイメージ。
そしてもう一つが景の中にある過去のイメージ。
まず、円から。
冒頭、鎖につながれた千尋のイメージが出されて、一瞬サーヴィスシーンかいな?・・・とゲスなことも考えてしまったのですが(絵が綺麗でしたので、実際嬉しかったですが)非常に重要な、千尋の抱く円のイメージでした。
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円の面積は、鎖の長さの二乗に円周率をかけたもの、そしてその腕の長さが、13時間という千尋に許された長さ。
そしてその大きさはずっと変わらない。
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この悲しいくびき・・・でもこの円が、単に千尋の悲劇性を浮き出させているだけではなかった、というのが、追加される2つのエピソードで明示されます。
算数の問題に出てきたという羊のイメージ。
円の中ですべてを食べつくしてしまうので、やがては死んでしまう羊。しかも食べた草も、根っこから食べてしまうので、何も残らないというイメージ。
何も残らない恐怖、決して外へ踏み出すことのできない恐怖。
悲劇というには、あまりにも深く暗い深遠がそこにのぞいているようです。
そして最後に示された、千尋のノートに記される、孤独の姿。
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周囲を海で閉ざされた、小さな島のイメージ。
その中で、時間とともに、檻に閉じ込められてしまう少女。
千尋の描かれたものとして読む蓮治を通していますので、淡々と語られてますけど、まさにそこにあるのは叫び。
「ここから出して」「誰か助けて」という千尋の叫び。
戦慄にも似たものを感じてしまいます。
ことさら声高にその悲劇を叫ばない演出が、映像の効果的な、そして有意味の抽象化により、声なき叫びが耳に届いてくるようです。
この物語線の鋭さに、しばし感嘆してしまった今回でした。
一方、これと並行して、こっちは普通に日常の上で展開している景の物語。
こちらは笑いもすれば叫びもする、通常の世界なのですが、千尋の「円の世界」をはさむことにより、その日常もまた深い裂け目を見せてくれました。
まず、大好きなヒロが学校をさぼりがちになってしまうのはおまえのせーだ、近づくな、とミヤに迫りますが、ミヤの方は「あなた、責任とれるの?」と返してきて、景、グッとコトバにつまります。
ここでのミヤの発言、かなり蓮っ葉な印象だったんですが、言ってることはきわめて正論に近い言い方でした。
加えて、景の中に常につきまとう罪悪感。
この、反撃されたときの景の絵がモノクロームになるんですが、この効果も秀逸でした。

ミヤを詰問するまったく同じ絵が、ミヤに反撃されて、色相を変える。
演出の妙、というより、景の心の変化がまるで手に取るように伝わってくる瞬間でした。
そして景によって回顧される、千尋の事故に至るまでの日々。

ヒロに好意を寄せている千尋を知りながら、わざとヒロを連れ出し、追いかけてきた千尋に知らん振りをする景。その直後の事故。
千尋は「私のせいだ」と悲しみますが、その根っコは、景という少女の本質部分につながっているようですので、もっと深いものがあるようでした。
つまり罪悪感を感じることによって、自分の心の負い目を少しでも軽くしたいという、利己的な浄罪意識。
それとちょうど同じことが、ヒロとミヤの間に起こしそうになる、でもミヤは幼い千尋より成熟してましたし、消極的という面も少なかった、そこでの反撃。
事件のことを知っていたわけではないでしょうけど、ミヤには、こういう景の性格が見えてたんでしよう。
こういう要素をこっそりと忍び込ませている、という点でも、ものすごい話だったと思います。
加えて、ここにさらに、京介の話もはさみこまれてました。
勝手に少女の姿を動画にとってしまったことに対する反撃・・・まぁ、これは当然ですね、たぶん事前許可なくやってるから犯罪に限りなく近いでしょう。
それを「体育会系はこれだから」なんて毒づく京介も相当痛いんですが、心に闇をもつ景の方も、それ以上はつっこんできませんでした。
そして、ヒロに呼び出されていった先での、京介からの告白。
景、びっくりしながらも、頬、紅潮。(笑)

複数のエピソードを同じ時間軸で処理する難しさは、現行の作品の中にもいくつか見受けられますが、本作は、それを有機的につなげ、素晴らしい効果を生み出しているだけでなく、そのことにより、ドラマとしての面白さ、緊迫感、深みまでも創出しています。
こういう作品に出会えると、アニメを見ていてよかった、と心底思えるときでもあります。
ED・・・疾駆する新藤景が描かれてました。歌も景その人です。
なにかを追っているのか、なにかから逃げているのか、それとも走ることでしか心を表せなくなりつつあるのか。
劇中、千尋によって「うちの家系は料理とは相性が悪い」といってました。
話題としては料理だったんですけど、心の中に闇を飼う、というものも、ここの家系だったのかもしれません。
ミヤはそれを本能的に嗅ぎ取って反撃し、京介はそこに死んでしまったものの面影を見ていた・・・とまでいうのは勘ぐりすぎかもしれませんが、なんとなく共通の匂いを感じてしまったところでもありました。
ということで、次回。
円の物語がどう展開していくのか、楽しみに待ちたいと思います。
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今回もすばらしかったです。ちょっと感動。
今回はA-Bわけを明確にせず、2つの話が適度に混ざっていきました。
でも、その冒頭に、ヒロとであった頃の新藤姉妹のエピソードがはさまれてましたから、千尋−景のラインで、2つの物語の接点に近い部分もあったようです。
その回想。
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話の核は景の方でしたけど、事故にあう前の千尋の姿もしっかりとありました。
この回想で使われるモノクローム調の色彩がいいバランスではさまれてまして、景とヒロの出会い、ヒロがマンガを描くようになった経緯を語るとともに、そこに常に存在することで、幼かった頃の千尋の姿も盛り込まれる、という結果になっていました。
画面が語る力、そういうもの感じてしまうところですね。
今回はまとめられることなくモザイク的に配置されていた千尋の物語でしたけど、蓮治にもちかけられた提案に対して、千尋の側から積極的に内面を語り始めてくれてました。
物語と画面構成の一体感、話が少し動いてくると、強烈な効果を発揮してくれるようです。
夕景の中でたたずむ千尋、その目にたまる涙。
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これを心象風景としてしまうのはたやすいですけど、千尋の心理の色でもある、とわかれば、その悲しさ、鮮やかさ、不鮮明さの移ろいが手に取るように伝わってきます。
千尋のふりしぼるような心の葛藤、苦悶。
「良いことを言っているとでも思っているんですか」
一瞬、蓮治の中にあるかもしれない、優越感の善意に対しての反応、とも思ったのですが、そうではなく、千尋自身の心の闇におびえていたような感じでした。
「どうして私じゃない人の方が私のことを知っているんですか」
胸をうつことばでした。
千尋が初めて、自分の不安を前面に出して訴えてきたわけですが、蓮治のうけとめ方はどうだったのか。
応えはまだ出てませんけれど、キス−恋人、という単語が、蓮治の側の心をこれもまたストレートに出してくれていたようです。
「今日の蓮治くんはキライです。でも大嫌いじゃないです」
このコトバも深いですなぁ。。。
感性による心理描写ですね。
今回はこういうセリフまわしも印象的でした。
対する景パート。
今までなんとなくヒロパートみたいな感じでしたけど、景が前面に出てきた、といいますか、ミヤはいまのところ露出の割には描写は客体としてなされているように感じます。
つまりミヤ視点ではなく、最初ヒロ視点、そして今回くらいから少し景視点。
原作とかは知りませんし、知らなくてもいいような気がしてますので、今後の視点移動があるのかどうかわかりませんが、今のところ、こちらの動の物語の方も、有機的な展開を見せてくれています。
こっちはデザイン的な処理、というより、パーツのアップを使うことで、情感による心理描出がでてました。
ミズキの尻とか、景の太腿とか。
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まぁでもこのあたりは、シャフトの昔からの十八番かな。(笑)
景の料理ベタ、っていうのが定番描写ではなく、お米を3合も使って1合ぶんしかできなかったり、トンカツで大惨事になってしまったり、サンドイッチの具のはさみ方だったりと、かなり具体的でしたので、定番キャラ、のような描写にはなっておらず、むしろ、その後のミヤの山菜御飯との対比で、景の心に傷ができてしまう描写へとつながってました。
この辺、コミカルな要素をまじえつつ、しっかりとヒロに対する景の想い、やるせなさが描かれてまして、凡庸な料理ベタの幼馴染になっていないところが良かったところ。
こっちのサイトの名義では基本的に分析はしませんので、深くはつっこみませんけど、今回のようにけっこう物語が動いても、画面デザインと構成がそれを生かすように有機的についていっている、というのは強く感じているところです。
最後までこのセンスを維持してくれそうですね。
ラスト、サンドイッチの具のつめ方をミズキに指摘されて、ホロッと落ちる涙。
景のボーイッシュな性格が今までしっかりと描かれてましたので、痛みがしっかりとこちらにも伝わってきます。

京介とメガネ部長の関係、京介の手のファインダーに収まる景、発展の素材もまかれてましたけど、それはまた進んでから書こうと思います。
エンドタイトル、ぽよよんろっく氏。(^_^)

B:原稿を上げたヒロは珍しく学校に向かうが、屋上でミヤと出会いエスケープしてしまう。2人でいるところを羽山ミズキに見つかってしまう。]
AとBでかなり明瞭に話が別れているので、分けようかな、ともチラと考えたんですが、新藤姉妹、ということでかろうじてつながっているようなので、一応わけずにやっていきます。
とはいっても、今のところ、まったく話は並行してすんでますね。
原作は知らないのですが、こうして計算された素晴らしい画面を見てますと、原作を知らないでかえってよかったかな、という気さえしてしまいます。

特に千尋エピソードの方に心理情景のような構図が多用されているのでそちらに目がひきつけられますけど、ヒロパートの方もなかなかに凝った構成になっていると思います。
まず蓮治・千尋パートから。
夕景の中で語り合う2人。

学校が終わってから、なのでこの夕景がよく出てくるのですが、同時に千尋の記憶の夕景を表現してもいるわけで、そのたそがれの中での笑顔は、もうそれだけでかなり多くのものをわれわれの前に語ってくれてます。
そして多用されるモノクロー」、モノトーンの心象風景。
極度にデザイン化された千尋の心。

シンプルに人物だけを配している姿、っていうのは、逆に「消えていくもの」を明瞭にしてくれてさえいるように感じます。
有意味の心象風景っていうのが、今までの前衛系、あるいはセカイ系と違うところですね。
また今回の千尋の語りで、なぜ13時間しか記憶を保てないのに、明瞭な言語情報を持ちえているか、というのもわかりました。
そして眼帯が本当に失明していることを示している、ということも。
蓮治は千尋のノートを繰りながら、ある場所までくると、千尋に制止されてました。「そこから先はダメです」
単なるプライバシー、のようにも見えますが、これほどまでに心の中をデザイン化してくれているのですから、今後何かの意味をもってくるのでしょう。今回「またね」という言葉に、深い意味が秘められていたように。
さて、この2人の視点から離れて、久瀬さん、なる人物が出てきました。
千尋パートの方が、なんとなく蓮治、千尋、火村の3人だけで進行していくかのような印象だったんですが、蓮治の方には確たる現実世界が存在している、だからこその若い母親と久瀬という人物の紹介があったのかな、なんてぼんやりと考えいました。
火村によって語られる、なにげない一言の意味。
ところどころにはさまれる字幕の意味も暗示的でなかなかいいですね、ここでは「日常(むじゅん)」でした。
Bパート。
Aパートに比べれば幾分明るい目の話でしたけど、ちりばめられている生活は、深い深遠になりかねないものも含んでいるようでした。
ヒロのとった言動の流れ。
久しぶりの学校→エスケープ→現場を羽山ミズキに見られる→新藤景に伝わる→約束をすっぽかしたことが判明する・・・というところで次回、でした。
まずミヤとの屋上での遭遇。

うん、適度なエロースが心地良いですね。(笑)
目隠しではなく、後頭部の感触が気になってしまいます。
柵のない屋上、ってすごく怖かったんですが、切り立った空間が、隔離された空間とは違う別の側面を見せてくれていて、なかなかに面白いアングルでした。
ここの構図は柵がない方がたしかにいいですよね。
次回への持ち越しになってしまいましたけど、景によって語られるミヤの噂。
なにげに、ミヤの黒い影を感じさせるんですが・・・。
妙に世知なれた印象もありますし・・・ひょっとしてエロいバイトとかしてるんでしょうか。
今回は次回へとつながるであろうヒロと景の情景への下準備のような感もありまして、堤京介とメガネ部長の方が重かったですね。

「別れようか、わたしたち」
本心か、ひきとめてほしかったのか。ともかく京介は受け入れてしまいました。
こっちの話は背景だと思ってたので、少し驚きです。
京介はともかく、メガネ部長は脇以上にはならないようにも見えますが、はてさてどうなりますか。
個人的には今期のみならず、今年放送された作品の中でもズバぬけた作画品質、作画個性だと思います。
それだけに感想はかなり残しにくいところもあるのですが、有意味なテザインについて、くどくなりすぎない程度についていきたいな、とは思っているところです。
テーマ:ef -a tale of memories- - ジャンル:アニメ・コミック































