いろいろと多方面からの期待を寄せられていた新作。
これくらいの有名作品なので、あんまり情報は入れずに、できるだけ素の状態で見ようとしたせいか、とにかくびっくりしました。
いや、なにがって、ねぎまぎだっしゅになってるし。(笑)
で、ちょっとニュースサイトとか見てますと、言及してる方、多いですね。やっぱり誰の目にもそう映った、ってことなんでしょう。
スタッフを並べてみると、
キャラデ:大田和寛、
監督:新房昭之、
シリーズディレクター:大沼心、と、映像に関わる部分がかなりかぶってますし、その他にもいろいろ。
でも、単に画質の類似だけでなく、黒板にいろいろ書いたりする手法まで共通で、かなり意図的な印象です。
これをどうとるか、なんでしょうけど、私は大いに気に入った、というところです。
たぶん原作ガチガチ派の人には相当評判が悪くなっているのかもしれませんけど、私はそれほど原作ガチガチ派、ってわけでもないので、かなり楽しめました。・・・ちょっと疲れましたけど。(^_^;
相当のプレッシャーがあるらしいことは容易に想像はつくんですが、脚本の金巻さんが、日記で少しばかし心情を吐露しておられまして、ご苦労が忍ばれるところです。
でも、応援している層も確実にいますので、このクオリティを落とすことなくがんばってほしいと思っています。
アニメ作品として、どういう形で始めるのか、興味のあるところでしたけど、前シリーズの続き、という形ではなく、リメイクしたかっこうになってまして、冒頭の麻帆良学園就任のところからでした。
ぱにぽにチーム担当、ということもあって、作画、美術がすばらしく美しくて、この点だけでもこのチームでのリメイクに価値がしっかりあった、と感じさせてくれるところです。
冒頭のエヴァンジェリンの過去、すごくいいですね。
美術背景の中でしっかり動かすことを念頭に置いて作られているようで、いかにも物語が始まる、という演出になってたようです。
本編では、黒板がやかましくて、ちょっと集中できませんでした、っていうか、ぱにぽにのときみたいに、リアルタイムで見るんじゃなくて、録画して何度も見直すことが前提に作られてるわけですかね。
・・・しかし、関西じゃ夕方の17時半放映なんですが。(^_^;
面白いことは面白いんですけどね。
もっとも、縦横比の問題があるので、録画はBS-Jと二本立てにしてますが。
エヴァンジェリンの話をかなり前に出してましたから、当面はこれが骨格になるのかなぁ、ちょっと原作の最初の方、失念しちゃってますけど。
おとなエヴァが最初から見られたのは、かなり嬉しかったです。

うん、やっぱり誰か一人、って言われたら、エヴァかなぁ。ジンガイ好きとしては。
中の人も好きですし。(^_^)
現在のエヴァ。

一人一人、字幕入りでの紹介は、ありがたかったですね。
数が多すぎますけど。
黒板ネタは検証していくと、ちょっと更新が間に合わなくなりますので、ぱにぽにのとき同様、目についたものだけとりあげるつもり。
今回は、それほどひかれるものはなかったです。
ジンガイ好きとしては、エヴァともども気になるのが、さよと茶々丸なんですが、さよ、最初から出てきてくれてまして、これも嬉しいですなぁ。
あの数が出てくる、っていうのは、全体としての把握はちょっとタイヘンですけど、個々に好きなキャラがいると、冒頭から顔見せだけでもしてくれてる、っていうのは、良いと思います。
その相坂さよ。

白鳥さん、やっぱしええですのぉ。
一人だけ年齢が浮いてるとか、そういうことは言ってはいけません!
そしてラストにバカレンジャーでしめ。
これ、Cパート扱いで毎回やる、ってことですかね。
ぱにぽにでもありましたけど、どっちかっていうと、Bleachみたいな印象でしたが・・・。
ともかく、見ようによっては、かなりアヴァンギャルドなスタートでしたので、いろいろ反論もあるかもしれませんが、私としては、とっても気に入ってます。
切り出しが難しいので、ハリコとかは続けるかどうか不明ですけど(BS-J待ち、って面もありますので)毎回しっかり性根を据えて見ていきたいと思っています。(^_^)
最終回。
初々しい、時にはそれ故痛々しい、初恋の甘酸っぱい描写も最後になって、うまい具合に軟着陸できたようです。
ストーリィ面でのまとめを重視したせいか、シチュ的にいつものおいしい絵は少なかったですが、作画水準としては、最終回らしい良いデキで、問題なし。
とはいえ、ストーリィにはほとんどからまなかったのに、芹沢さんをさりげなく出してくれたり、まりえに泣きながら取り付きまくるニーナの姿を描いていたりと、それなりにおいしいシーンはありましたけどもね。
でも勇治にしても、香月にしても、本質は素直ないい子なんだよなぁ、周囲の助言にしっかり耳を傾けてるし。傾けすぎ、っていうのもあるけど。
従って、ツンデレとかっていいうのとはかなり違うと思います。
強気系、あるいは自分の意志をしっかり前に出すと、その瞬間もう「ツンデレ」という認識をされちゃう風潮ではあるから、そういうくくりにされてしまうのも仕方ないとは思いますが・・・。
初音の一言から、どんどん思い出してくる勇治の本当の姿。

思い出は過去を美化する、とは言いますが、こんなに証拠写真が残ってて、しかもそれが初音のもとにあり、香月は10年見ていない、ということであれば、初音と香月の間に情報ギャップがあるのも仕方ないですね。
初音の「好きな女の子にかまってほしくてちょっかいを出す」っていう観察もうなずけるところです。
ただ、勇治クンの場合、十代半ばの幼さとか若さがあって、それがストレートにそのちょっかいになって出てくるので、そこが見ていて時々痛々しいかったりしてたんですなぁ。
でもこういう帰結を迎えてしまうと、むしろ前半のあの無神経に見えた強引さも、若さっていうことのうまい描写だったように思えてきます。
なにより小五郎先生の登場で、勇治クンが嫉妬しているのに、それに気づかない描写の初々しさがものすごく良くて、あれ以後、けっこうこのカップルを好意的に見られるようになりました。
最終回は、その最後の一歩を踏み出すお話。
冒頭にガンコだった昔の香月を、そして逡巡する香月を描いておいて、最後に勇治の側から謝らせる、この流れは良かったですね。
えっちなだけのダメ男じゃない、っいう描写自体はいままでいくつかありましたけど、そういう片鱗は出ていたと思います。
ラストの閉め方も、ラブコメらしい閉め方で、いい感じでした。
1クールでしたし、キャラ絵もそんなに崩れてませんでしたし、なにより、おとなになりかける心の描写が新鮮だった佳作だと思います。
一見萌え系ですけど、こういう作品こそ夕方の時間帯にやってほしい気持ちがするんですけどね。
最後に、ガンコだった香月を気づかせて、おしまい。
意思の強さ、っていうのも、幼い頃のガンコさ、っていうのとは親和性が強いので、これも納得できるいい展開でした。

越智さんの絵は好きなので、次にどこの仕事でメインに入られるのか、また楽しみに待ちたいと思っています。