最終回。
物語のシメとしては良い感じの一段落でした。
決して円環が閉じた、というラストではありませんでしたが、たぶん原作がまだ終了していないであろうことを思いますと、いいラストだったのではないでしょうか。もっとも、原作未読組なので、あくまで推測ですが。(^_^;
大きな事件としては、前回のローナ・ファウナ編で終了して、2話かけてイクスの存在と、浄眼機との関係を説明してくれたような結末、まずまずだったと思います。
いくつか、もう少し説明してほしかったところもなくはなかったのですが、原作つきですから、どの程度踏み出していいのか、ってところもありますしね。
もう少し説明がほしかったところとしては、ザ・サードの生体機序と組織、そして浄眼機があれほどまでにザ・サード内部で重視されている明確な根拠とか、かな。雰囲気としてはそこそこ語られてはいましたが。
ボギーの推論型コンピューターについても、解釈があればもう少し楽しめたかも、です。
一方、今回語られた、イクスの説明。
「観察者」「決定者」というコトバの響き以上のものはありませんでしたけど、これはなんとなくわかります。
このなんとなくわかる、っていうのが、物語として、うまく機能していた証拠となるので、具体性はなかったにせよ、SFリテラシーみたいな側面もあるので、原作つき作品としては、まぁまぁ納得できるところです。
実は懸念していたのは「イクスが神、あるいは創造主だ」みたいな、一点にまとめてしまうような結論だったんですが、そういう方向には行かなかったので一安心でした。(笑)
観察者たる存在の語る過去、流れ込む感情として情報が伝達されてましたけど、唯一原作でどうなってるのか興味がわいたところですね。
途中までは「猿の惑星かい」と思ってしまったものですから。(^_^;
ただ、それと相前後して、火之香の過去の映像として、人間、人間以外を問わず、様々な感情と接触してきて、観察者の言う「さまざまな心を抱きしめた」という流れが、実にこの作品のウェットな叙情を語ってくれてましたから、あんまりそういう具体性としての種明かしについては、些末なことのように感じてしまった次第です。
そう、はっきり語らなかった、っていうのが、良い方向で出ていたと思うわけなんですね。そこが、まだまだ説明してほしくはあるけど、なんとなくいい読後感みたいなものを感じてしまった理由です。
最後の、火之香を巡る、イクスと浄眼機のコトバも、多少世俗の領域に踏み込みすぎの感がなくもなかったものの、いい味付けでした。
イクス「今度は私が貴女の心を抱きしめたい」
浄眼機「あれを告白と言わずして何と言う」
変に哲学的になりすぎてしまったところを引き戻した効果もありましたし、あれはあれでよかったです。ちょっとコッ恥ずかしかったですけどね。(^_^;
作画は、キャラデの山岡さん自らあたってくれましたので、統一感はとれていたと思います。
最初の自動歩兵のCGAが簡単にふっとんでしまったのは、ちょっと笑みがこぼれてしまったところでもありましたが。(^_^;
作画に関しては、途中で設定を逸脱した回が2回ほどありましたので、全体としてはそれほど誉められたものではありませんでしたが、WoWWoW作品としての水準はギリギリあったんじゃないかな、とやや甘い評価です。
録画装置が、WoWWoWだけ別の部屋にあった関係で、感想記録がやや遅れたりとばしたりしたこともありましたけど、概ね楽しめました。
良質のライトSFだったと思います。