一応、可愛い女子小学生が5人出てきて、魔法少女になったりする話なので、分類的には、おっきなお友達用の萌え系、ととられても仕方ないところではあるんですが、小学生くらいの疎外感、孤独感が実によく描かれてまいすね。
オトナになると、この目線の低さっ、ていうのがなかなか再現しにくいのですが、この美紗緒のすぐにくじけてしまう心、っていうのは、低い目腺の枠内で、かなりうまく表現されてると思います。
この美紗緒の弱い心を「ウザい」とか「鬱陶しい」とか感じてしまうと、もうオッサンなんだなぁ、と思ってしまったりしてしまうところ。(笑)
小学生の頃って、まだまだ家族との絆が太いし、世界もものすごく狭いから、ここで疎外感を味わってしまうと、どうしようもなくなるんですよね。
美紗緒の「理解されない」という挫折感、孤独感も、この文脈で見ると、痛いほど伝わってきます。
そしてそれを受け止めてあげる心、っていうのは、もう少し成長すると、優越感だったり、変な社会意識だったりしてくるのですが、このくらいの年齢だと、美紗緒が好きだから、ほんとに心配になって、そして受け止めてやりたい、っていう気持ちなんでしょう。砂沙美にはそれを感じます。
プリティーサミーのときでも、「砂沙美が美紗緒を守ってあげているのは優越感だ」と見ていた友人がいたんですが、それってかなりオトナの意見だと思ってしまうんですよね。私は、砂沙美が純粋に美紗緒を好きな気持ちから出ていたのだ、と思っています。プリサミのときも、今のシリーズも。
もっともモンタの方は、どっちとも取れますけどね、男ですから。(笑)
ともかく、モンタの花火で仲良くなっていってしまう下りは、単純といえば単純なんですけど、砂沙美のそういう心が伝わったんでしょうねぇ、と、率直に感じておきたいところです。
もう少し上の年齢なら、いろいろ打算もあるんでしょうけど。
ここだけで終ってたら、いい話だったのが、衣斗紀の侵入による水魔法の乱舞。
美紗緒は「魔女さんはそんなことはしない」って言ってましたけど、美紗緒の頭にあった「魔女さん」て、衣斗紀のことではなかったと思います。
でも、衣斗紀に同調してしまうのかなぁ、とちょっぴり心配だったり。
砂沙美とは一緒に笑うことができるようになっていたので、意地で言ったのでもないと思います。やっぱり心の傷が残ってる、ってことなのかなぁ。
髪を切っちゃう、っていうことにつながっていきそうだけど、はてさて。
美紗緒ファンにとってはけっこう辛い展開が続きますけど、そのおかげで今シリーズは間違いなく美紗緒メインになってるわけで(そのことによって、砂沙美の心がひきたっているっ、ていう効果もありますが)美紗緒の心を追っていける楽しみはありますね。
その他についても、少し。
わりと普通の女子小学生になってきた真琴と、ちょっとおとなっぽい分、誰よりも場の空気を呼んでる(ように見える)司。
描写部分は少ないんですが、さりげなく、でも一貫しているのがよくわかる部分で、孤独の辛さは、たぶん美紗緒の次に知っている司が、今後美紗緒に対して、砂沙美とは違うなんらかのアプローチをしてくれそうな気もします。
とりあえず、衣斗紀出現で、次は動きの多い回になりそうですね。