どうもいくつかの設定をぼかしぼかしやってるので、不明瞭な感がとても強く出てしまうのですが、一応次のステップへ進んだ、ってことでいいんですよね。
異人の娘・アトル。
どうも原画か作監さんのセンスの違いか、前回と微妙に印象が違います。
肌の色を隠して、っていう下りが、前回の水浴びと関連しているっぽくて、その辺の細かさとか、なんかいろいろ実在の人物とかがからんできている仕込の面白さとかもあって、ボーッと見てると、展開についていけなくなってしまうようなところもあります。
公式サイトにも載ってますが、一応、実在人物の簡単なメモ。
花井虎一:蘭学者。番社の獄で、鳥居耀蔵側につき、渡辺華山検挙に同行。後の長崎奉行組与力。
内田五観:和算家。後、明治政府の、天文暦法等の改革に携わる。
本庄辰輔:もと長崎会所下役人。
だいたいこの辺で、どういう話にしたいかが、ぼんやり見えてくるようでもありますな。
朝鮮通信使とか、オランダの学術とかが暗示されてるから、舶来の技術、魔術、妖怪等へと発展させていくんでしょう。
ただ、そうなると宗教的背景がないと、かなり希薄になるので、そこいらへんをどう処理するか、でしょうね。
蘭学が禁学とならなかったのは、その宗教性の希薄さにあったわけですから。
あと、妖夷と、蛮社改所・・・なんですが、夷ってのは、本来東方の蛮族、つまり日本のこと。蛮は南方の蛮族で、日本では南方から来たので、西洋人にこの字をあててましたけど、元来は、呉楚以南の民。
はたしてどの程度反映するのかはわかりませんが、蘭学云々とのからみがあると、東洋の枠自体を踏み越えるのかもしれません。
今のところ、毛羽の怪が出ていないことも暗示的ですしね。
本来なら、みちのくの怪が取り上げられたときに、毛羽の怪(念のため書いときますが、毛羽毛現のことじゃないですよ、毛人の怪のこと)が出てきても良かったんですが、それが取り上げられていませんでしたから、東夷のさらに東、という扱いにはしないのでしょう。
ただ、浮民、っていうのが、つながっている暗示、ともとれるんですけどね。
ここいらへんは今後の材料如何でしょう。
ちなみに、時代は天保年間ですからまだ外来の学としては蘭学ですが、もう少しすると過激派は英学に走り出します。
その辺の闇の学術史なんかも実はけっこう面白いのですが、そこまでは踏み込んでくれなさそうかな。
魔術もこの英学が地下に流れるようになってからのことですし。
錬金練丹というコトバはそれ以前から無論ありましたが、本邦で錬金術が支那仙術用語から泰西魔術用語へと変わってくるのも、この少し後くらいから。
というわけで、異人の娘の登場で、とたんに妄想が広がってしまいますが、話としては、まだ仕込みの段階かな。
蛮社改所の存在が、実はけっこう政治的な意味合いがあったり、社会情勢にもけっこう飾りではなく意味をもたせていたりと、意外と、といっては失礼だけど、腰を落ち着けたつくりになっていきそうな感じのする第4話でした。
あと、個人的に気になったところ。
宰蔵の「蔑まれているものが正しいとは限らぬ」・・・ちょっと進歩的すぎる言い回しではあるんですが、21世紀の現代に聞くと、いろんな含みがあるようで面白いです。
階級闘争も念頭においているかのごとき発現でありますな。(笑)
文字が武器になる、図像学。
いや、言いたいことはわかるんだけど、もうちょっと見やすくしてくれませんかね。
表意文字と表音文字の概念がごちゃまぜにならんことを祈ってます。(^_^;
怪物バトルよりも、もう少し、ウンチクっぽいのも見てみたいんですが、時間帯を考えるとちょっと無理かなぁ。
ただ、やろうとしていることがおぼろげながら見えてきたようではあるので、ちょっと面白くなってはきたところ。
第1話で感じた、川元キャラのキラキラ瞳も、それほど気にならなくなってきましたし。
・・・単に慣れただけなんでしょうけど。(^_^;
http://d.hatena.ne.jp/Nachbar/20061028