猫ぱーんち!

舞台決戦。
今回の舞台は、それほど凝ったものでもなく、普通に立ち芝居、立ちセリフでした。
最初の演劇部の方って、臥せ演技でしたけど・・・、これはもう少し工夫してほしかったかな。
リアルっちゃあリアルなんですが。
照明の加減は相変わらず秀逸です。
学校内風景とか、部室とかですと、明るさ基調なんで気づきにくいんですが、舞台になると、この採光の妙味、っていうのが、すごく生きていると思います。
研究会の方は、もう身に覚えのあることばっかしで、なんか痛かったです。(^_^;
「ああ、失敗の空気がここまで・・・」
失敗の空気・・・たしかにあるんですねぇ、そういうのって。
演劇部時代は道具方メインでしたので、仲間が演じているときでしたけど、そういう空気の流れって、当事者もそうですけど、見ている方の辛さも相当なもんです。
それだけに、麦が声を通すところ、一大カタルシス・・・だったんですが、アニメ的には伝わったかなぁ、っていうのが少し。
つまり麦が最後に発した、よく通る声、あれってすごく演劇的でした。
ただ、アニメ的には「野太い声」に聞こえてしまうんですよね、そこがちょっと残念なところで、一応アニメですから、そこまでリアルにしなくても、アニメ的によく通る声でよかったんじゃないかなぁ、と思ってしまったところ。
ショー演劇や映画なんかと違って、ノーマルな舞台芝居ですと、よく通る声、っていうのは、声量もさることながら、声の響き、そういうのも大切です。
よく言われるのが、囁き声でも、ホールのすみずみまで聞こえる声、っていうのが、通る声なんですよね、ピアニッシモが伝わる、といいますか。
芝居をやってると、こういう声っていうのは一発でわかります。ですから、第1話で、野乃が麦の声に気づいた、っていうのは、けっこう自然なことだと思ったのですが、最後に来て、その本領を出してくれました。
ただ、それがアニメ的にカタルシスだったか、っていうと、ちょっと疑問かも、って点を感じてしまいましたが。
ともあれ、良い場面でした。
背景として、オリナルが、先輩部員に「そうじゃない、ほんとはすごい声なんだ」っていってたのも、良い含みになりましたしね。
もう一つのポイント、野乃の声の喪失。
ドラマ的にはこちらの方が重かったですが、こっちについては、美麗と野乃のドラマでもありましたね。
ひやかしと称して心配して来る美麗、わかっててイヤミで応酬する野乃。でも結局は言ってしまう「ありがとう」。
観客席でこれも、ある意味で、失敗の空気が漂ってきたけれど、それをどうしてやることもできない美麗の立場として、うまく描いていたように思います。
麦を見つめる佳代とオリナル。
野乃を見つめる美麗。
佳代と麦はこの対決の後、別のドラマに発展するわけですけど、この麦に対する心配が良い伏線にもなってましたし、観客サイドのドラマも秀逸でした。
あと。理咲のアドリブ。
美麗部長、普通に「昔からああいうのがうまかった」って言ってましたけど、やっぱり理咲も天才肌だったんですね。
第1話からそのにおいは濛々とたちこめていましたけど、どうも近すぎるせいか、野乃はちょっとその才能に冷たかったですね。
というところで、後は個々のシーンについて。
まず、生徒会長、ノリノリであります。(^_^)

芸術系ですから、この人も美術とかなにかやってるんでしょうけど、劇場的効果をよく心得た人ですな。
まぁ、中の人が中の人、っつうのもだいぶありましたが。(^_^;
さて、文化祭ですので、クラブ発表だけでなく、各教室単位でも出し物があるわけでして、麦と佳代のクラスはメイド喫茶。

佳代ちゃん・・・なんかエロい。(^_^;
男子学生に囲まれた麦を助けた甲斐くん、いいムードになりかけたのに、ボスからお呼びが。
先行は演劇部、ということで、偵察にきたわけでしたが、思わず舞台衣装かと思ってしまう珍妙ないでたち。

こちらもそれぞれクラスの出し物だったわけですが、野乃の着ぐるみによからぬ感情を抱いた桂木君は猫ぱんちを食らっておりました。(笑)
演劇部の出し物は1シーンだけでしたので、はっきりとはわかりませんでしたけど、現代劇ですね、そして美麗は・・・男役?
役の説明では、なんとなく姉妹かと思ってたんですが。
まぁ、役者として大事な上背があるので、どっちでも舞台映えしますね、美麗は。
そして控え室に戻って、麦の弱気の虫を退治して、野乃の不測の事態に対する打ち合わせをしてますと、美麗登場。
格ゲーの対決シーンのようでした。(笑)

実は心配してきたのに、言い出せない美麗と、そんなことはとっくにお見通しなのに素直になれない野乃。
この2人のツンデレ勝負もなかなか胸に来るものがありますなぁ。
立ち去り魏ぎわに、野乃から礼を言われて立ちすくす美麗。
野乃の覚悟、そして起こることがわかってしまったかのようでした。

麦の練習を見てしまったオリナルと、そんなこと知らない先輩との意見の相違。
えーと・・・新部長はどの娘でしたっけ、なんかこの段階では全然印象ないですなぁ。

しかしオリナルは根っから芝居の子、ですね、前回の土下座もそうでしたけど、こういう一つ一つの挙動が大きくて、芝居がかってるのも特徴がよく出ています。
一方、後ろの立見では佳代ちゃんも心配して見にきてました。
美麗が目ざとく見つけてやってきましたけど、この段階では、お互い、友人を心配しているっ、ていうところしかでてません。

でも、佳代ちゃんの胸のうちには、もうある決意がゆらゆら燃え始めていたんでしょうなぁ。
このペースですと、佳代ちゃんと麦の一件もちゃんとやってくれそうですし、こんなふうに濃密な伏線をはってくれてますと、期待が高まってくるところです。
たぶん期待以上のデキに仕上げてくれると思いますので、今から楽しみです。
そして始まった舞台、でも麦は相変わらず。
「失敗の空気がここまで・・・」オリナル、1年生のくせになんでそこまで芝居のセンスがありやがるですか。

舞台上。
ここでははっきり見えませんでしたけど、上手、下手はあいかわらず意識されてました。
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先輩達の姿。
なにげないですけど、こういう「あわせ」も学生演劇っぽくてよかったですな。
ところで、照明は誰がやってんでしょうか?(^_^;
もうひとつのクライマックス、野乃に訪れた声帯麻痺。

衝撃を受ける美麗・・・。

原作、ここで「無理して声を出す野乃」・・・書体を変えて表現してたんですが・・・川澄さん、見事でした。
そして、麦・・・覚醒!

いや、今回も、背筋にビシビシ走ってくるものがありました。たまりまへんなぁ。
もう次回予告で、結果は割れてましたけど、この後も素晴らしいドラマが展開します。
関西は、本作の最遅放映地域なんですが、これだけ感動を与えてもらってますので、遅れてもしっかり記録はしていこうと思っているところです。(^_^)
テンプレ変えたんですね。
これはまた見やすいですなぁ。
>猫パンチ
野乃の口から予想外の台詞が出てきたのでびっくりしました。
演劇やってなかったらこんなこと言えなかったでしょうね。
そう考えると美麗が野乃に演劇を教えたのは良かったのかも(笑)
>川澄さん
声が出なくなったところ、どう表現するんだろうと思ってたんですが、凄く上手かったですね。
まるで本物のようでした^^
>麦・・・覚醒!
会場にあった失敗の雰囲気をたった一声で消すほどですから凄いものです。
次回も楽しみですね。
うちの環境ですとそうでもなかったのですが、友達の環境だとテンプレ崩れまくりでしたので、思い切って替えました。
基本デザインっていうのは極力変えたくなかったのですが、崩れてちゃ仕方ないですしね。
>>猫ぱんち
麦と重ねる形ではありましたけど、演劇を通じての野乃の変化という側面も代弁してくれてましたよね。
全部わかった上で突き放したり、それでも心配になる美麗のキャラがこれまた素晴らしすぎで、友達っていうものを深く考えさせてくれます。
その、野乃の声の喪失。
原作でもけっこうドキッとするところだったんですが、川澄さんの、あの搾り出すような声・・・。
もうゾクゾクしました。
もう毎回感心しっぱなしです。
来週は、あの予告でしたので、もうネタ的にはだいたい予想がつくような仕掛けでしたし、演劇研究会としての良いシメになるんでしょう。そしていよいよ佳代ちゃんとの話が始まるはずで、こっちの展開も楽しみです。
あれは意図的に演技したんですか?
オリエさん、この声は上手くいかなかったのかなぁ?
難しかったのかなぁ?今まで上手かったですよ。
と思っていました(^_^;)
>生徒会長、ノリノリであります
この人斉藤チワさんなんですよね!
ED見るまで全然気づきませんでした(^_^;)
こういう役もできるんですね♪
>「失敗の空気がここまで・・・」
>野乃に訪れた声帯麻痺
芝居は難しいですよね、あくまで見る側の意見ですが。
「てなもんや三度笠」の藤田まこと、さんも言ってます。
あとドリフもですが、暗記するのはセリフだけでなく、
とにかくカメラの位置、それから小道具の位置を暗記して、
そこまで自分を持っていかなければならないんですよね
(^_^;)
芝居や演劇は、かなり計算しているんですよね(^_^;)
野乃の声帯麻痺ですが空気を読めるオリナルの心配、
理咲の名フォロー、野乃のアドリブや、頭が真っ白になるけど
覚醒(!!)する麦とか上手いですよね猫(=^・^=)
例えが、あれですが『8時だよ!全員集合!』のドリフがすごいのは、
リアルタイムでの失敗やアクシデントを、それぞれが、かな~り上手く
流したり、つないだりする時があるんですよね!!
あれ、すごい芝居や演劇のスキル高くなきゃできませんよね!!
上に書いたのは、演劇効果ではなくて、アニメ効果としてはどうだったかな、ということで、演劇効果としては、これ以上ないくらい、ものすごいものでしたから。
芝居の描写に関しては、ちょっと例がないくらい細部にまで神経のいきとどいた、しかも現場感覚のセンスが充溢していたと思います。
ただあまりにすごかったので、経験者でないとわかりにくい、それゆえ、アニメの効果としてはひょっとするとマイナスになっているかもしれない、というのがいくつか散見されました。
麦の「通る声質」というのもそうですし。
舞台の立ち位置に関してはその通りなんですが、そこいらへんはわりと基本だと思います。
もっとも、クローズアップがある程度可能な商業演劇と、舞台演劇とでは、やや感覚が変わって来ますが。