麦ちゃんの声における、アニメ的効果と、演劇的効果については前回述べたので、ここでは割愛。
美麗のナレーションでスタート。
恐らく写真部の展示であろうカットを背景に語られる、美麗のことば、「野乃の奇跡」。
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舞台上で演じられている麦を通して、親友・野乃を見る、という美麗の意識。そして背景にある、佳代ちゃんによる麦・成長の記録。
麦の物語でもあり、野乃の物語でもある、そういう側面を浮き上がらせてくれる美麗の語りでした。
観客席でもこの麦の声に心奪われていて、演劇部の2年生(次年度の部長を含む)がオリナルに「これだったのかー」と聞き返していたりしてましたが、なんといっても、美麗と佳代ちやんの反応がよかったです。

「良かったね、麦・・・。」
佳代ちゃんの胸のうちにある決意と、今までのこと、これたぶんしっかりと次回に描いてくれていると思いますが、佳代ちゃんの麦への思い入れは、しっかりと伏線にもなってますし、良いシーンであると同時に、良い構成でもあったと思います。
そして舞台で終局・・・だったんですが。
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この舞台、見てー、と思った瞬間。(笑)
まず、覚醒した麦が、恋の成就を得て幸せになると、妖精たちが見えなくなる、という筋でしたけで、その舞台。
照明を変えて、3人の姿を暗転させ、それとは違う方向にむかって、麦が一人語りかける、という装置。
あー、これ学生演劇のレベルで見たら、ちょっと震えるかもなぁ、と思った演出でした。
麦の独白は、独白であり、消えてしまった妖精へ語りかけであり、同時に観客へのメッセージである、という3つの含みが内包されていて、しかも、すごくわかりやすい構成、舞台装置になっています。
舞台上での立ち演技、立ち芝居、っていうのは、高校生くらいなら普通にうまくこなしますけど、こういう暗転を使って、しかも独白にいろんな意味を付与してる、っていうのは、ちょっとゾクゾクくるところですね、経験者としては。
・・・こういう独白、社会人や大学生のアマチュア劇団なんかでもときどきこけてることがありますから。(笑)
第1話から思ってましたけど、ほんとに舞台の見せ方がうまいと思います。
それだけに、いったい照明は誰が担当してるんだ、ってのが気になって仕方ないところではありますが。(^_^;
生徒会だとしたら、うますぎです。
さて芝居も終って、カーテンコール。

野乃さんの合図で、舞台へ。
終って、麦に抱きつく佳代ちゃんとかオリナル。ええシーンや・・・。
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そして決選投票だったんですが、この会長・・・甲斐くんにもつっこまれてましたが、名物なんでしょうなぁ。(^_^;

盛り上げなくてはいけない、っていうのをよくわかってる感じでしたので、わたしゃ好きですよ、もちろん。
結果、美麗の言った通り、演劇部の勝ち。
たぶん尺の問題だと思いますが、演劇部の方をもっとちゃんと見せてくれていたら、また盛り上がったんですけどね。
そして反省会。
今回は前半が素晴らしすぎたので、後半、やや付け足し感みたいなところがなくもなかったですが、作画は安定してるし、十分に余韻を楽しめました。
研究会誕生の経緯とかいろいろありましたけど、個人的には理咲と美麗のケンカ別れの方が面白かったです。(^_^;
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でも前回のセリフでしたけど、美麗はしっかりと理咲の長所も把握してたんですよね、そこいらへん、美麗の眼の確かさとか、演劇スピリッツみたいなところとか、それゆえにこそ野乃の身を案じてしまう優しさとかが伝わってくるところです。
野乃については・・・、はよ病院いけよ、とか思ってしまいましたが・・・。
ともかく、「演劇研究会は解散します、おつかれさまでした」となりました。
いやぁ、実に充実した演劇アニメでした。
作品内時間として半年、視聴者時間として約2ヶ月、実に濃い密度で見せてくれたと思います。
「それはひとひらの夢でした」・・・こんな充実した学生生活って、そうないですよ。麦ちゃんもオリナルも幸せものですなぁ・・・。
さてさて、あと3話だと思うのですが、この分だと卒業式まで入るかどうか、キワキワかな。
麦が戻ってくる、というか演劇部に入るところまでしてほしいんですが、ちょっと厳しいかな・・・。
ともかく、次は佳代ちゃんの話。
オリナルの告白もどこかで入れてくれるとは思いますが、たぶん佳代ちゃんメインでしょう。
今回が最終回でもいいくらいノリでしたけど、佳代ちゃんと麦のこの話もけっこう好きなので、期待しています。