
佳代ちゃんとのお別れ話・・・、原作でもけっこう好きなエピソードでしたので、ちょっとうるうるしてしまいました。
ただ、演劇対決の劇的な動きが続いていたせいか、やや場面的な動きに乏しかったような気もしてしまいました。
とはいっても、演劇部でのパーティとか、初詣とか、野乃が学校近くの橋をたとえにして麦に語るシーンとか、静止してましたけど良い場面はあったと思います。
親友が自分の道を切り開こうとしているのに、これを応援してやることもできず、自分のことばっかり思ってしまう閉塞感と自己嫌悪。
今回のテーマはほとんどここにありますね。
結局のところ、麦自身が変わらなければいけない、ということ。同時に、あの演劇での踏み込みがあっても、人はそんなに簡単に、すぐに変われるものでもない、ということ。ここらへんの人間観察、妙にリアルでよかったですな。
原作読んでたときも、自分のことしか考えられなくなって、がんばれ、が言えない麦の閉塞感を見たときには、けっこう共感してしまったものでした。絵自体は、わりとさらっと描かれてたんですけどね。
佳代ちゃん以外では、美麗が少ない場面ながら、けっこういろんな側面を見せてくれてました。
野乃に「私は大丈夫だけど、あなたはね・・・」といわれてしまう美麗。(笑)

野乃の方は小康状態といいますか、まぁ、麻痺ですから、まったくでない、ってことでもないんでしょうけど・・・。
で、「因数定理」が不確かな美麗、ってことは、国立文系志望、ってとこかな。
理系で因数定理ができない、ってのはちょっと考えられませんし、センター利用の国立中堅文系なら、だいたいそんなもんでしょう。
それにしても、美麗もそんなに悪い成績ではなかったはずですが、校内トップランクの野乃の前では手もなくひねられている感じでした。

舞台では圧倒的な存在感と誇りを示してた美麗でしたが、一度学校生活に立ち戻ると、野乃の尻にしかれっぱなしです。
なんか百合のような友情のような、そういう熱くてアクティブで、ちょっぴり恥ずかしい二人の結びつきは、この作品の隠れた重要ポイントだったように思います。
そして、この2人の、我は張り通すけれども、どこか太い絆でしっかりと結びついている、っていう友情と、佳代の決意で自分を見失いそうになってしまう麦の心がうまく対比材料に使われているようでした。
腹の底から気持ちをぶつけあえる、そういう友達の大切さを教えてくれているように感じたところ。
麦にしても、自分の気持ちを出してしまうと、それがわがままになる、っていうことはしっかり自覚してるんですよね。
でもそれを自覚してしまうからこそ、遠慮みたいな、なにかこわごわと触れてしまう、そういう気持ちになってしまっているわけで、ここが先輩達が示してくれているような友情とは別の形を歩んでいかなくてはいけない、面白さ、大切さだと思います。
ともかく、演劇対決のライバルであり親友である少女たち。
画面嗜好により、ヤローは割愛しますが。(笑)
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ついでに、新生演劇部の部長、副部長コンピ。

クリスマスイブはお休みでしょう!という決議に、美麗の心配は増すばかり。(笑)
大丈夫、このアニメシリーズではそこまでは描かれないようですが、来年には麦とちとせが中核になって・・・るのかなぁ。(^_^;
ちとせ、甲斐くんと初詣に行ったて、野乃を発見して相談しますけど、野乃の強い性格では、即効性のアドバイスにならなかったようですが・・・。正しいことが、必ずしも薬になるとは限らないような、ラストでしたけど、麦の悲しみは、十代独特の感性ですね。
そういうことで人生が終ってしまうように悩めるのも高校生まで、早い子は中学生の段階で、そんなことで人生が終ってしまったりしないってことに気づいてたりもするのですが、そういうことに気づかず、あるいは気づいていても割り切れなくて、思考の堂々巡りになってしまう・・・。
若さの苦さ、みたいなところが良いですね。
だから、ラストの麦の悲しみは決して大げさなものじゃなかったと思います。

むしろ、羨ましかったりしてしまいますけどね、この青春の苦さが。
さて、やっぱり1クール12話だったようで、卒業式の前後まで、のようです。
あと2話、麦の佳代への想い、オリナルの告白あたりがヤマですかね、ギャグ処理になりそうな気もしてしまいますが。(^_^;
>クリスマスイブはお休みでしょう!
原作6巻では、まさかまさかの大活躍でしたよ♪
なにげに、この部長、副部長コンピも良いですね♪
>自分のことばっかり思ってしまう閉塞感と自己嫌悪
そう解釈いたしましたか?
私は麦はあがりすぎて余裕がなくて、いっぱいいっぱいの少女が
演劇で変わる(佳代や野乃先輩のアシストも重要)と
思っていましたので。
逆に、麦を軸として、野乃と美麗の関係を浮き彫りにしていく、という風に、観点をしっかりしぼりこんでいたのが勝因だったかな、という気がします。
しかしこうしてみると、いい作品でしたなぁ・・・。
当時の感動がかなりよみがえってくる想いです。