麦、佳代、オリナル、の細かな心の揺れ、心情変化、繊細にすくいあげてくれてました。おまけに、美麗まで。
まず麦の衝撃が依然として尾をひいていたこと。
構成としては、合宿のときに、野乃につきはなされて「うわぁぁぁん」となったあたりと同じなんですが、今回も多少野乃に叱咤されたとはいえ、麦自信の問題であること、そしてなにより麦は自覚していたってこと。この辺が重要ですね。
麦が自分のことしか考えていなかった、っていうのはけっこう早い段階から気づいていたような描写もあったんですが、今回気もっと深く、佳代ちゃんの気持ちを考えていなかった、っていう点にまで到達してくれました。
ここまで、佳代ちゃんサイドの描写を控えめにして来た効果が出てる感じですね。

佳代ちゃん自身のことばとして、麦の舞台から勇気をもらった等ありましたけど、そこから先にはいっていない、つまりそれは、麦が自分で気づかなきゃいけない、ってことだったんですね。
佳代ちゃんが麦からもらった感動、勇気、っていうのも、この深い描写をあえてしなかったことでひきたっているようなところもありまして、麦の細かい変化、そして目のあたりにしたものすごい成長・・・これは佳代ちゃんの立ち位置でしかわからない強烈なものがあったことでしょう。
オリナルの言う「これを4年も操ってきたとは、佳代ちゃん、あんたやっぱすごいわ」
ここ、原作ではけっこうコミカルなシーンとして出てたんですが、アニメで見ると、佳代ちやんの描写が少ないことが効果的に補正されてる感じでもありましたし。
そして回想、佳代、麦、出あいの頃。

麦は中1の頃から全あまり変わりませんね。(^_^;
佳代ちゃんは多少幼い感じがありましたけど。
そして舞台にひっぱりあげられた麦。
ここの美術がもう、なんといいますか、すごい郷愁をさそうシーンで、ちょっと涙が出そうになったところ。
許可はとってるとか言ってましたので、暗幕がひかれてたのはオリナルの演出なんでしょうけど、これが実に良い雰囲気。
冬の誰もいない舞台、っていうのは、もうそれだけで胸にくるものがあります。元・某大学演劇部員としては。(^_^;
そこでくりひろげられた、麦の独白、佳代ちゃんの和解・・・っていうと、ちょっと変かな、ともかく二人の心の再交流。
なんか一生あえなくなるようなムードでしたけど、十代の頃の留学って、それくらいの重みがありますよね。
オリナルのことば「えー話やないの」
なにげにオリナル、至言が多いですのう。
オリナルも、こう軽く言ってしまわないと、感動で押しつぶされてしまいそうだったんですね。

ちょっと胸うたれてしまったシーンです。
さて、その他にも良いシーンはいろいろありまして、まずオリナル。
麦をライバルと今回も明言してましたけど、佳代ちゃんほどではないにしても、人が変わりうる力を、自分の得意な演劇の場で見ただけに、感ずるところがあったんでしょう。
そして美麗。
ある意味、本作の裏テーマでもあった、美麗と野乃の友情。
それがしめくくられつつある、すばらしいシーンでした。
着られることのなかった衣装。それに対する感情、想い。

物理的には上背が違いすぎるので、野乃用の衣装は美麗には無理、ってことなんでしょうけど、もっと深いものがありますね。
舞台の上、あるいは演劇が好き、っていう気持ちの上では実に大きな存在感を見せる美麗でしたけど、一度ふつうの女学生に戻ったときの繊細な優しさとか、普通の感情の起伏を見せてくれてました。ここらへんのギャップ・・・とまではいかなくてもメリハリの差、っていうのも、美麗を実に魅力的なキャラに仕上げてくれていたと思います。
そういや原作コミックス3巻の裏表紙「泣いてる訳、ないでしょ」っていう絵、実に美麗らしくて良かったですな。(^_^)
さて次回、最終回。
こんなにグレードの高いテレビ作品を見せていただけると、第2期を同じ制作スタッフでやってほしいなぁ、とか思ってしまうところです。
無理なのを承知で、そう感じてしまった本作、有終の美を期待しておきます。
そう、思いますよね(^_^)
ちょうど原作も完結した訳ですし、第二期を制作
して欲しいです♪
>「これを4年も操ってきたとは、佳代ちゃん、あんたやっぱすごいわ」
佳代ちゃんの見守るような優しさ、と麦の成長を見れて、
佳代ちゃんもようやく安心して自分の進む道を行けるような感じですかね
(=^・^=)
麦、ちょっとだけ、うっとおしい子ぽいですが、女性視点ですと、
ものすごく共感できるんですよね(^_^;)
こういう風に感情だけで、ぐしぐし泣いて抱きつくのって若いって
感じで、すごく可愛いです♪
十代ですよね(=^・^=)
>美麗と野乃の友情
>野乃用の衣装
あの衣装に、まさかこんな想いがあったなんて!
ですよね♪
仲が悪そうに見えるけど、野乃は美麗の実力を認めて、
大切な友人と想い、そして美麗も、口では、なんだかんだ
言いつつも、野乃を忘れられないでいる。
で、あの用具室に閉じ込められた時の大切な友達の名前が
スケッチに書いてあってそれが「榊美麗」でボロボロ泣いてしまう
シーンが生きるんですよね♪
私は、まだ、ひとひらを理解できていない、と
思います。
白石様の言う麦、佳代、オリナル、野乃の気持ちの
流れとか、まだわからないとこありますし。
また見たら再発見がありそうです♪
作画も抜群に良かったですし、こういう作品に出会えると、アニメは死ぬまで見続けていきたいなぁ、と思ってしまいます。
野乃用の衣装 は名シーン。
いや、この作品、名シーンが多すぎるんですが。(^_^;
一つ一つの動作にこめられた思いの深さ、繊細さが実に心地よいです。
大学の演劇になると、もっと殺伐としてくるんですけどね。(笑)
視点が研究会からでしたので、どうしても美麗が客体として描かれてしまうことが多かったのですが、それでも内面の豊かさは、しっかりとつまっていたと思います。