「その絶対的絶望、人間を鍛えてくれるように思えたぜ」
唐突に発せられたシモンの言葉・・・ひょっとしてこれがオチになってるんでしょうか。
徹底的なアンチスパイラルとの殲滅戦争に進みそうなんですが、ニアを救い、世界の安定のための結末が用意されるとするならば、こういう落としどころがあるのかも、と思ってしまったところです。
その意味では、サブタイになっていた「これがボクの最後の義務だ」よりも、意味深なセリフだったように感じられたところです。
ただ、アンチスパイラルに、ニア以外の人の影が感じられませんので、別段落としどころを用意しなくても収拾はつきそうですし、まぁ、その辺は今後の展開のお手並み拝見、と言うところでしょう。
ガイナの物語構成はかなり不安な要素があるんですが、今回は外部からかずきさんを招聘していますし、うまい着地点を用意してくれていると思います。
サブタイのセリフ・・・今回もロシウだったんですが、なにげにロシウのセリフ、多いですね、この第3部に入って。
権力を握り強権を振るいながらも、権力は自分のためでなく、人民の平和のために考え、己の限界を知り、その中で最大限に努力をする、しかも敗北や失敗を認める適応力もある、ロシウはその立ち位置にも関わらず、ひどく人間くさい側面と、その人間くささの中での最善と思える人格を見せてくれているところ等、実に良いキャラに仕上がってますから、当然といえば当然なのかも知れませんが・・・。
事象だけを追いかけていくと、第3部はロシウを中心に回ってますよね。
そんなロシウに次回スポットがあたるようですから、その辺、楽しみにしておきます。
主人公たるシモン、というよりグレンラガンですが、こっちも同乗するヴィラルの叫びの方が、カッチョいいですなあ。(笑)
まぁ、中の人、勇者王なんでこれもまた当然ですし、元悪役、脇役としての発声にはしてくださっているんですが、それでもヴィラルの方がカッチョよかったです。
そのヴィラル、生体コンピューターになっていたロージェノムとご対面。
あのあたり、もう少し尺を割いてほしいような気もしたんですが、まあまあ良かったですかね。
月がメカニックだったり、次元がパリンと割れたような描写だったり、大きさがわからないようなドリルの描き方だったり(これはもう以前からでしたが)、パースの感覚がかなりボカされたようになるのですが、絵そのものは丁寧なんで、迫力だけは伝わってきます。
ま、いい意味で「漫画的」というバトルシーンでした。
月の深奥へとむかう戦いまで、ピンチの連続とはいっても、どちらかというと物理的な戦いでしたけど、コアの目前で、ニアの出現。

変わってしまった相貌とか、いかにも非人間的な言動とか、ジンガイの魅力をこれでもか、っとばかりに撒き散らして最後に登場。
今回一番の見せ場でしたかね。
シモンとのやりとりの中で、一瞬もとの姿に戻り、そしてまたアンチスパイラル本体へと召還されていく姿。
「SF」というよりもむしろ「科学冒険マンガ」みたいな趣をたっぷりと漂わせてくれる進展で、一応ラストへ向かっての目的がかなり単純化されましたけど・・・なんかまだ仕掛けは残ってそうな感じがするんですけどね、どうなりますか。
とりあえず次回はロシウの里帰りらしいです。