今回は話の動きの割りに、現実描写の方にクリアな映像を用意してくれたみたいで、テーマの深さとは裏腹に、技法的に妙な透明感を感じました。
たとえば、ここ、千尋が4年間の記憶の喪失が、詩につながるものかもしれない、といったところ。

モノクロの背景の中で、スーッと千尋だけが消えていく情景。
でも同時に背景も真っ白になってく動画。
これはあとで、千尋の物語を通して、とまっている時間の中にいる千尋と、そこから抜け出そうとする千尋の分裂した視点としても追表現されますが、この描写がいつになく綺麗なんですね。
錯乱して取り乱す千尋、そしてそれが断絶を知ったときにしばしばおきることだと説明する火村。
今回、この日村の説明と千尋の錯乱を見て、ことの深さの一端を感じられるようになった蓮司くんでありました。
しかし、まだ他者の立場なんですよね、あの砂の城のエピソードとか見てますと。
「好きです」と告げて、それが初めてだったと知る千尋、でも日記には何度もその言葉がでてくることを語ってしまう千尋。
意味としてはけっこう深いものが内包されているんですけど、人肌の艶のようなものが、ようやく千尋サイドにも漂ってきたような瞬間でした。
一方のみやこ−景サイドではもっと直接に出てきました。
ヒロくんを呼び出して、その直後ベッドイン、とは思いませんでした。
でも、このときのみやこの肌・・・すげー色っぺーんですよね。

いきなりヒロにキスをするみやこ、そしてそれに応え返すヒロ・・・。このあたりは、こういった心の闇を別にすれば、普通のラブ・アニメの手法といえましたけど、この男女の睦あいが景の目に触れる、ということの方がむしろポイントでしたね、ストーリィ的には。
加えて、自由には責任がある・・・ていうのは良い考え方でした。
今回、この景サイドの話は、第7話がそっくりそのまま逆転して、今度は景の方に大きな悲しみが襲ってくるつくりになってましたけど・・・、今回の方が決定的ですね、肉体関係を持っちゃったわけですから。
イマイチ、景サイドでは脇に回りがちだった景でしたけど、今度は表面に出てくるんでしょうか。
ただ、京介が「受け皿」として用意されてるのだとしたら、やや予定調和が過ぎるきらいがなくもなかったです。
エロゲ脳としては、
「みやこ、愛してる、だから愛人だ」
「景、きみは家族みたいなものだから妻だ」
「3人でいちゃいちゃしよう!」
というハーレム妄想にしばしひたってしまいましたが。(笑)
今のご時世なら、このエロゲ脳展開だと確実に刺されますね。(^_^;
物語としては、千尋サイドの方が闇が濃くて深いので好きです。
火村に促されて、千尋の物語にあらためて着目する蓮司。
そこには新しい進展がありました。
島には一人しかいないので、結婚式を挙げるために、絵の方に自分を描きたしました・・・という展開。
そしてその絵の中の2人が、蓮司と千尋、という構図。

すごく具体的になってきました。
そしてさらに、救いのない絶望が色濃くたれこめてきているようです。
結局、千尋は、日記という絵の中に、自分を書き込んでいくことしかできない、それを書いている自分は永遠に島(13時間という時間)から抜け出すことのできない、というシグナル・・・。
今まではかなり暗示的でしたけど、ここにきて、すごく具体的な姿になってきてます。
「女の子は世界に一人なので、神様だったのです」

すごく怖い絵でした。
丁寧なことばでしゃべり、自分をいつも控えめに言い、しかも好意を表現しようとする姿、で、そのあいまにときどきしのびこむ暗い表情。
今回の、錯乱から、真情の吐露、そして告白へと至る流れと、千尋が描いてきた小説を見てますと、とんでもない破局しか待っていないように見えてしまいます。
もっとも、これだけすごい「有意味」の映像演出をやってくれてたら、凄惨な欝エンドでも許せるような気はしていますが、ともかくこの物語の意味性と、現実への投射が、どう反映し、どう解決、もしくは破綻するのかが、すごく楽しみです。
次回、この物語に、千尋が結末をつけようとする展開のようです。
テーマ:ef -a tale of memories- - ジャンル:アニメ・コミック














