coda:蓮治の夢、千尋の夢。そして景、みやこ、紘、京介たちの夢。「夢をかなえるためには夢を見続けること」その思いを胸に抱き、蓮治は進路調査の用紙に「小説家」と記載するのだった。]
最終回。
第12話がLoveで、最後にcodaがついてそのタイトルがdream・・・ということで、見事にサブタイの頭文字をつなげると、euphoric fieldになりました。
実は少し気になってて、話数が12話なのに文字数が13でしたから、最終巻が「あのね商法」になるのかなぁ、と少し危惧していましたが、そういうこともなく、ちゃんとシリーズとして幕をひいてくれました。
ということで最終回。

比較的おとなしかった、という印象かなぁ、それと、やや無理気味にハッピーエンドにしてしまいました感がありました。
中盤における有意味の心象風景が強烈でしたので、今回のような色相の変化で時間帯を見せたり、立ち位置の変化で関係性を示したりするのは、開始当初のスタイルに戻っただけ、ということを考えても、かなりおとなしめだった印象はあります。
手法としては、シルエット効果が顕著で、OPでもいくつか変えてきてたりしてまして、こういったところは中盤での面影を見せてくれるところでもありました。
涙をこぼしながら日記を記す千尋。

表現技法、感性があまりにもすごかったので、ややお話の方が弱かったかな、という気はしていますが、足を引っ張った、てとこまではいきませんし、この最終回での千尋が蓮治を覚えていたくだりも、かなりギミック感が漂うものの、この「奇妙な恋」の物語にはふさわしかったように感じています。
簡単に話の方も回顧しておきますと、「覚えていた」ということが、病状の回復ではなく、与えられた時間を目いっぱい使って、記憶が途切れなかった、・・・という感じかな。
この13時間をどう扱うか、ということは今まで出てきましたし、9話でのすごいエピソードで刻印されてましたので、無理はないのですが、けっこう強引にもっていった、という気もややしているところ。
医学的にどうこう、というのはヤボのきわみと言いますか、頭の悪さを示すだけですので書きませんが、それとは違う方向性、という点で少し感覚が違う、かな。
とはいえ、今回も、無人駅での千尋の不在、あの円の中で繋がれた映像、カメラフレームの中での景の素顔等、ストーリィにからみつく構図の妙を見せてくれてましたし、アニメ作画として望みうる最高水準に近いものを見せてくれましたので、満足度は高いです。
欲求ってほどでもないですが、もう少し見たかったものとして、雨宮優子の周辺。

火村との暗示で幕を閉じましたけど、これについても今まで仕掛けはされてましたので、つながることはつながるものの、量的な不足は感じてしまうころです。
とはいえ、すばらしい作品でした。
単に今期だけでなく、ここ数年を見渡しても、ちょっと匹敵するものがないんじゃないか、と思えるくらいのすばらしい表現技法で、特に、5話、7話、8話あたりの見せ方には感嘆の一語、としか言いようがないくらいのものを見せてもらったと思っています。
したがって、分析抜きで書くのは本作の魅力を残しておきづらい、という稀有な例になってしまいましたし、本作なら「ここでは分析はしない、別ブログの方で」という自分の縛りを切ってでもやってみたくなる誘惑に駆られるのですが、冬コミ前の多忙な時期ゆえ、涙を飲んで断念します。
ほとんどどの話、どのシーンを切り出してみても、鑑賞に値するすばらしさ、くらいは書いておいてもいいかなと思います。
個人的に好きだったシーンもいくつか回顧しておきます。
まず象徴としての、千尋の円環。
あまりにも小さな有限の時間としての象徴だけでなく、それを別のところから見てしまっているという構図、あるいはその外の黒さ。
円の外が黒であるだけでなく、さらに課せられた鎖。
その意味性もさることながら、切り取りの妙も感じてしまったところです。
絵本。
実際は小説でしたけど、語られる物語を絵本状態にして見せていたこと、及びその内容。
千尋の語る、有限の世界。世界から切り取られたたった一人の世界。
この切り取りの際があまりに鋭く、「女の子は世界に独り」というフレーズと見事に呼応してました。
その意味性は最初から明らかではありましたけど、徐々に具体的な姿を絵本の上で取り出していく、その過程もすごかったです。
景の躍動。
本作の中で唯一「動いて」いた景。そこにある健康な肉体の存在感。
でも、その肉体が結ばれたのは、かつて自分の世界からはじきとばしてしまった妹の千尋であったり、真正面から戦ったみやこであったりで、なかなか皮肉な結果になりました。
もっとも、景の方も、ある進展が見える暗示はありましたけど、この時点での立ち位置を考えるとね。
京介のフレーム。
あまり多くは語られませんでしたけど、このフレームがどっちをむき出すのか、ということは興味深かったところです。
現実に切り込んでいく、というのは、京介自身のことば「オレはフレームを通すとなんだったわかる(見える)」に集約されていると思うのですが、そこに映し出される虚構の、現実以上の輝き、codaで部長さんがいもじくももらしてくれたことばから、強く意識させてくれました。
他にもいろいろありますが、今パッと思い出せるのはこのあたり、かな。
ということで、アニメ作画のすばらしさを心底満喫させていただきました。
作画よりの人間としては、何度でも見直したくなる傑作だったと思います。
スタッフの皆様、すばらしい作品をありがとう。
テーマ:ef -a tale of memories- - ジャンル:アニメ・コミック














