シャナ対フィレス、ヴィルヘルミナ対マージョリー。

図式はほとんどバトル1本でしたけど、その動きがダイナミックだったこと、戦いの中に見せるマージョリー、フィレス、一美、そして田中といった人たちの気持ちをうまく織り込んでいたこと、謎の中心が坂井悠二に収斂しつつあることなんかもはさまれて、すばらしく見ごたえのある回になってました。
うん、ラブコメモードやスパイ戦も面白いけど、こういうのも良いですな。
バトルモードは、シャナとヴィルフェルミナのコンビプレー・・・みたいに言ってましたけど、実際は2on2。
零時迷子を求めて、竜巻とともに一直線に坂井悠二めがけて進むフィレス、そこに切り込む、ぱんつシャナ。
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そして危機に怯えて悠二が出してしまった銀色の封絶に反応して、われを忘れてトーガとなり大暴れのマージョリー・ドー、それを制止しようとするヴィルヘルミナ。
この2組の戦いの動画の綺麗なこと綺麗なこと。
封絶の中という、あの独特の茜色の効果もあるんでしょうけど、2on2なのに構図はすごく明確でわかりやすかったですし、4人の超常者の個性(能力)の違いが十分に出てました。
一直線にむかってきたフィレスに対して一度は突き飛ばされるものの、防戦から適宜攻めに移るシャナ。
そしてその攻撃を受けて「力が弱まってくる」フィレス。
この力の低下が、人を喰らってないから、という説明も後で入りますが、その強大な力のわりに、あえなくしおれ落ちるフィレス。
傷つきながらも悠二の盾となって防戦するシャナ。
美しい戦いでした。勝負としてはわりとあっけなかったですけど。
一方、こっちは自分を失っていたようにさえ見えた、クマーに化けたマージョリーの大暴れ。
これまた防戦のヴィルヘルミナ、布分身千人・・・じゃなかった、包帯触手攻撃・・・というのともちょっと違うかな、とにかく自在に帯状の布を、時に鞭のごとく、時に束ねて盾のごとく扱い、弔詞の詠み手に抗します。
こっちは割と物理的といいますか、超常で戦うというより、力の拳が力の盾と戦う、といったどつきあいバトル。
シリーズの流れからすると、なんとなくヴィルヘルミナよりマージョリーの方が幾分強いような印象でしたけど、最後はシャナとの呼吸のあったプレーでなんとか鎮めることができました。
さて、この戦いの中に繰り広げる人間模様が、本作の魅力の一つでもありまして、まず、悠二の封絶の中で動ける3人の人間、田中、佐藤、吉田一美。
まず田中が見た、緒方真竹の粉砕。

去年ラストの予告で言われてたものでした。
一応封絶の中だから、という説明はありましたけど、目前にその破壊を見て、田中、大衝撃。
見てるこっちも大衝撃。
「ああああ、オガちゃんがァ~」
一方この戦いの中で、冷静に動向を見ていた佐藤。
「銀色は誰だ?」・・・鋭かったですね、今回悠二も含めたヒトさんチームの中で一番しっかりと見えていたもようでした。
そして、戦いの中では逃げまどうだけだった一美ちゃんなんですが、仮装状態のところを襲撃されましたので、コスプレみたいで、とっても色っぺーです。

一段落してから「坂井くんがとっても遠くに見える」なんていってましたけど、それでもあきらめない一美ちゃんは、最後まで必死のアピールをしてました。
一美も健気なんですが、こういうシーンが際立ってくればくるほど、池くんの哀れっぽさも浮き上がってきますなぁ。(^_^;
フィレスが意外と簡単に鎮静したこともあり、戦いはマージョリーを制止するシャナ、ヴィルヘルミナという構図に。
さすがの弔詞の詠み手も、2人相手では分が悪かったのか、はたまた蹂躙の爪牙にまで沈められていたためか、こちらも鎮静されました。
マージョリーに涙の抗議をする田中と、それを知っていたはずだ、という田中の言葉の前に、心氷解させるマージョリー。
万条の仕手の包帯に緊縛されて、反省、の図。(^_^;

復活の儀式を自ら担当、そして「この埋め合わせはするわ、真竹」とかつぶやいてましたし、この段階での敵にはならなかったもようで、一安心。
しかし思ったよりこじれなかったですね。
悠二の中に眠る銀色の力、そして零時迷子の中に封じられたヨーハンの命等々、もっとこじれるかと思ったんですが、意外と皆さん聞きわけがいいといいますか、明晰な頭脳だったようです。
力つきたフィレスによって語り始められる、ヨーハンと零時迷子のこと・・・というあたりで「以下次号」でしたけど、充実した動画を堪能させてくれました。
冒頭の紹介文で、「旧友・フィレス」とか言われてまして、ちょっとがっかりでしたヴィルヘルミナさん。
ちぇっ、百合朋じゃなかったのかよ。(^_^;

フィレスの方は恋人がいましたから、百合朋ではなかろう、なんですが、それを知ってなお胸に白き百合の花を人知れず咲かせるヴィルヘルミナ・・・とかっていう構図も、それはそれで楽しめそうだっただけに残念です。(笑)
「話を聞いて」と言いつつ、語るべき話を明確に用意してなかったところとか、とにかくなぐってから話を聞かせるところとか、どこかの魔砲少女みたいな展開でしたけど、ここでも佐藤くんが明晰なところを見せてくれました。
「まずおまえの銀色からだろ」と。
しかし悠二くん本人にわかるはずもなく、この謎はいったん終えて、フィレスの語る永遠の二人についてスポットがあたってきました。

しかしこういう図を見てると惜しいですねぇ、今からでも百合オリジナルをはさみませんか?(笑)
復活したオガちゃんを見て、感激のあまり抱きつく田中と、それを優しく受け入れる真竹。

ええシーンでした。
惚れていたから、というのはあるにせよ、事情がわかってないのに涙流して抱きついてきた田中くんをしっかりと受け止めて抱きしめ返すオガちゃんの愛らしさ、可憐さ。
シャナ、一美に比べて立ち位置が一美よりさらに外側になっているオガちゃんですが、少女の可憐さをしっかりと見せてくれてます。
史菜もなにごとかつぶやいていたカットをまじえてましたので、いよいよバル・マスケも前面に出てくる展開・・・かな。
うんうん、予定通りとはいえ、伝奇バトルの本題に入ってきたようで、緊迫感をましてきました。
次回はやや落ち着いた話になりそうですが、伝奇ものの本領へと踏み込んでいますので、それなりに期待はさせていただきます。
予告の作画がやや不安ではありましたが・・・。
エンドイラスト、お年玉ヴァージョン。

悠二の肩に乗るねずみヴァージョン・シャナたんと、影から見つめる一美ちゃん、という、とっても嬉しい構図でした。(^_^)