というわけで、選んでみましたのが、テレビアニメ化も決定したストライクウィッチーズ。
第1巻・スオムスいらん子中隊がんばる(文:ヤマグチノボル)

設定はOVA、それからたぶん今後始まるテレビシリーズとたぶん同じで、謎の侵略者ネルロイと戦う世界各国の機械化航空歩兵、通称ウィッチたちの物語、なんですが、OVAと違って、大戦初期のスオムス戦線が舞台になっています。
また、主人公というか、中心人物も扶桑国少尉・穴拭智子で、宮藤芳佳も坂本美緒も出てきません。美緒は名前だけでてくるかな。
「いらん子中隊」という名前からもわかるとおり、各国の部隊からはみだした、あまりものでできた部隊の話で、本来、トップストライカーだったのにある事情から最前線をはずされてしまった智子少尉が、このやる気のない部隊をひきいて戦うお話・・・なんですが、実情はかなり百合かな。(笑)
本文の口絵、および概略文に、まるでヒロインのようにでてくる、迫水ハルカ一飛曹。これがガチです。(笑)
これが智子少尉の貞操を狙って暗躍する話・・・というといいすぎですかね。
以下、いらん子中隊の概略。
・穴拭智子少尉。
扶桑国(モデル:日本)陸軍少尉、扶桑海の巴御前とうたわれ、女学生の憧れの視線を全身に受けるエース。
みどりの黒髪、白い巫女装束と赤い袴に身を包み、携える愛刀は御前長船。
なんの因果か、最前線のカールスラントではなく、辺境の地・スオムスに流されてしまい、最初の間は落胆の日々。
スオムス派遣の理由はラストであかされます。
性格は・・・スカイガールズの瑛花さんみたい、かな。(^_^;
生真面目で、勇敢で、カッコよくて、凛々しくて、美しくて・・・そしてノーマル。
これが悲劇の元、だったのかも。(笑)
・迫水ハルカ一飛曹。
扶桑国海軍・一飛曹。12~3歳の少女。
智子に憧れるヘタレ魔女。智子の理解者、というより、智子の貞操を狙うガチ百合。(笑)
実にばかばかしい秘密があり、それが後半の空中戦の一つのポイントとなります。
やる気はないわけではないのが、それほど積極的、というわけではない。
・エルマ・レイヴォネン中尉
スオムス(モデル:フィンランド)
前線から遠いスオムスで、苦戦を続けていたウィッチ。
なんとか各国えりすぐりのウィッチを配備してもらえると喜んだのも束の間、智子以外全然やる気のない面々で、胃の痛くなる日々が続く。
金髪童顔の美少女、というより、美幼女。
智子ともどもやる気はあるものの、ドジっ娘で、戦果に結びつかない。
・エリザベス・F・ビューリング少尉。
海洋国家ブリタニア(モデル:英国)
実力はあるのに、てんでやる気のない筆頭格。力量は智子といい勝負なのに、過去のある事件のせいで、どーでもいいや状態。
愛煙家。銀髪。厭世家・・・かな。
・キャサリン・オヘア少尉。
リベリオン合衆国(モデル:米国)
巨乳、ブロンド、楽天的、大雑把。
本国で兵器をこわしまくって、転属。
「転属だ!氷と湖の国だ!」
「わぁ、きれいですね」(笑)
・ウルスラ・ハルトマン曹長。
欧州中央カールスラント(モデル:ドイツ)
なんで軍にいるのかわからない、寡黙で愛書家の少女。
12歳、金髪、メガネっ娘。たぶん最年少。
ちなみに本編の方でも出てくるエーリカ・ハルトマン中尉の妹。
これ以外にも、スオムスの他部隊のウィッチとかいろいろ出てきますが、この6人の少女たちを中心に展開されていきます。
一応、ウィッチの能力が思春期の少女に限定される、とい裏設定があるので、この年齢と階級、ということになっています。
したがって、一応作中での整合性はつけられている、てとこかな。かなり強引ですが。(^_^;
文がヤマグチノボル氏ということもあってか、飛行脚を装備したウィッチたちの華々しい戦いというより、智子少尉のはりきりようと、からまわり、やる気のない面々とのすれ違い、その間隙を縫って暗躍するハルカの百合妄想と、どっちかというそっち系に仕上がってます。
文は軽妙洒脱ですし、一気に読める上に智子とハルカ、ビューリングのキャラなんかが生き生きとしてて、面白かったです。
ある意味、典型的なラノベ、と言えるかも知れません。
まぁ、OVAの外伝的内容ですので、テレビシリーズとはあまり関係はないと思いますが、ヤマグチノボルの百合もの、として読めばかなり面白いと思います。
この小説は嬉しい限りです♪
>・・・そしてノーマル。
これが悲劇の元、だったのかも
そんな智子の百合の花がだんだん開花していく
お話なんですよねw
最初は武子さん、が恋人だったのに、みんなに
言いよられるフェロモン属性ですよね。
一巻ではハルカとビューリングが目につきます。
ビューリングはなにげない行動がツボを押さえてますかね♪
なんか百合妄想をしたくなるようなw
ハルカはだんだん黒くなってきますよねw
へタレ攻め、というかかなりタフですよね♪
そんなんですよね、本人は当初ノーマルのつもりだったのに。
いわゆる「光線が出ている」状態ですね。
しかし第2巻の方では、ハルカに攻められて開花してますから、本人がその素養に気づくのが遅かった、ということだったのかも。
いやよいやよも好きのうち、というアレですね、本質にその血が流れているだけに、否定しづらい、といいますか。(笑)
>一巻ではハルカとビューリングが目につきます。
ハルカ・・・第1巻冒頭のどじっ娘属性と、第2巻での、攻めまくる肉食系百合少女、もう別人ですもんね。
彼女も、ほのかな憧れだったのが、開発されてしまったような側面はありましたけど、ガチっぷりを見てますと、なるべくしてなった、といいますか。(笑)
ビューリングは良いキャラでした。
智子のライバルであり、智子の最大の理解者でもあり、そしてクールな本質も変わらずと、いい人物像に仕上がってます。
「いらん娘中隊」でも十分アニメ原作たりうるなぁ、と思ったのは、このビューリングの存在に負うところが大きいです。しないでしょうけど。(^_^;
しかも、表面のそっけなさは、内面の熱い血潮を想起させてくれますから、たしかに崩れると、とんでもなく濃いことをしそうですしね。