瑛理子「人はなぜ恋愛するのか」
瑛理子「人はなぜ人を好きになるのか」
明日夏「人の気持ちをもて遊ぶなんて最低だわ」
瑛理子「そうね、あなたの言うとおりだわ」
・・・今回のハイライト、明日夏VS瑛理子。いやぁ、良かった。(^_^)
![]() | ![]() |
最初、気持ちの変化、みたいなことを言っていた瑛理子の実験が、「恋愛」とか「人を好きになる気持ち」とかに切り替わっていっているこのセリフ。
そしてそれに対して、もっと根源的な気持ちで反論する明日夏。
明日夏の方には、はっきりとした気持ちの変化があります。
今まで幼馴染のような、恋愛よりも友情のような感覚でいた、一輝。
その一輝が、自分とはまったく違う女の子に夢中になっているように(明日夏には)見える一輝を見て、痛む心、気づいた自分の気持ち。
でも、以前と同じように接してくる一輝に対して、自分の気持ちを打ち明けられない。
そこで、せめて一輝がよい方向にいってほしい、という、屈折した感情に囚われかけていたのに、その意中の少女は、何を考えているかさっぱりわからないもどかしさ。
この明日夏の気持ちの変化は、思春期に入って、異性としての意識が芽生えてくる時期の揺らぎを見せてくれてますし、同時に、純粋で一直線。
好きということが、身も心も一体となって反応していく、原始的な、あるいは性的な感情。
対して、瑛理子の方の変化は、考えを組み立てていった先にあるものと、身のうちに起こってくる感情とのギャップに気づいてしまったこと。
最初は純粋に思考実験だったはずが、一緒にいることで「楽しい」「快適」というものを感じてしまう。この段階で、恋とは自覚してなかったかもしれません。
ところが、相手の一輝が心許す相手として、別の少女と接しているのを見て、知ってしまった、自分が知ってはいても感じることのできない世界。
「人が人を好きになる」・・・皮肉なことにも、それはその相手が違う人を見つめていることで知ってしまった気持ち。
そしてその当の相手から、その瑛理子の気持ちが相手をもてあそんでいる、と指摘されてしまう。
瑛理子が認めたのは、食い違ってしまった自分の感情と、考え。
それゆえ、瑛理子は実験の終止を一輝に伝えるわけでしたが・・・。
問題は瑛理子がそれに耐えられるのか、食い違ってしまった心をそれで収めることができるのか、そういう問題。
いやぁ、面白いです。
心の変化、しかもポリシーを変えたわけでなく、自分の個性の延長の結果としての変化。
そして恋と気づくのが、相手が離れていってしまいそうになって、という展開。
よくある話とはいえ、丁寧に描いてくれているので、けっこう胸に迫るものがありますね。
今回はこの2人の対決、そして対決を通して、自身の心を知る瑛理子の姿が印象的でした。
もう一組の摩央。
摩央個人としての気持ちの変化、というのはわかるんですが、現時点で、うまくいっている光一と結美、そして甲斐くんとの交際。
こういうのを見ていますと、けっこうやっかいな想いを引きずっているなぁ、という気が相当します。
作品が始まった当初、甲斐くんの個性がまだわからず、かつ、光一と結美が引っ付くかどうかもわからなかった頃ですと、摩央は光一と引っ付いた方がいいんじゃないか、という気も幾分かはありましたけど、ここまで状況が進んでしまうと・・・横恋慕、という感じがします。
何より、選択肢のある摩央に比べて、選択肢がほとんどない結美ちゃんが、ちょっとかわいそうです。
どう決着をつけるんでしょうか。
甲斐くんが実にいいヤツ、っていうのが最近かなりはっきりしてきましたので、最初の頃考えてた破局プラン、つまり、
甲斐くんがレイプ、もしくは強引に迫る→摩央がショックを受けて別れる→慰めてくれる光一の元へ・・・という方向はかなりうすまってきたとは思いますが、いいヤツすぎるので、摩央のためを思って自ら身を引く、とかっていう展開もあるかなぁ、とか思いだしている昨今。(^_^;
少女達のゆれる気持ち、心の変化の描写が丁寧に描かれてますので、なかなか好感持てるんですが、今回、摩央、瑛理子、明日夏以外が完全に背景になっていたのが、ちょっと気になったかなぁ。(^_^;
特に、うどん娘と相原妹が、すっかりノイズ扱いなのが、痛々しいところではありました。(笑)
どのキャラクターが好きか、というよりも、一輝くんを巡る恋愛もようが面白いので、そっちがどういう方向で決着をつけてくれるのか、楽しみです。
ゲーム原作なのに、ここまで細やかな描写が可能になってる、というのは、原作に縛られない自由度が、ここに来てけっこ良い方向に働いているからだと思います。
そういう点では『true tears』と同じかなぁ、作品の方向性とかはまったく違いますけど。
次回は摩央の気持ちがメイン・・・かな。