原作・第1巻・第6幕、および終幕。
原作ではたった2行で処理されているホロの変身のシーン・・・ちゃんと動画で、しかも、3方向からしっかりと見せてくれて、感激です。
こういっちゃなんですが、原作の巨大狼のさし絵より、アニメの狼の方が目で表情を見せてくれていた分、はるかに良かったです。
まぁ、原作イラストの方も、得体の知れない巨大さ、みたいなものはしっかりと出てましたので、それはそれで良い味ではあったんですけどね。
それと、クロエ。
もう少し、ロレンスに対してウェットな感情を見せてくれるかな、とも思いましたけど、「一緒に店を持ちましょう」ってあたりが限界でしたね、あれはアニメオリジナル。
それでも、ロレンスに対してもっていた、ある種の感情、ロレンスが自分ではなくホロを選んだ、ということに対する冷たい怒り、そういった心の動きがわかりましたし、なにより原作の方では、ヤレイが「感謝してるぜ、だから優先的に麦の売買を~」という流れで、店を持って云々、というのはありませんでした。
この差が、クロエの気持ちを語ってくれてましたから、これは原作を読んでいた者へのご褒美みたいなもんでしたね。
その違いにこめられたものが、まさにクロエの心だったわけですから。
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ただ、ホロが変身しかけるときに
「わっちを選んでくれたことは、ずっと覚えておく」というセリフをカットしてるのは、良いのか悪いのか、ちょっと判断に苦しみますね。
ただ、私はこのアニメの方も尊重したいと思います。
というのも、その直前にあったロレンスとクロエの会話、
クロエ「あなたも商人なら損得勘定くらいできるでしょ?」
ロレンス「そうだな、ずっと夢をかなえたいと思っていた」
というのがあって、それを聞いたホロが、ハッと目を見開きます。

ここも原作と微妙に変わっていて、原作では「哀しげに目を」伏せるんですよね。
この描写が入っているからこそ、その後の「約束を守ることが商人の第一歩だ」と言うセリフにからんでくるわけで、この表情で見せている情景があったればこそ、「選んでくれた」というセリフはなくても十分に伝わってくるわけです。
加えて、「もう見ないでくりゃれ」の方は、しっかりと残してくれてましたしね。
ホロのロレンスへの気持ちは、この言葉で十分です。
あの地下道でのシーンが、この第1巻の魅力が凝集されていたシーンでしたから、そこを丁寧かつ優しく、切なく、そして力強く描いてくれてましたので、相当に満足しています。
あとはつけたしみたいなもんかな。(^_^;
結局殺されることなく、メディオ商会の顛末を聞いていたクロエ、服の代金のために、地の果てまでも追っていく、というロレンスの言葉、請求書という形の伝言で、戻ってきたホロ。(直前の「リンゴ、食べたいのう」がいい伏線になってます。)
そして手をとる2人。
それを見て、「狼と香辛料」とつぶやくマールハイト。(この部分はオリジナル)
・・と、いい締めくくりでした。
ちょっとはっきりしなかったのが、クロエがホロに押し倒されるところ・・・。

「神は・・・」のあと、どうも聞き取れなかったのですが・・・。
原作ですと
「神はいつもそうだ・・・いつも、いつも、理不尽だ」なんですが、同じセリフだったんですかね?
ともかく、最後は、やれやれ、という表情のホロと、しっかりと握手して、この旅が続くことを示してくれた2人の姿でした。
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次回「狼と正しき天秤」・・だそうですから、第2巻第1幕を忠実にやってくれるんだと思いますが、個人的には、天秤のトリックよりも、桃の蜂蜜漬けと聞いて、興奮するホロの方が楽しみだったりします。(^_^)