濃い絵でしたね。(^_^;
前回の予告編で、そうとう違ったデザインになるだろう、とは予測してましたけど、あらためて見てその絵の濃さに驚かされました。
作画水準としては、かなり高い部類だったと思うのですが・・・『キミキス』の絵じゃないよなぁ、とは少し思ってしまったところ。
加えて、作監さんが2人いたせいか、妙に統一がとれてなくて、従来の絵と、筋肉の筋とか、髪の毛とかまで熱心に描き込んでいる濃ゆい作画が混在してて、もうなんと申しますか。(^_^;
・・・別に嫌いとかってわけではないですが、これくらい違うデザインになってしまうともはたしてどうなんかなぁ、という気も少し。
つうわけで、前回の予告にあったデカ乳摩央ねーちゃん。

・・・髪型がなかったら、誰かわかんねーよ。(笑)
ここにきて、印象度急上昇の一輝妹。

肌の露出はうれしいんですが、こっちも濃いです。(^_^;
という濃ゆい作画回でしたけど、お話の方はいままで見せてきた細かな心理描写が結実しかけてて、気持ちのゆれが手に取るようにわかる秀逸な展開でした。
まず、摩央。
甲斐くんに慰められてましたけど・・・甲斐くんがいい男すぎて、摩央の弱さが浮き彫りになっていくようです。
「傷つかなかったといえばうそになる」と言いかけて
「こんな話、(しても)いいか?」という配慮。
優しいのう、高校3年生とは思えません。そして
「オレのことはいい。今は水沢の気持ちだ」という相手の立場にたった助言というか、励ましというか・・・。
こういうのを見てますと、摩央にはまったくもってもったいない相手ですなぁ。
オリキャラってこともあるでしょうけど、甲斐くんの深い包容力に、ちょっと嫉妬してしまいそうです。(^_^;
正直なところ、摩央のビッチっぷりに、甲斐くんがえらく可哀想だ、と少し同情してしまってたんですが、これだけ人間ができているなら、別に摩央なんかとひっつかなくてもいいかなぁ、という気さえしてきます。
今回のシーンは、それ自体にオチがついている感じではなかったですけど、こういう展開なら、仮に、摩央-甲斐の決別、摩央は光一とも距離をとる、という風に、摩央サイドとしては誰とも恋が実らないような展開になったとしても、それはそれで納得できそうです。
ただ、これで摩央が光一とひっつくと、結美ちゃんの問題にもなるので、やや納得いきかねるところではあるのですが・・・。
その結美。

撮影での摩央の涙を見てしまった、ということに対して、摩央は自分の気持ちを結美に知られてしまったことを自覚している、結美の方も摩央の気持ちをしっかりと知ってしまう、しかもそれだけでなく、そのことによって光一までもが心動かされていることまで見抜いてしまう・・・。
前に出て行くことが苦手だった結美。
人とコミュニケーションをとることが苦手だった結美。
けれどもそれだけに、周囲の人間の心の変化に誰よりも敏感になってしまっている、という、ほとんど体質と言ってもいい性格。
・・・なんか自分から身を引いてしまいそうな流れです。
どっちに転ぶにせよ、このままでは終わりそうにないですけど、今まで順風満帆に来ていたこっちのカップルに、暗い影が落ちてくるようでした。
たぶん、設定上は、摩央の方が結美より美人でしょうから、そういう意味でも結美ちゃん、つらいところです。
それにしても光一、これで摩央を受け入れてしまうのなら、ちょっと見損なうけどなぁ・・・。
甲斐くんの男らしさがずっしりとしみこんでくるだけに、これで結美ちゃんを捨てる形になるのなら、気分的に許せない心境になってきつつあります。
今回のメイン、一輝-瑛理子。
食堂での舌戦は瑛理子の完勝。
「記憶力はないの?」・・・強烈です。
でもこの後の展開から、瑛理子が決して本心を口には出さない、ということがわかってきますので、ここでも、内心の変化は少しにじんできてますね。
オレの言ったことにまだ応えてくれていない、という一輝に対して、
「応えたわ」
「私の言ったことが理解できなかったの?」
冷たいコトバを次々と浴びせてますけど、これだけ多弁になっている、という点で既に瑛理子の動揺は伝わってきます。・・・しかも学食の、衆人環視の中で、ですからね。
翌日の欠席、そしてセリフを練習しての訪問。今回のクライマックスでした。
マンションのベランダから一輝が来るのをみて、思わず身を隠してしまう瑛理子。

学校では見せなかった、感情をあらわにした動き・・・。
そして待つことしばし・・・だったのに、なかなか呼び鈴の音が鳴らないので、業を煮やして室外カメラで確認に行きますが、そこに映った姿は・・・。
必死になってセリフの練習をする一輝・・・コミカルなシーンだったんですが、そこまでして自分の気持ちに準じてくれている姿に、瑛理子の心は揺さぶられます。
でまぁ、このときに、今回の濃い絵柄が実に効果的と言いますか、やりすぎといいますか。(笑)
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この髪の描写、目の描写。
本来のデザインからは逸脱も甚だしいんですが、瑛理子の心の変化はビシバシ伝わってきます。
練習の途中に現れて英理子の姿に、一輝も動転、思わず
「始まり方なんて! 踏み出そう!!・・・あれ?」(笑)
ここからの瑛理子の感情とセリフがもうすばらしかったですね。
一輝のコミカルな失敗に思わずもらす笑い声、それに一輝が気づいて声をかけようとすると、
「笑ってないわ!」
「ちょっと咳こんだだけ」
でもここからの、一輝くんの心の本音が、しっかりと答えを導いてくれたようです。
「人の心は変わるというけれどキミを忘れることができたら、こんなにカッコ悪いことをしなくてもすんだ、でも、それでもキミが好きな気持ちは変わらない」
・・・一輝、練習してきた決めゼリフなんかより、はるかにカッコよかったです。
柊の助言はあてにならんなぁ。(笑)
でも、本音が語ってくれた、そこまで自分を受け止めてくれようとしていることばに、瑛理子も、心で答えました。
思わず流れる涙に
「泣いてないわ!」

「なのにどうして涙が出るの・・・」
常に本心を悟られないように、本心と違うことを言っていた瑛理子がここにきてようやく、思っていることとコトバとが重なり始めました。
過去を語らなくても受け止めてくけれた一輝の心・・・。
良いシーンだったんですが、その背後に、明日夏の心もあるわけで、次回は、その明日夏側からの心のゆれが見られそうです。
ともかく、今回はこの瑛理子の涙に酔わせていただくといたしますか。
瑛理子がすばらしく可愛い女性に見えた今回でした。
摩央が家をでるところで幕・・・だったんですが、こっちはまだまだ残り火がくすぶっているようでした。