フミカの正体というか、経緯が思ったよりも早く判明しました。
1つのカラダに2つの心、というのは、すこぶる面白いテーマなんですが、その原因が外因性、というあたりに本作の弱さを少し感じます。
感じますが、それでも今回はいろいろと面白かったです。
まずキラメキの幼児性と、文歌への依存性。
その幼児性ゆえに見せる残虐さと、際限を知らぬ底なしの衝動。
このあたりがコミカルに、かつわかりやすくまとめられていたこと。
カナカはやっぱりいいですね、本作でもっとも気に入ってるんですが、今回もフミカが
「僕はかつて美川文歌だった」と言いかけて、要といっしょになって、堰を切ったようにいっせいに驚きの質問をあびせるんですが、一般人である夏香に「もうちょっとちゃんとフミカの話をきこうよ」と諭されて、しゅんとなってしまうところとか、いい味出してました。
つまりパンピーの夏香よりも、軽い、ってことですね、こういうあたりがカナカの個性なんですよね。
フミカが脱走したキラメキを追い詰めて部屋に内側からかぎをかけて決戦になったところででも
「ボクを使って!」とばかりに、杖であることを甘んじてでも助けようとしていました。
ああいうあたりに、直情な中学生っぽいところがかいまみえてて、良かったところかな。
そして周辺人物の暖かさ。
要の猪突猛進の思いやり、春乃の打たれ強さと、奥行きの深さ、したたかな優しさ。
そして夏香の明るさと、空気を読む力。
こういったものがわりとスムーズに描かれてましたので、フミカの気持ちが寡黙なわりに(といっても今回はかなり語ってましたが)人物像をしっかり見せてくれたと思います。
とはいっても、依然として児童虐待描写はありましたので、必ずしも手放しで面白かった、といえるものではありませんし、これもなにか類似事件でも起こっていれば、規制対象になりかねない境界までは来ていたと思います。
本筋とは関係なかったのですが、ちょっと気になった点を少し書いておきますと、キラメキ先生が寝室から脱出したところ。
なんか銃弾の炸薬を利用して爆発させたように見えたんですが・・・銃弾の炸薬であんな爆発起こせるんですかね?
・・・種類によってはできるのかな?・・・ちょっと無理だと思うんですが。
それと、キラメキ先生の文章なんですが・・・。
「この世界の半分は 女でできていることを」とか
「・・・唾棄する。女から生まれたことを。」とか
「・・・生まれたときからスカートの下に」とか、
なんか中二病炸裂の文なんですけど・・・ひょっとしてケータイ小説かなんかの大作家さんなんですかね?
まぁ、あの年でケータイ小説風のヒットが飛ばせてるのなら、それはそれですごいことだとは思いますが。(^_^;
ともかく、この幼児性むきだしの、キラメキ先生は笑わせてもらいました。
けっこう痛い笑いでしたけど。(^_^;
人格の分裂云々については、それがまったく別個に立ってて、かたや死後文配達人、かたや植物人間状態、という顛末はなかなかよく書けてると思うのですが、原因が外因性と規定してしまったのが、やや不満です。
筋としては問題ないのですが、好みとしては、もっと先天的な本質としてあってほしかったかな、というのがありましたので。まぁ、好みの範疇ではあるんですけどね。(^_^;
ロリ文歌は可愛いかったので、回顧しておきます。

ローティーンの輝く肌に文字を書いていく、ペン先でつきさす、って、なんてエロい文壇先生や、とか思ってしまいましたが、なんかわかる気もします。
曇りのない少女の肌に、自分の文を残していく・・・けっこう萌へるシチュですもんね。
ただ、前回、春乃の腕にも書き出そうとしてましたから、あんまりそういう若い肌の力、みたいなのは関係ないのかも、ですが。
皮膚の上でないと下書きできない、っていうほうが重要だったのかな。
「文歌がいないと書けないんだ」・・・娘の存在よりも、下書き用の人体みたいな感じでもありましたが、あのなさけなさも面白かったですな。力也さん、うますぎ。(笑)
しかし、表情こみですと、前回から引き続いて、夏香ちゃんがよさげですね。
今回のこの要くんを冷やかすような視線でねめあげるところとか、次回予告のチアキにからまれてる(?)ところとか。
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表情の豊かさから来る可愛いらしさ、という点では、チアキと夏香が2強ですね。
キャラの強さ、という点ではカナカの方が好きですけど。(笑)
ともかく、次回はこのチアキと夏香のからみがあるみたいなので、ある意味入浴以上に期待しています。(^_^)