まんま1話使って霞刑部編でしたね。
身の上話の下り、ちょっと今手許にせがわ原作の方がないんだけど、あったかなぁ。風太郎原作にはありません。
こういう風に、脇キャラの人間を描く、っていうのは、長短両方の効果があって、どっちに転ぶからかわないところが多いので、これを入れてみた、っていうのは微妙なとこでしょうね。
かつて、伊賀の影丸で横山光輝は、スピード感を出すために、そういった人情くさいものをそぎおとしていって、逆に、高度に進化したニヒリズムの境地を見せてくれましたけど、現代は(アニメ、漫画に限らず)そういう方向よりもむしろ、キャラクターの奥行き、肉付けで物語を進めていく、といって傾向があるので、こういう追加になったんでしょうが、来週が、まったくのせがわ原作の追加による過去話になるだけに、ややマイナスに働くような気がしないでもないですね。実際、忍法合戦の奇怪さ、スピード感はやや損なわれたような気もしますし。
朱絹が血しぶきで刑部の所在を示す、っていうのは、既に一度、丈助との対決で手のうちを(視聴者に)見せているので、わかりやすい反面、サラッと流れてしまう可能性もあります。風太郎原作のファンとしてはむしろ、朱絹の血しぶきにこそ、忍法の組み合わせによる戦いの妙味が現れている、と思っていただけに、失速感は少し残念です。
もっとも、刑部の死体板を見つめ、それを弔う甲賀衆、弦之助に化けた左衛門、陽炎、そして顔を覆った盲目の二人、という構図の異様さは、優秀な美術と作画陣によって、よく出てたと思う。(それにしても、この段階での盲人の多さ、というのは、すごいですな)
次週、せがわ原作の回でまるまる1話、なのかな。ここにきてどうも話の水増し感がして仕方ない。(^_^;
当初の予想と違って、いまのところ、絵の方はそんなに大きく崩れていない、むしろ良質の方だけに、ちょっと気になりますねぇ。とは言っても、もとの話が量的に限られているから、やむをえないんでしょうが。だとすると配分の問題かなぁ。
ところで、あのうら若い乙女は、お幻の若き日、じゃないよなぁ、朧のかーちゃん?
原作、原作、とエレメンタルのとこで書いたのと矛盾しまくる感想書いてますが、こっちは原作が小説ですし、40年も前のものなんで。