さわやかな最終回で、いくつか積み残したものもありそうでしたけど、本筋のところはうまくまとまって、良作に仕上がっていたと思います。
まずは気に入ったところから。
・朝香中の面々が、負傷を押して試合を続けようとする雪のファイト、そして前回からの上達っぷりを見て、自分達も全力であたろうとする姿。
男女の差が今より大きいかった時代を考えると、なかなかに良い場面でした。
都市部では、大正時代において既に、かなり男女の差はつまってきてましたし、こういう情景もありえるかな、と思わせてくれます。
・岩崎のお詫びと、ツンデレる晶子さん。

岩崎君の心の動きも、かなりさりげなかったですが、少ない尺の中でなんとかフォローしてくれていたようです。
すべてはこの晶子さんの対抗意識から始まった今回の試合、もう少し尺があったらなぁ、というのはありますが、いいしめくくりでした。
・負傷を足手出場の宗谷雪。
今回の雪、むちゃくちゃ可愛いかったですな。(^_^)

男子との試合なんて、これがたぶん最後、だから最後まで、ということばの重さは、審判役の慶応のエースさんにはわからない境地でしょう。
そういう、ある意味人生を賭しての勝負、というのが垣間見れるだけに、このシーンは美しかったです。
その後の雪の痛みを押してのプレーもね。
・野球ネタ。
その後の痛みを押しての雪の守備だったのですが、環との間でグラブトスをやってました。
グラブトスというと、今日においても職業野球史上最高の二遊間と言われる、昭和30年代後半の阪神・吉田(遊)-鎌田(二)で、鎌田がやっていたというバックトスを連想させてくれます。
あの一連の動画は、かなり吉田-鎌田を連想させてくれるところでした。モデルは別にあるのかもしれませんが。
後年、鎌田が近鉄に移籍したところ、あの速いバックトスについていける内野手がいなくて、確か三原監督の頃だと思いますが、バックトス禁止令が出てしまった、なんていうエピソードもありました。
そして、タコ足の中河美芳。(^_^)

静が開脚して捕球するんですが、まさに「タコ足」といわれた、イーグルスの中河美芳。
こうなると戦前の名物守備、ヘソ伝こと阪急山田伝の守備も見たかったところ。
温泉合宿のときに、それっぽいのがなくもなかったんですが・・・。
・合唱部の応援団。
スポーツで心がひとつになる、というのは、古き良き日本の姿ですな。
・がんばる小梅とその応援団。
こっちは父との和解。
ガンコ者の明治男の精一杯の気持ち。
本作、前回の松坂もそうでしたけど、中年男が良い味だしてくれますね。(^_^)
母が美人なんで、小梅もゆくゆくは・・・、あ、でも女の子は父親に似るケースの方が多いのかな。(^_^;
・結局僅差で負け。
負けた、というのは良い結末だったと思います。
それまでに桜花会の努力は敵味方関係なく評価されてましたしね。
勝っちゃったら、さすがにやりすぎだと思いますし。
・晶子さん、執念の一打。

いつも怒ってた美人の晶子さん。
こういう場面が似合います。(^_^)
とこんなところですか。
最後なので簡単に積み残し感のあるところとか、気になったところとかも。
・時代設定の無理。
項目だけを調べて、そのつながりをあんまり検証してなかった、というのがひっかかったところで、第1話冒頭に既にそれがありました。
関東大震災が起こったのが大正12年秋で、この物語のスタートが大正14年春。
震災からまだ1年半、という視点がすっぽり抜け落ちてて、あまりに能天気な時代感覚です。
あと、女性の地位と精神、思潮なんかも、部分的に変なところがありましたし、学制とかもあれ?なところがいくつか。
なまじ細かな風俗をとりいていただけに、そのあたりが最後までひっかかったところ。
もう少し大雑把ですと、逆に気にならなかったんですけどね。
・高原はどうなった。(笑)
最後のシーンで、小梅と三郎の乙女チックな場面が出てきたんですが、あそこはあれを見せて高原をぎゃふんと言わせてほしかったかな。
とまあ、いくつかないわけでもないんですが、全体としては、すこぶる面白かったです。
ラスト、エンドタイトルが終わってから、セーラー服を買ってもらった小梅と三郎でしめ。
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第1話冒頭の、セーラー服の夢が実現したようです。
個人的な好みでは、
胡蝶>鏡子=晶子>雪>小梅≧小梅母=アンナ先生>乃枝・・・その他、かな。
欲を言えば、静のエピソードがもう少しほしかったです。