特に「頻繁に書き換えるかも」といいつつ、全然書き換えてないものもありますので、今後、書き換えるときに、その前に何があったのか、という記録の意味もかねまして。
ただ、いつものアニメ感想とは違いますので、【続きを読む】の法に格納しておきます。
2005年にFC2に移ってきて書いたものが、以下の5つ。
好きなラノベ・ベスト5.
◇1.カラミティナイト(高瀬彼方)
◇2.聖エルザクルセイダース(松枝蔵人)
◇3.クララ白書(氷室冴子)
◇4.超革命的中学生集団(平井和正)
◇5.アレクサンドロス伝奇シリーズ(榛名しおり)
厳密に言うとラノベでないのも入ってますが、これを書いたときには、そんなに変わらないものを書いておこう、という意図があったのと、それほど数多く読んでいるわけでもないので、といったところから、ちょっと古めのものを入れておこうという意図があったからです。
◇1.カラミティナイト(高瀬彼方)
たぶん、これは現在「マイベスト5」というのを作っても一番に入れると思います。
現時点で一番好きな小説です。
ただし、同作者がその後『カラミティナイト・オルタナティブ』というシリーズを始めたこと、本作が完結していないことから、完成作品、という観点で見ると、やや問題があるかもしれません。
ただし『オルタナティブ』の方はそれほど好きな作品とはいえませんが。
で、本作の魅力というと、なんといっても、暗い情熱、智美と優子の鬱屈した友情、情け容赦のないサイキックバトル、と言ったあたりにあると思います。
読書好きで、自身のHPで創作小説を書くことを趣味とする、内向的な文系少女、沢村智美。
対照的で屈託のない性格で誰からも好感をもたれるポニテの体育会系的、理系的美少女、櫻井優子。
智美がふとしたきっかけで、「災厄の心臓(カラミティハート)」に選ばれて、第5の騎士(第1~第4は故人)にされてしまうところからスタートしますが、その謎に満ちた「災厄の心臓」の持ち主、遠野忍。
「災厄の心臓」を利用せんとする「慟哭の三十人衆(サーティ・スクリーマーズ)」との戦い。
物語の骨格はこの辺ですが、智美と優子の学校に、この美少年・忍が転向してくるところから始まるのですが、この少年と、主人公智美の間に、まったく恋愛感情がおこりません。(笑)
むしろ事件が起こるたびに、智美と優子の友情が深まっていく、というやや百合よりな、それでい朋友を親友を殺してしまうかもしれない、傷つけてしまうかもしれないという、智美の内向的な情熱が作品の柱になっていて、ここに本作の魅力があったりします。
完結していないので、バッドエンドとは言い切れませんが、各巻の2/3から3/4くらいまでは相当憂鬱な雰囲気、智美のおびえが描かれていまして、暗めのラノベが好きな私にとっては、かなりひきつけられるものがあったりします。
イラストは『黒神』の西村博之さんで、実は最初、本作を手にとったのは、西村さんの絵にひかれて、でした。
もちろん西村さんの絵は『黒神』や本作以前から好きでしたので、大いに満足でしたけど、中身の方も非常に好みにあっててすばらしく、当時は友人達にすすめて読ましていたりもしたもんです。
ただ、これを出していたハルキ文庫がレーベルを解散させてしまったこと、作者の軸足が『オルタナティブ』の方に移ってしまったことなどから、この作品としては未完に終わりそうですけど、それでも、現時点で、ラノベとしては一番好きな作品です。
◇2.聖エルザクルセイダース(松枝蔵人)
これも当初は、イラスト買い。
最初コンプティーク誌に連載されて、第1巻が角川文庫から380円(!)で出たのが、奥付を見ると昭和63年(1988)なんで、もうかれこれ20年近以上前ですか。(^_^;
イラストは、伊東岳彦氏になる前か、なって併用していたかの頃の、BlackPoint氏。
一応ミステリ・スタイルをとっていて、謎解きがメイン、みたいな構成だったのですが、それ以上に、ところせましと暴れまわる各キャラのにぎやかさ、やかましさ、バイタリティにひきつけられた作品で、主人公ミホとその仲間達、姫、チクリン、オトシマエ、コックリさんらの目を通して語られる、学園ミステリでした。
特に、長身の武闘派グラマラス美少女オトシマエと、敵方の滝沢礼子ってあたりがお気に入りでした。(^_^)
いわゆる「キャラもの」の先駆けみたいな作品でしたけど、現在ではこんな風にキャラを動かす人は少なくなってしまいました。
ライトノベルの定義は人それぞれで、10人いたら10通りの定義が生まれそうですが、私個人としては、狭義には『スレイヤーズ以降』(1990)、広義にはソノラマ文庫登場以降(1975)と考えてますので、ラノベ黎明期の名作、といったところかな。
◇3.クララ白書(氷室冴子)
これは広義にとった場合でも、ギリギリ、ラノベに入るかどうか、といったところですが、学園を舞台に女の子たちが生き生きと動き回る、女の子目線の小説として画期的でした。
少女愛、百合小説、というと、だいたい吉屋信子あたりから説き起こすのが通例になってますけど、今日的な意味で言うと、本作がルーツじゃないかと思います。
百合もの、と聞いて連想される、レズビアン的なものはほとんど、というかまったくありませんし、そういう方向性ではありませんが。
本作に惹かれたのは、その女の子達の内面の声。
それまで男性作家によって、被写体として描かれることの多かった女の子達が、自分の声、自分の想いを紙面に展開している、その斬新さでした。
それに、百合小説みたいな分類にするには、男子学生とかけっこう出てきますし、異性恋愛に対してちょっとつっぱった、それでいてあこがれも捨てきれない、といったような描写もありますから、今のどぎつい百合ものになれた目で読むと、「え?」かも知れませんが、当時はこういうのでも、けっこうドキドキしたもんです。(笑)
あと、文庫登場当時はそんなに意識してなかったのですが、今読むと、舞台となった札幌市街の描写が、生き生きとしてて良いですね。
札幌には行ったことがある程度で、住んだことがないため、どの程度のリアリティがあるのかまではわかりませんが、物語背景としては、いい描写だったと思います。
ソノラマ文庫に遅れて、少女もののソノラマ文庫、みたいな立ち位置でスタートしたコバルト文庫でしたけど、初期の頃には富島健夫とか、アニメのノベライズとかもありまして、明確に「少女小説」専門を掲げていたわけではなかったと思いますが、本作が登場したあたりから、レーベルの色合いが固まってきたと思います。
続編として、高等部に行ってからの『アグネス白書』というのも出ましたけど、やはり初々しさ、という点で、本作の方が良いですね。
◇4.超革命的中学生集団(平井和正)
これはもう完全に、ラノベの枠を出てますね。(笑)
ただラノベの前にジュブナイルがあり、その前に少年小説や、科学冒険小説なんかがあって、日本SFとかなりの部分で根っ子を同じくしている、という意味では、ラノベの遠祖にあたるんじゃないかな、というニュアンスで選んでおきました。
まだデッサンが破綻する前の永井豪氏がイラストを担当されてまして、平井原作なのに、まるで永井漫画のような、ハチャメチャSFが実に楽しかった記憶がありますが、さすがにこれをラノベといってしまうのは、相当無理がありますので、次回、書き換えることがあったら、これはひっこめようかと思ってます。
Amazon見ますと、中古でしか買えないみたいですから、絶版状態なのかも・・・というのもありますしね。
ただ、何度かの映画化で『時をかける少女』が復刊してますので、本作もライブラリ化してほしいなぁ、と思ってしまうところです。
同時代、と言ってはなんですが、昭和50年以前のジュニア向けSFなんか復刊して欲しいですね、『暁はただ銀色』とか。
◇5.アレクサンドロス伝奇シリーズ(榛名しおり)
ラノベ関連のベスト本、書評本なんかを見てますと、コバルト文庫を初めとする少女小説って、ことごとく無視されるんですよね。
そこそこ名前が挙がるのって『マリみて』くらいで、完全に少女小説はハミゴ状態なんですが、実はけっこう好きで、いろいろ読んでます。いや、数はそれほどでもないかな。(^_^;
本作は、講談社X文庫ホワイトハート、として出されたシリーズで全7巻。
マケドニア王国のアレクサンダー大王とその周辺を扱った歴史小説で、少女小説ってこういう歴史もの、地歴ものに佳作が多いように思います。
ただこれ、男性読者にはちょっとつらい側面もあるかな、という気はするんですよね、なんせヒロインのサラがめちゃくちゃな目にあいますから。
第1巻『テュロスの聖母』の段階では、ヒロイン・サラは、奴隷出身で、娼窟に売り飛ばされようとしているところから始まって、暴漢達にレイプされるわ、海中に捨てられようとするわで、もう散々な目にあいます。
加えて、第1巻段階ではアレクサンドロスはほとんど登場しませんし、シリーズ名が書かれてなければ、古代オリエントもの、という感覚だけになってしまっていたかも、です。
しかしこのサラが過酷な運命にもてあそばれながら、しっかりと生き抜いていく、あるいは押し寄せてくる歴史の荒波、なんかもありまして、けっこうな読み応えです。
なんつってもサラの魅力が大きいですしね。
これを一般の歴史小説と見るなら、ひっかかるところもありますけど、ラノベとして読むなら、かなりひきこまれたストーリィでした。
ただ本作も、ほとんど絶版に近いかな、という感じなので、次は書き換えようとは思ってますが。
それほど、ラノベ読みの方々ほどには、数も読み込んでないので、遺漏も相当あろうかと思いますが、そのうち書き換えようかと思っています。
私も自サイトで勧められましたものでして(〃∇〃)
そして、とある~○○
超電磁砲・・・ではなく飛行士の方です、が
まだ未読ですがチェックいれています(^_^)
適度なファンタジー感覚も趣味にあいましたしね。
『とある飛行士』の方も、全体を通じて漂う諦念のようなものにひきつけられました。
まだ読まれていない、ということですので、詳細は避けますが、あのラストはかなり気に入っています。