おお、物語の核心にいきなり切り込んで参りました。
奪われた首が別人の胴体にくっつけられて動いている、その首がある姉弟の愛憎妄執の原因になっている、そしてその追撃戦のさ中、帝人くんが巻き込まれる、と、ドラマ炸裂。
これまで比較的、状況描写、キャラ描写に終始してきた感じでしたが、ここに来て物語が大きく動き始めた感じ。
いよいよ「首の物語」が稼動し始めた、という印象です。
波江と誠二の異常な姉弟愛、なんですが・・・。
まず波江、臨也の元に荘作依頼にきたあたりから、ポロポロと、過去、弟への想いが語られだします。
![]() | ![]() |
私服になると、成熟した胸がなかなか嬉しいですね、と、そういうことではなく。(笑)
弟に執着しているというのは、以前も少しありましたけど、それは弟が生まれてからずっとだったようで、その弟も、幼時の言動、美香を殺したときの態度なんかを見てると、かなり精神に傷があるのか、異質な感じですね。
そんな異常な弟を愛する姉、だったんですが、幼時に弟に見せた首が語られてました。
![]() | ![]() |
書斎で見つけた首を、さして動揺するでもなく見つめる波江・・・姉の方もかなり異常ですが、叔父が持って帰った、というあたりから、この一族の血なのかも、というところですね。
波江の異常さは、外界に対する体温の低さと、身内に対する体温の高さ、といったところにあるようでした。
幼女時代の波江・・・冷たい美貌、という片鱗が少しでてます。
対して、弟の誠二。
首に妄執・・・といったあたりで相当の病みを感じたのですが、命や痛みに対する感覚も鈍いというか、ある種の突き抜けた感覚があるようです。
「人を殺したかもしれない」と言って、その返り血を浴び、死体の傍らで、平然とカップ麺を食べている姿、というのも、なかなかでした。
その異様な弟に背後から抱きつき「あなたは何も心配しなくていい」と言ってのける姉も相当で、この異常さが、今回のポイントでした。
こういう変質的なエピソード、グロ描写さえなければ、かなり好きです。
その後、研究対象として引き取っていた首を、その死体、おそらくは張間美香に付け替えたんでしょうなぁ、あの描写ですと。
この辺、神経的に異常さ、というのも良いですね。
しかし、首は脳とともにつけられたわけですので、仮にカラダの部分が張間美香だとして・・・記憶喪失まではわかるんですが、セルティそのものになってしまわないんですかね、セルティから逃げてた、というのもちょっとわかりませんし。

何か読み違いがあるのかも知れませんが、現時点での疑問、として書いておきます。
はたして、張間美香のカラダと、セルティの頭・・・人格としてはどちらが優位になるのか。
ともかく、そんな弟を溺愛し、なにかの衝動にかられる波江。
「わたしの愛を踏み台にして誠二の愛がある」といい、両者ともにわかっていると言う波絵。
「胸を焼く赤い錆付いた嫉妬」という<表現を使って現状を見る波江。
非常に落としたトーンで、淡々と語りながら、その背景にある、狂おしい情を垣間見せる・・・小林沙苗さんの芸をひさしぶりに堪能させてもらった感じです。
今回、自分の首を見つけて、新羅の前で動揺するセルティも、みゆきちが実に可愛い演技で魅せてくれたんですが、この静けさの中に狂気の宿る、沙苗さんの演ずる波江の凄さに圧倒されました。
誠二の端末を捨てたり、どこかへ引っ張ってていこうとしたり、まだ行動がはっきり読めない「首に傷のある女」ですが、彼女の携帯にメールで指示を出していたのは臨也だったんですかね?
そんな彼女を目撃したセルティの動揺と、静雄の関与。
まずセルティ。
![]() | ![]() |
新羅の前で動揺している姿が、やけに可愛いかったですな。(^_^)
セルティはかなり新羅に対して信頼感を見せてるんですが・・・新羅の腹の中がまだちょっと読めないので、この2人も関係としては微妙なのかも。
そして静雄と誠二。
他人の痛みに頓着しない誠二らしい、ボールペンを突き刺す攻撃。見てて痛いです。(^_^;
静雄くん、掌を貫通させられてたのに、血がでるなぁ、とか平然と言ってましたけど、掌ですと、むしろ神経が切れて、指とかが動かなくなる方がはるかに恐いんですが。
顔と掌って神経が集中してますからなぁ・・・。
ここらへんは、アニメ補正としして見ておきましょうか。
そしてたまたま通りかかった帝人を巻き込んでの、「首に傷のある女」追撃戦。
来良学園の生徒であること、女が帝人のノートの名前を見ていたこと、なんかから、かなり早く、というかたぶん次に、もう帝人君が生活ごとまきこまれそうですな。
一つの重要な事件が、他の重要なストーリィの中に入って言いって、からみあっていく。
人物だけでなく、事件やストーリィもグランドホテル形式でロンドしていってますので、実に見ごたえがあります。はたしてどうなるんでしょ、ワクワクしますね。(^_^)
帝人君の部屋に来た「首に傷のある女」の、きれいな足を眺めつつ、しめておきまする。
![]() | ![]() |
セルティの首に張間美香のカラダと仮定して・・・良いとこどりの肉体、ってことなんかなぁ。セルティのボディも、もちろんよさげではあるんですが。
波江さんによると、張間美香は、
「張間美香という頭の悪い女」みたいですので。(笑)
次回、帝人君のステージっぽいんですが、隣のクラスのダラーズってのも、気になりますな。