体育祭にかけろ!好きにすればいいじゃん…秋:体育祭にやってきた金城の兄・圭一。女子の視線を一身に集める中、山田に接近するが、小須田の問題で頭がいっぱいの山田は袖にしてしまう。その結果、山田株・急上昇。しかし金城京香の山田への対抗心はいっそう燃えあがるだった。]
しかしあの原作が、こんなにピュアな青春劇になってしまうとは。
良い意味で意外ですね。原作のどこかつきぬけたような色情コメディも好きでしたけど。(^_^;

「好きとか嫌いとか、よくわかんないよ。私はただエッチしたいだけなのに」
「恋とか愛ってもっと楽しくて幸せなもんでしょ。こんなに苦しくてしんどいなんて、おかしいよ」
「恋愛なんてよくわかんない」
・・・と自室で悶々とする山田。
それを見て恋愛上級者の妹・千夏。
「おねーちゃん、今、あなたが真っ只中にいるのが、それですよ」
![]() | ![]() |
前後2度にわたって出てくるこの場面、コミカルな描写の延長として出てきますが、こういうストレートな「悩める十代」っていう描写が最近少なくなっているので、逆に新鮮です。
ことあるごとに「エッチしたい」を連呼し、性的な欲求でしか動いていないように見せる、見栄と性欲の権化みたいな山田ですけど、本心というか、底の方にある「女の子らしさ」が、実にピュアに描かれています。
これ、表面だけ見て、「山田はビッチ」とか「一貫していない」とかって言うのは、青春経験の希薄な人なんでしょうなぁ、という気にもさせてくれますし、なかなか良い人物造形。
もちろん、こういう風にぶちあたるのが、一つのギャグになっている、という側面もあるんですが、制作側はかなりストレートに想いを託してるんじゃないかなぁ、という気がします。
口先で「エッチ」「イケメン」「お金持ち」みたいなものに反応するいまどきの耳年増な女子高生、でも、その底には、感じやすい悩み多きスピリットが今も脈うっている、てことじゃないでしょうかね。
それと、これは原作者が女性だからだろうと思いますが、小須田の周りに松尾、山田のまわりに妹と竹下、というその筋の上級者がいて、しっかりと悩みをフォローしてくれている、という図式が、お話をスムーズに進めてくれてます。
これもけっこう重要なことじゃないかなぁ。
現実には、むしろ逆に友達として、助言者としての竹下とか、千夏みたいな存在が希薄だったりするので、その辺の理想的な友人関係、というのも出ているようですし。
小須田が松尾に相談しつつも、どこまで言っていいのか、と逡巡し、その松尾は実は竹下から聞いていて、というのも、適度に少女マンガ的フィーリングがあって良いですね。原作掲載誌は青年誌ですけど。(^_^;
ということで、いつになく恋愛コメディの要素が強く出てて、たいへんすばらしかったエピソードでございました。
もちろん、三郷をはじめとした山田以外のキャラも秀逸でしたので、そのあたり、気に入った点だけ落穂拾い。
人気投票で告白しちゃう小須田くん、でしたが・・・。
![]() | ![]() | ![]() |
投票が告白になってしまい、それを聞いていたまゆちゃん、愕然。

今回の前半、山田にだけスポットがあたってる状態でしたので、まゆちゃんに対してはまったくのフォローなし、という悲惨な結果に。(^_^;
しかもこの後、チアガールでけっこう笑顔だったりしますし。
それにしても相変わらず胸、嬉しいデカさです。
またしても人気投票で敗れた金城さんに、三郷の容赦ないつっこみが。(笑)
![]() | ![]() |
三郷は後半、大活躍で、ここでも金城さんの神経を逆なですることをやってました。
金城さん、恨むべきは山田じゃなくて、三郷さんなんじゃ。(^_^;
たぶん、三郷は根っからの天然で、悪意が微塵もない、というところが誰にでもわかるだけに、恨めないんでしょうけど。
体育祭実行委員になって、資料室で小須田とうれしはずかしツーショット。
小須田君が勇気を出して、「返事がほしい」といったところ
「嫌いだなんていってない」と、これも山田、精一杯の勇気。

このあたりも良かったです。
実際、渦中にあると、これすらもできない、なんてことはよくある話です。
そこへ行くと、小須田、駅で、教室で、そしてこの資料室で、と3度トライしてるわけですから、見かけによらず勇気ありますね。
相手の気持ちも考えろ、という竹下の助言、それに対して繊細に揺れ動きながらも、しっかりと理解する山田、このあたりも、揺れる心の反映としてよくできてました。
悩んでいるときって、逆になにかのきっかけでこういうことが冷静に見えたりするんですよね。
「嫌いなんて言ってない」という山田のことばを聞いて喜ぶ竹下でしたけど、その後にきつい一発。
![]() | ![]() | ![]() |
「あんたは小須田が好きなんだよ!」
思わず真っ白になる山田。(笑)
まぁ、男側心理としては、自分の恋心を親友とは言えペラペラしゃべってる、というのはいったいどうよ、という感覚もなくはないですが、山田に自覚がなかった以上、仕方ないかも、ですね。
女の子というのはそういうものだ、という理解がないと、恋愛なんてできませんしね。(^_^;
後半戦、金城の兄、圭一登場。
某国のお姫さまも心奪われてしまう、ワールドワイドなイケメンさんだったようです。ハードート大学在学中。

ここからいい感じにこじれてくるので、圭一のかきまわしに期待したいところ。
体育祭。2年H組・女子はチアリーダーに。
![]() | ![]() |
モテモテの金城さんでしたけど、「彼氏は?」という質問に対して、山田との間で、水面下の心理戦。(笑)
![]() | ![]() |
しかしこれも、中高生くらいのガキ心理ですと、彼氏アリ=中古、みたいな連想をしちゃうので、いたしかゆしではあるんですけどね。
プライドの高い美女に対しては通用しない理屈です。(^_^;
祭もたけなわ、女子騎馬戦で大活躍の金城さんとか、借り物競争の三郷とか。
![]() | ![]() |
しかし、女子の騎馬戦がある学校って・・・最近は普通なんですかね。
さて、ここから三郷の金城いぢり第2幕。
借り物競争で、共通お題が「メン」
三郷のひいた「ツケメン」を他人の「イケメン」と交換してもらい、見物に来ていた金城圭一をゲット。
![]() | ![]() |
金城、怒りのビームが三郷を直撃!(笑)
しかし、圭一が接近した山田は、圭一をモノともせず。
こういうのが嬉しくなる男心、というのもわかります。
狭量な感じがしなくもないですが、そういうものなのですよ。
その後山田は体育準備質で、またもや密会。結果的に、ですけど。

この辺もきゅんきゅんしてますなぁ。
山田「百万年早い!」
エロ神「難儀なやっちゃな」
・・・ほんとに難儀なヤツです、山田。でもそこが可愛いんですけどね。
というわけで、ストーリィとしても、絵柄としても、キャラ描写としても、悦痴さ加減としても、たいへんおいしい今回でした。
チアコスを回顧してしめておきます。(^_^)
![]() | ![]() | ![]() |