気になったので原作最終回を読んどこうか、と思ったら、近所の本屋は全滅。
これだから田舎はイヤなんだよなぁ。(笑)
まあ時間差の問題だろうから、コミックスがでてからにしますか。(^_^;
一応アニメ重視派ですので、アニメが決着ついてから読む、という方がいいかな。
さて、アニメ本編。
冒頭、占星術の秘儀についてエルリック兄弟が語る場面があったのですが、
「太陽は男、月は女」・・・というくだりがありました。
えーと、ラテン占星術、もしくは白銀時代の占星術ですかね。
パラケルスス(本名ホーエンハイム)の時代ですと、
「月が男性、太陽が女性」・・・なんですけどね、いわゆるゲルマン占星術。
ゲルマン諸語の名詞性にも反映してまして、たしか海が女性、湖が男性、というのも関係してた、と思います。
ラテン占星術でもいいんですが、これまで比較的ゲルマン魔法伝承をとりこんできていたので、ちょっと意外な感じでした。
日本に入ってきている星占い、なんてのも、ラテン占星術をベースにしてるから、日本的、という点ではそうかな。
術符なんかもときどき映ってるんですが、それもかなり白銀式を使用しているみたいですし。
占星術ですと「おとめ座」なんてのは、多くの日本人が誤って認識しているような「処女の星座」とかではなくて、未分化の象徴とかだったりします。
そのへん、澁澤氏の『黒魔術の手帳』あたりが詳しかったりしますが、あれも素材はゲルマン魔術からひいているものもあるとはいえ、原則はラテン占星術。
まぁ、錬金、錬丹を同じ空間軸で扱っている、という段階で、素材として楽しければいいか、という気はしますけどね、実際味付けてとしては実にうまく機能してますし。
大詰め間近で、反撃に出た人間軍、そしてブラッドレイとセリムの死、というか没落。
闇の勢力の手ごまとして、ホムンクルス達の描写が実に良いキャラマクターになってまして、人間以上に人間くさく、信念を持って戦い、暗躍しているようなんですが、最後までそのモティーフに従って滅んでいきました。
このあたり、ドラマとしてうまいですね。
ただ、作画面にセンスの相違があったのはちと残念で、ウィンリィのマスクがちょっと微妙なことに。
メイとか、ようやく素顔復帰のランファンとかはそこそこ良かったのに、その辺が今回の数少ない不満点。
ランファンとブラッドレイの対話は、本筋の方より良かったです。(^_^;
ブラッドレイの、奥方に関する発言がややくどかったようにも感じましたが、その後の
「(長話をして)仇をうちそこねたな」というセリフにつながってましたし、全体の場面としては、鮮やかに決まってました。
敵でありながら、ランファンの御心にある刻印を残した、その末期の姿、ことば、味わい深かったです。
ブラッドレイの最後としても、素顔を出して「人」に戻ったランファンの想いとしても。
あと3話、エンドタイトに「ラスト3話、見逃すな!」と出てました。
制作側の自信のあらわれでしょう。
期待しています。